PDCAで磨き上げた巧みな展示会オペレーション術

PDCAで磨き上げられた巧みな展示会オペレーション

 

前回の記事では、9月13日~15日に「フードディストリビューション2017」に出展されていた株式会社アステックペイントジャパン様

を取材させて頂きました。

 

前回の記事で書かせて頂いた通り、こちらのブースではコンパニオンの方がとても素晴らしいオペレーションをされていました。

ブースの写真を見て頂ければわかると思いますが、それ程大きいブースではなく、比較的簡素なデザインでもあります。

しかし、周りのブースと比べてかなり賑わっていました(写真は比較的人が少ない瞬間に撮らせ頂きました)。

もちろんコンパニオンの方も素晴らしかったのですが、その他にも様々な工夫がなされていると感じました。

 

そこで今回は展示会を成功に導くための秘訣を探るべく、株式会社アステックペイントジャパンの商品部次長の中島氏にお話をお聞きしました。

前回の記事をご覧になっていない方はぜひご覧下さい。

キラリと光る!コンパニオン活用術

 

「キラリと光る!」出展企業のご紹介

企業名:株式会社アステックペイントジャパン

出展展示会:フードディストリビューション2017

小間数:2小間

社員等の参加者:9名

コンパニオン:3名

URL:http://astec-japan.co.jp/

 

目標設定は重要

 

―今回の展示会での目的は?

中島氏:今回は工場や物流倉庫を持っている企業の方やそのような企業様と取引のある企業の方との出会いが目的でした。そのため、当社は「ターゲット名刺数」を指標としており、以上の2つのターゲット企業から600枚の名刺獲得を目標としていました。

当社は7年程前から年に4回程度出展しており、1日当たり200枚というのが妥当な数字だと考えています。今回の展示会でも目標は達成しました。

 

―目標は単なる名刺獲得数ではなく、ターゲット名刺数にされているのですね

中島氏:目標設定はとても重要だと考えています。以前は目標枚数も設定していませんでした。今は細かく設定しており、日毎や時間毎に目標を立てています。また、当社は代理店制度を取り入れており、展示会も取り扱い店舗様のご協力の上で出展していますので、必ず成果を出す必要があります。展示会後のことを考えるとターゲットを明確にし、コンパニオンの方にもターゲットのみをブースへ誘導するようにお願いしています。

 

―私もコンパニオンの方に声を掛けて頂いたのですが、素晴らしいオペレーションでした。こちらは事前にお打ち合わせなどをされたのですか?

中島氏:いえ、当日の打ち合わせで確認はしていますが、事前に商品の勉強会や打ち合わせはしていません。しかし、何度も出展していますので、当社のブースで経験がある方を必ず1人はリーダーとして入れています。そしてリーダーにも役割を担ってもらっています。展示会期中は朝会、夕会を行っており、改善方法などの情報共有を行っています。

 

展示会期中のモチベーションコントロール

 

―コンパニオンだけではなく、社員の方も積極的に動かれていたように思います

中島氏:展示会では新卒から3年目までの社員が中心になって参加しています。皆展示会に出ることが本業ではないので、彼らがイベントに参加する意識を高めるために様々な工夫をしています。

 

―具体的にはどのようなことをされているのですか?

中島氏:どれだけ楽しくやれるかを考えて、必ず音楽をかけています。また、名刺大のヒアリングカードを作っているのですが、それに入力できた数やアポイントの数を競争させています。

※このヒアリングカードも今後の営業活動に必要な情報が盛り込まれた素晴らしいものでした

 

―確かにやらされているという感じではなく、楽しんでやられていたように感じました。他にも何か秘訣がありますか?

中島氏:当社は社員の育成に力を入れています。ある企業のメソッドを学び、等級制度を取り入れています。

人材の役割基準を明確にし、短期目標を立てています。各担当者に育成責任者を付けており、等級が上がるように指導させています。

 

―そのようなところが展示会での積極性に繋がっているのでしょうか?

中島氏:そうだと思います。

 

展示会後のフォローについて

 

―展示会後のフォローはどのようにされていますか?

中島氏:展示会後は加盟店様に獲得した名刺をエリアによって振り分けています。フォローのためにテレマーケティングについて外部の業者にお願いしているところがあるので、そちらと連携しながらアポイントを獲得しています。

 

―そこで先程のヒアリングカードが生きてくるのですね

中島氏:そうです。ヒアリングカードでは大きく分けて、

アポイントに繋がるかどうかと来場されたご担当者様の情報、企業の決算期や抱えている課題といった2つの情報を入れています。

アポイントに繋がりそうな場合も、「見積もり依頼」「雨漏り調査」「挨拶」などに分けています。

その中に「電話の許可」という項目も入れています。この項目を入れることで追客する代理店様が電話でフォローするモチベーションを上げております。

もしこの項目が無く、どのような状況かもわからない状況であれば、電話をしようとは気持ちにはなりづらいと考えました。
また、現場もアポイント数のポイントが加算されるので、モチベーションが上がると考えました。

 

―ここでもPDCAがしっかり回っているのですね

そうですね。今では展示会のやり方が固まってきています。

 

―今後の課題は何かありますか?

中島氏:展示会は売上に繋げる重要な位置付けであり、今後も回数を増やしていくことも考えています。

ノウハウが溜まってきており、成果も予想できるようになりました。

今後は主担当の私が現場にいなくても回るように仕組み化をしていきたいと考えています。そのためのツールの整備が課題になっています。

 

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

今回取材させて頂いた株式会社アステックペイントジャパン様は、ブースがそれ程大きくなくても、デザイン重視の木工ブースではなくても、集客のためのノベルティを配っていなくてもしっかり成果を出しています。

それにはターゲットの明確化、的確な目標設定、オペレーションの標準化、モチベーションコントロールなど、様々なことに考慮してPDCAを回し続けた結果だと思います。

 

 

ご協力頂きました株式会社アステックペイントジャパン様、お話頂いた中島様、ありがとうございました。

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