展示会に必要なテーマって何?

展示会に必要なテーマとは

展示会のテーマとは?

 

初めてある大手企業のご支援をした時のことです。

初回のミーティングでご担当者様からこのように質問されました。

 

「今回のテーマはどうしましょうか?」

 

質問を受けた時に私は、「テーマってなんだろう?」と疑問に思っていました。

先方から挙がってきた案は、「未来の○○」という標語のようなものでした。

 

大手企業のブースでは、このようなコピーがブースに並んでいたり、プレゼンのテーマになっていることを思い出しました。

大手企業や注目企業であればそれでも良いかもしれません。

どのようなテーマであれ、「あの企業であれば話を聞いてみたい」というニーズがあるからです。

 

しかし、ほとんどの企業であれば、伝わるテーマにはなっていません。

展示会のご担当者様は、来場者としても展示会に行かれた経験のある方が多いと思いますが、「これは何のブースだろう?」と思うことが多いのではないでしょうか?

 

今回の記事は以下のような方にお読み頂きたい内容です。

 

  • 自社のブースが何のブースかよくわからないものと感じる
  • ブース前を通る来場者の足が止まらない
  • 来場者から「何のブースですか?」と聞かれる

 

展示会のテーマを標語にならないように、伝わるようなブースにするためにはどうすれば良いかを考えていきます。

 

なぜ伝わりづらいキャッチコピーが生まれてしまうのか

 

展示会には様々な方が来場します。

自社製品の既存顧客、競合他社ユーザー、知識のある方、全く知識のない方、潜在的な課題がある層、競合他社・・・

このように様々な方が混在している展示会では、抽象的なキャッチコピーになりがちです。

 

以下に主な理由を挙げていきます。

 

  • 獲得名刺数を展示会のゴールにしている
  • ターゲットを定めていない
  • ターゲット来場者のニーズを掴めていない

 

獲得名刺数を展示会のゴールにしている

 

BtoCの展示会やブランディング目的であれば、この指標は適切と言えるでしょう。

しかし、BtoBの特に様々なテーマが集められて開催される展示会の場合、獲得名刺数を展示会のゴールにすることの弊害は、これまでにも記事でお伝えしています。

ご興味があれば以下の記事をご参照下さい。

BtoB展示会のリード獲得指標を何にすれば良いか~KPIを達成するための展示会戦略

このようなBtoBの総合展示会では、営業に繋がらないような方々も多く訪れます。

 

  • 御社の製品の顧客になり得ない来場者
  • 競合他社
  • 販売代理店(ここは展示会の目的が代理店発掘などであれば意味があります)
  • 営業目的の来場者

 

獲得名刺数を展示会のゴールやKPIに置いていれば、このような方々の名刺も価値を持ちます。

とにかく誰でも良いから展示会では沢山の名刺を取ろうとするわけです。

よってキャッチコピーも誰にでも関係ありそうな抽象的なものになりがちです。

 

1つ例を挙げておきます。

ある出展社は大手企業で沢山の展示会に出展しています。

どの展示会でも同じようなキャッチコピーや製品名をブースに入れています。

そして本当に沢山のリードを獲得しています。

 

大きなブースを構えるだけではなく、社員が呼び込みを積極的に行っており、ブース前に通る方全員と名刺交換しようという心意気も伝わってきます。

しかし、呼び込み方に驚愕しました。

 

「僕、この展示会で最多の名刺獲得を目指していまして」

 

同じ営業に関わる者として、このようなフレーズはわからなくはないです。

私も新入社員で飛び込み営業をしていた時には近いフレーズを使いました。

このようなフレーズは、リード数を獲得しようというオペレーションとしては、間違えているとは言い切れません。

 

しかし、来場者視点に立って考えて時、来場者はどのように感じるでしょうか?

