展示会出展の成果指標について考える

展示会の成果指標について考える

展示会の成果報告書に書くべき成果指標とは

 

先日、ある企業に相談されました。

「経営層から展示会の成果をレポートするように言われています。展示会の成功を判断する指標は、何が正しいのですか?」

 

展示会を運営企画している方は、展示会後にレポートを提出することが多いと思います。

その時、どの指標で成果を考えるのが正しいのか悩まれた経験はないでしょうか?

 

今回は、展示会の成果の4つの指標について考えてみたいと思います。

皆さまはどの指標を使っていますか?

 

2020年2月23日追記

展示会後のレポート(報告書)に書くべきことを最後に追記しました。

 

PR(認知度向上)

 

良くあるのがこの指標です。

今回の展示会は自社の認知度向上に成果をあげたかどうか?

展示会の目的を、企業PR、製品PRとしている場合に多いです。

またBtoCビジネスの場合は、PRは重要な経営指標となります。

 

このパターンで良く使われる指標が、「来場者情報の獲得数」です。

 

  • ノベルティとの交換で得た来場者情報
  • バーコードリーダーで得た来場者情報
  • アンケートで得た来場者情報
  • プレゼンテーションを聞いてくれた来場者数
  • デモンストレーションを体験してくれた来場者数

 

「今回の展示会では1500枚の名刺情報が集まりました!」

「前回に比べて、集客数が200名増加しました!」

 

このレポートは、経営層の評価が分かれます。

Aさん:「それだけ集まれば自社のPRになったと思うよ!」

Bさん:「たくさん名刺は集まったのは分かったけど、その後売上に繋がっているのか?」

 

Bさんのような考え方を持った上層部には、違った指標を見せないといけません。

 

有効名刺数

 

展示会出展の回数が増えてくると、測定できないPR効果に不満の声があがってきます。

展示会に多額の費用がかかっているが意味はあるのか?という話です。

特に、BtoBビジネスでターゲット層が比較的狭い場合は、不満の声が多くなる傾向にあります。

 

そこで、良く出てくる指標が「有効名刺数」です。

 

昨今は、展示会前にスコアリング基準(A、B、Cランクなど)を設定している企業も増えています。

展示会の成果を、スコアリング基準に満たしている「有効名刺数」で判断します。

 

「有効名刺数を目的にして展示会を行った結果、有効名刺数が前回100枚が今回500枚になりました!」

「今回の展示会では、○○社の○○常務と情報交換致しました!」

 

この指標は、経営層の立場で考えると、「リードの質」にフォーカスをしていると感じます。

BtoBビジネスでは、無駄な名刺をたくさん獲得したとしても、それが受注に繋がる訳ではありません。

その事を理解している上層部からすると、売上があがりそうと期待感が沸きます。

 

この指標を使うには、2つ注意点があります。

 

  1. 展示会開始前にスコアリング基準を明確にしておくこと
  2. スコアリング基準を現場のスタッフも理解しておくこと

 

ここまでは、展示会で集めた情報についての指標です。

この先は展示会後のアクションも含めた指標となります。

 

コンバージョン数

 

展示会で質の高いリード情報を集めたとしても、その後のアクションに繋がっていなければ売上はあがりません。

営業マンにとっては、展示会は営業のスタートです。

展示会後のアクションが機能してこそ、売上拡大に繋がります。

 

そこで、売上に繋がるまでのプロセスを可視化(KPI設定)し、進捗を指標にします。

例えば、A社の場合を考えてみます。

 

A社は、アンケートでスコアリングを行い、来場者をA、B、C、Dランクに分けています。

Aランクの来場者には、展示会後電話をしてアポイントを獲得。

Bランクには、ステップメールへの誘引⇒セミナー誘引。

Cランクにはメルマガ発信。

Dランクはアクションなしに設定しています。

 

A社の場合は、3つのKPIを設定しました。

 

  1. ステップメールの登録数
  2. セミナー参加数
  3. アポイント数

 

この3つの指標の進捗率をレポートにまとめることで、経営層の評価があがりました。

 

このように、展示会後のアクションまで組み入れた成果指標を設定することで、以下のメリットがあります。

 

  • どのプロセスに問題があって受注できていないのか明確になり、解決策の立案が可能になる
  • マーケティング部と営業部の連携がスムーズになる

 

経営層の視点で考えると、有効名刺数よりもさらに期待感のあがる指標がコンバージョン率になります。

 

費用対効果

 

最後の指標が費用対効果です。

経営層からすれば、この指標が最も気になる指標だと思われます。

しかし、展示会の企画側からすると最も出しにくいのがこの指標です。

この指標が難しい理由は、色々と考えられます。

 

  • 受注数まで追うことは難しい
  • 展示会の成果として受注になったか分からない
  • 受注までのリードタイムが1年以上かかる

 

例えばセールスがすべてWEB上で完結するような企業であれば、上記のような悩みはありません。

ただし、営業マンがクロージングしている場合は、上記のような理由で費用対効果の測定が難しいです。

 

費用対効果には前の3つと全く異なった1つの概念が入っています。

それがコストです。

 

そこで、費用対効果で使いやすい指標を2つ紹介致します。

 

  1. アポイント数/展示会費用
  2. 有効名刺数/展示会費用

 

①の指標は、50000円/1件より低ければ良い指標です。

②の指標は、20000円/1件より低ければ良い指標です。

※あくまで参考値です。ビジネスモデルや単価によって変化します

 

展示会出展を重ねていくと、「コスト」に対する指標も必要になってきます。

是非上記2つの指標を参考にして下さい!

 

まとめ

 

今回は、4つの指標について書きました。

展示会は出展することがGoalではなく、出展後に売上に繋がってこそ成果だと弊社は考えております。

是非レポートの際には4つの指標を参考にして頂ければと思います。

 

2020年2月23日追記

展示会後のレポート(報告書)で良いテンプレートはありませんか?という質問を頂きます。

展示会後のレポートで乗せた方が良い情報をまとめてみたいと思います。

 

1.定量分析指標

 

定量分析指標は、前年比で行うのが良いと思います。

 

  • 総来場者数
  • 名刺獲得数
  • 有効名刺獲得数
  • アポイント数
  • 受注数/受注額(情報が追えていれば)
  • 有効名刺1枚当たりのコスト
  • アポイント1枚当たりのコスト
  • ROAS

 

2.定性分析指標

定性指標も非常に大事です。以下のポイントを参考にして下さい。

 

  • 全体の中でターゲット来場者が多いor少ない
  • ターゲット来場者は、情報収集が多い、決裁者が多いなどの情報
  • スコアリングの精度について
  • 展示会後の反応について

 

3.展示ブースコンセプトに関わる情報

次回の展示会の改善点に繋がる情報です。

 

  • キャッチコピーや集客施策の評価
  • ブース内でのオペレーションに関する評価
  • 人員配置数に関する評価
  • ブース位置やブースの大きさに関する評価

 

4.次回の改善点

最後に次回の改善点をまとめます。

 

  • 定量/定性分析より次回出展すべきか?又は他の展示会の方が良いのか?を検証
  • 展示ブースコンセプトの改善点を挙げる

 

以上となります。

展示会後のレポートを作成する時の参考にして頂ければと幸いです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

展示会コンサルに興味がある方はこちら

展示会のコンサルって何をするの?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です