「キラリと光る!」展示ブースを探せ
Interop Tokyo-戦略的ブースオペレーション編
前回に引き続き、技術者の人材派遣サービスを行っている株式会社VSNの今村氏、八木橋氏にお話を伺います。
前回は事業戦略とそれがブースにどのように生かされていたのかをお聞きしました。
今回はブース内でのオペレーションについてお話をお聞きします。
―八木橋さんは2日目のMVPだったようですね。
八木橋氏:そのような称号は頂きました(笑)
今村氏:称賛ですね(笑)
―いいですね(笑)何か考えてブースへの呼び込みを行っていましたか?
八木橋氏:私は営業を担当しているのですが、もちろん当日は他の営業もいましたし、就業中のエンジニアもいました。その中の一人として、負けられないし、負ける気がしないと根拠のない自信を持ちながら(笑)、声をかけ続けました。
ただひたすら声をかけたところで足を止めてもらわないと意味がないないので、足を止めてもらうためにどうしたらいいかは事前に考えていました。
―以前にも展示会はやられていたことはあるのですか?
八木橋氏:展示会での営業経験はないのですが、前職では飛び込み営業もしていました。また、当社のことを知って欲しい!という強い気持ちがありました。
―そのような部下の方がいるといいですね
今村氏:そうですね!
八木橋氏:僕はVSNが大好きです!(笑)
―素晴らしいですね!それは感じます。
呼び込みは聞き手に「?」を作ること
―足を止めるのがポイントだと仰っていましたが、そのためにやられたことはありますか?
八木橋氏:まず、キャッチーな言葉を使い、「何の話?」と疑問を持ってもらう。聞いた方に一度「?」を作るとリアクションしてもらいやすいんですよね。
また、「よろしいですか?」と許可を取る言い方ではなく、こちらから伝えたいことをはっきり断言してしまった方が興味をひけると考えました。その中で対応を見ながら、随時、言葉を調整してやっていました。
―最もはまったのはどのようなフレーズでしたか?
八木橋氏:「コンサルティングができるエンジニアって興味がありますよね?」ですね。
―確か私も同じフレーズで呼び込み頂いたと思います。私が伺ったのは夕方だと思いますので、ある程度固まった時だったのですね。
八木橋氏:そうですね(笑)
―他に試したフレーズはありますか?
八木橋氏:どんどん楽しくなってきていたので(笑)、色々試しましたよ。
当社は今、鈴木ちなみさんがイメージキャラクターで、その宣伝動画を流していました。
その中で鈴木さんが言う「バリューチェーン・イノベーターなのです」というワードが面白くて、それを人が通りそうな時にやってみたら「何の話?」となってくれたので、説明ができました。最初はそんなことをしていました。
声をかけられないメンバーもいたので、そのメンバーと一緒に楽しみながらやって興味をもってもらって「こんな風にやるんだよ」という教育もしていました。
―呼び込みはテンション大事ですよね?
八木橋氏:テンション大事ですね。Interopは雰囲気が結構堅かったですよね?
―全体的にそんなイメージでしたね。
呼び込みは楽しんで行う
八木橋氏:呼び込みが得意な人は少ないだろうなと気づいて、楽しそうにしていたら足を止めてもらいやすいんじゃないか思いました。僕が人を呼び込んでいるのを見て、上司から「他の声を掛けられない子たちにもレクチャーして欲しい」と依頼があったほどです。ともに楽しめるメンバーが増えてからブースに呼び込める数も増えたと思います。
今村氏:彼が獲得した名刺の数はVSN全体でももっとも多かったと思います。私は会場には行けなかったのですが、終わった後に「八木橋すごかったんだよ」という評判をいたるところで耳にしました。
八木橋本人に聞いたら「えぇ、トップでしたけど」とすごいドヤ顔で自慢してきましたけど(笑)。
八木橋氏:なかなか言う事ないですからね(笑)
今村氏:確かにあまりそういうことを言うタイプではないんですよ。
八木橋氏:自分の好きな分野でのトップはやはり嬉しいですね。
今村氏:開催日それぞれに営業担当が分かれて参加したのですが、前日から「楽しみで仕方ない」と言っていたのは八木橋くらいですね。
―それはすごいですね
八木橋氏:1日目に参加したメンバーから「なかなか大変」と聞いたのですが、「いやそんなことはない、絶対楽しい」と反論していました。実際、ずっと楽しかったです。
今村氏:当社の中でも八木橋という人物がかなり有名になりましたね。
八木橋氏:はい、大分浸透しました(笑)
―ちなみに「この人止まりそうだな」という勘は働きますか?
八木橋氏:さすがに雰囲気ではわからないんですが、ブースの高い位置を見ているとわかったら、その人の目に入っていそうなワードを使って声をかけたりしました。
足を止めてもらってからノベルティ(エナジードリンク)も渡していたのですが、中身が何かわかっていないものだと受け取ってもらいづらいので、「エナジードリンク風ジュースです」と言って渡していました。「何それ?エナジードリンクじゃないの?」と興味をひくことができて、そのまま会話につなげることができましたね。
―説明から入るよりも一回足を止めるということと、疑問が出たことにより話を聞いてもらう態勢を作っているということですかね。
八木橋氏:そういうことです。
呼び込みに成功した後は別の部署のことも考えてヒアリング
―呼び止めてから最終的な目標はありましたか?
八木橋氏:名刺交換は最低限の目標にしていましたが、「どのようなお仕事をされていて、うちの会社が本当にお手伝いできそうか」は聞こうと思っていました。取引につながりそうな方であれば、今の状況や派遣人員の受け入れ人数、コンサルを入れているかという情報を聞いていました。その場で記入いただくアンケートは用意していなかったのですが、ヒアリングした内容は後々、名刺の裏に書きとめていました。
また、別の部署で使えそうな情報もヒアリングしていました。
―事業部が分かれていると別の事業部のことは詳しくなかったり、わかっていてもオペレーションの難しさで他の部署のターゲットになりうるお客様でもリリースしてしまうということはあり得ると思うのですが。
八木橋氏:部署間の連携は活発に行われていますし、今は全社的に若手営業担当が増えてきているので、「後輩のサポートを」という先輩としての想いもありました。ただ名刺をいただいて担当事業部に回すのではなく、後輩がその名刺を見たときに「このお客様が本当にターゲットになりうるのか」「どんなニーズがあるか」がわかるようなヒアリングを意識していました。
―素晴らしいですね
八木橋氏:本当ですね。自分で言って気付きましたが、いい人ですね(笑)
―社員の皆様に聞いて頂きたい内容ですね?
八木橋氏:本当に模範的な営業ですね(笑)
今回の取材を通し、八木橋氏独自のキャラクターによる成果もありましたが、会社としての戦略、組織づくり、展示ブースのコンセプト、当日のオペレーションが見事に一貫していたことがわかりました。
また、全社のことを考えてヒアリングするなど、ご本人は冗談交じりでしたが、「会社が大好きです」と仰るのも頷けます。
取材にご協力頂いた株式会社VSN様ありがとうございました。
ぜひ皆様も展示会出展の際のご参考になさって下さい。
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<バリューチェーン・イノベーターのサービス内容>
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