展示会後の営業プロセスを考えた時にも非効率かもしれません。

 

ターゲットを定めていない

 

先述した通り、展示会では様々な方が来場します。

ターゲットであったとしても、顕在的な顧客層(製品をすぐに欲しい、他社ユーザーのリプレイス検討など)、潜在的な顧客層(課題を抱えているが、御社製品をその解決方法と認識していない)に分かれます。

その中でどの層に対しても通じるようなキャッチフレーズにしようとすると、抽象的なものになります。

 

ここでも1つ事例を挙げます。ある部品メーカーの出展社のお話です。

「うちの会社は特にターゲットを決めてないんですよ」

「購買部は納期の話にしかならないので、現場の方が良いですね」

このような汎用性の高い製品を出展する場合は、様々な来場者に対して通じるようなフレーズにしようという思考になりがちです。

 

結果、誰にも伝わらないようなキャッチコピーが出来上がります。

 

ターゲット来場者のニーズを掴めていない

 

ある特定のターゲットに絞り込んでいたとしても、ニーズを掴めていなければ刺さりづらいキャッチフレーズになります。

ターゲティングがしっかりできていれば良いのです。

 

しかし、今までの導入先の傾向を見て、従業員数や会社名で選んでいたり、特定の業種業態を狙うということだけ決めていて、ターゲットの課題やニーズを把握できていなければ、製品売りになったり、抽象的になります。

 

こんなことあるのかと思われるかもしれませんが、代理店施策をされているメーカーなどでは顧客ニーズを把握できていないところもあります。

また、今までは導入できていない層にアプローチする時もこのようなケースが発生します。

 

企業としては情報を持っていたとしても、顧客に普段接していない担当者が、営業部門などに協力を仰げない場合があります。

その場合にも同様に顧客ニーズ不在のキャッチコピーが出来上がります。

 

先に出た出展社とは別の部品メーカーでは、ある業界での認知度が高く、市場シェアも高い製品を出展していました。

出展展示会では新たなターゲット層に対してアプローチしたいという狙いがありました。

 

しかし、新たなアプローチ先のニーズが見えていませんでした。

結果、製品訴求のキャッチコピーが出来上がりました。

ターゲットを絞った方が良い理由については以下の記事をご参照下さい。

ターゲットを絞った方が良い理由

展示会のテーマを考える

 

この記事の冒頭で、展示会のテーマの話になった時に困惑したというお話をしました。

大手企業の思考は今ならよくわかります。

特にリーダー企業は、市場シェアを更に高めるとともに、市場規模を高めるという役割を担っています。

ターゲットを絞り込むのではなく、ターゲットを広げていくような施策が必要です。

 

そうすると、どこか固有のターゲットに刺さるようなものではなく、抽象的なテーマになりがちです。

 

  • AIが創る未来の形
  • ロボットが変える働き方
  • デジタルマーケティングの力

※適当に考えたのですが、同じテーマの出展社様があるかもしれません。ご了承下さい。

 

そしてこのようなテーマをキャッチコピーとして、そのままブースに記されているブースも見受けられます。

 

このようなキャッチコピーは、リーダー企業や注目企業であれば受け入れられると思います。

しかし、そうでなければあまり興味を持たれないかもしれません。

 

展示会のテーマと言ってしまうと、どうしても標語のようなイメージを持つかもしれません。

コンセプトと言い換えると良いと思います。

私たちは必ず「集客コンセプト」を作ります。

 

集客コンセプトとは

 

集客コンセプトとは、

 

  1. どのようなターゲットに対して訴求するのか
  2. 定めたターゲットが抱えている課題やニーズは何か
  3. どのような価値を提供するか

 

この3つを明らかにすることです。

 

どのようなターゲットに対して訴求するのか

 

1.キーマン分析

 

BtoBでは、ターゲティングにおいて、BtoCとは大きく異なるポイントがあります。

それは顧客の購買プロセスです。

 

BtoCであれば、個人が欲しいかどうか(もしくはその家族)で購入が決まります。

奥様が財布の紐を握っていたとしても、基本的にはプレイヤーは多くありません。

 

しかし、企業の場合は新しく製品を購入する場合、以下のようなプレイヤーが存在します。

 

  • 決裁者:製品の購入を決める最終決定者
  • インフルエンサー:決定権はないものの、製品購入に大きく影響を与える方
  • ユーザー:購入後に製品を使う方
  • 購買担当者:主に購買部門で、製品購入を担当。価格や納期の調整などを行う

これは複数の役割を持っている方もいます。

 

ユーザーかつ決裁者の方もいれば、購買担当者がインフルエンサーになることもあります。

 

2.顕在顧客と潜在顧客

 

顕在顧客は既に御社の出展製品について知識がある方です。

既存顧客や競合他社のユーザー、購入することを検討している方などが挙げられます。

顕在顧客は、製品訴求をしても興味を持ってくれると思います。

御社が業界上位シェア企業であれば、購入検討中の来場者は見に来てくれる可能性が高いでしょう。

その場合は、他社と何が違うのかという、差別化ポイントを明確にする必要があります。

 

しかし、余程活況の製品でない限り、顕在顧客だけでは多くのリードを獲得できません。

また、既存市場であれば何度も同じ展示会に出展しているのであれば、同じ担当者のリードを既に獲得している可能性も高いです。

そこで重要になるのが潜在顧客です。

 

潜在顧客は、御社製品のターゲットにはなるものの、製品を知らない、もしくはその製品が自社の課題を解決することに気付けていないようなターゲット層のことです。

もちろん課題を明確に持っている来場者もいれば、課題が漠然とした来場者もいます。

 

定めたターゲットが抱えている課題やニーズは何か

 

先程、BtoBにおける購買プロセスについて説明しました。

購買プロセスには様々なプレイヤーが参加します。

各プレイヤーは各々企業内でのミッションが異なります。

それにより課題やニーズも多様化します。

 

ここで各プレイヤーのニーズを考えてみましょう。

 

1.決裁者

 

例えば、決裁者が経営者の場合、以下のようなことに興味を持っています。

 

  • 全社の売上や利益のような目標数値の達成
  • 意思決定の精度を上げる
  • 会社の未来像を叶えること

 

また、決裁者が部門長であれば、以下のようなことに興味を持っています。

 

  • 部門のミッションを達成すること
  • 部門内の生産性の向上
  • 部門内の人材の有効活用

 

同じ決裁者であってもこのようにニーズは異なります。また、会社規模によっても、経営者のニーズは異なるでしょう。

資金が潤沢にある大手企業では、比較的時間軸を長くとることが出来ます。

逆に、小規模の企業であれば、直近の数字が緊急の課題と言えるでしょう。

決裁者が興味を持つのは、製品の詳細や機能よりも、製品が解決してくれることや製品を導入することにより与えてくれる価値です。

 

2.ユーザー(担当者)

 

社員は各々担当領域を持っており、個人的なミッションを抱えています。

ミッションを達成するために、様々な業務がありますが、業務ごとに課題を抱えています。

日々の業務の課題や楽にしてくれるような何かに興味を持っています。

そのため、業務をより楽にしてくれるような製品の機能に興味を持っています。

 

3.購買担当

 

購買担当者は、各ユーザーの要望を満たす製品の中で、できるだけ価格を下げたり、納期の融通を利かせてもらうことがミッションです。

そのため、製品の品質よりも値下げすることやいかに納期を早めることができるかに興味を持つ傾向にあります。

 

このように、各プレイヤーのニーズや課題は大きく異なります。

御社の製品は、どのプレイヤーの課題を解決するものでしょうか?

 

どのような価値を提供するか

 

ターゲティングとターゲットの課題が明確になったら、最後にどのような価値を提供できるのかを決めます。

これまでのところで、ターゲットの課題やニーズについて仮説を立てることができれば、それほど難しくありません。

例えば、経営層の場合は

 

  • 御社の広告費を削減します
  • 売上アップに貢献します
  • 意思決定の精度を上げ、情報収集に掛ける時間やストレスを減少させます

 

御社の製品を導入した時の価値を明確に示します。

更に導入事例の中でのEVIDENCEを示すことができれば更に説得力が増します。

 

例)〇%の売上アップに貢献

 

これで集客コンセプトは完成です。

 

先述した標語のような展示会のテーマと比べていかがでしょうか?

これであればブースで提供できる価値が明確になっていると思います。

 

ターゲティングと課題は順序が逆になっても構いません。

この製品はどのような課題を解決するような製品なのか?

そのような課題を抱えているのは誰なのか?

この順序で考えた方がアイデアが思いつくことも良くあります。

 

最初は大変かもしれませんが、そのうち慣れてきますのでぜひチャレンジしてください。

 

なぜキャッチコピーは必要なのか?

 

キャッチコピーはなぜ必要なのでしょうか?

多くの出展ブースでは、何かしらのコピーが存在します。

しかし、キャッチコピーと言えるようなものになっていないブースがほとんどです。

ここでは、なぜキャッチコピーが必要なのかを考えていきます。

 

来場者の足を止める

 

何度もお伝えしていますが、展示会には様々な方が来場します。

その来場目的は多岐に渡ります。

ほとんどの来場者は限られた時間の中で、できるだけ多くの情報を得たいと考えています。

 

来場者の平均滞在時間は4時間程度と言われています。

その中で、全てのブースを回ることは不可能です。

そのため、予め行きたいブースの目星を付けている来場者も多いです。

 

御社が目星の1つに入っていなければ、自然流入は難しくなります。

多くのブースで、午前中の集客に苦労するのはこのためです。

来場者の足も速く、呼び込みをしてもなかなか止まってくれません。

 

来場者が目的を果たしてからは、早足が少し緩みます。

そして、自分にとって有益な情報を得られるブースがないか考えながら見定めます。

このような状況の中で、何のブースかわからなければ素通りされてしまいます。

ここでキャッチコピーが必要になります。

 

ブースに来場者の注意を引くワードがあれば足が止まります。

この来場者の足を止めるという作業が重要です。

 

来場者の足を止めてから呼び込むのと、止める前に呼び込みを行うのは成果が変わります。

来場者が足を止めなければ、ブースを通り過ぎる時間は数秒です。

しかし、足が止まれば呼び込みに時間を掛けることができます。(歩くスピードを緩められるだけでも効果があります)

呼び込み方法については、下記の記事をご参照下さい

来場者の心理が分かれば、呼び込みは簡単!

自分事になってもらう

 

足を止めることにも関わりますが、このブースが自分に関係があると感じてもらうことが重要です。

 

まずは顕在顧客についてお話します。

顕在顧客は、既に御社の製品やサービスを知っていて、購入検討しているターゲティング層です。

まずは顕在顧客に訴求することが重要です。

 

顕在顧客の中には、御社のことを認知している方もいれば、認知していない方もいます。

後者の来場者にも気付いてもらえるようなキャッチコピーを考えていきます。

既に顕在化しているので、製品カテゴリーがあるだけでも気付いてもらえるかもしれません。

 

顕在顧客の中にも「今すぐ客」もいれば「そのうち客」もいます。

この2つはブース内で接客しなければ判別しづらいので、接客時に確認するようにしてください。

 

顕在顧客が多い活況なブースもあるかもしれませんが、ほとんどはそうではないと思います。

そこで潜在顧客へのアプローチが必要になります。

 

この層は自社(自分)の課題が御社の製品で解決できるとは知りません。

潜在顧客の中には、課題が明確な方もいれば漠然としている方もいます。

課題が明確であれば、そこに刺されば興味を持って頂けます。

 

課題が漠然としている方であっても、キャッチコピーを見た時にピンと来る方がいます。

もし仮説がはまらなかったとしても、思考力が高い来場者であれば、

「この課題には当てはまらないですが、こんなことってできますか?」

このような質問をもらえることがあります。

 

このような反応を貰えるのは、キャッチコピーが具体的だからです。

 

例えば、先程挙げたような「AIが創る未来の形」といった抽象的なコピーでは、来場者もピンと来ません。

具体的だからこそ、自社の業務や課題と紐づけて自分事になることができるのです。

 

私たちは、キャッチコピーに呼び込みを加えることで、より精度の高いリード獲得ができると考えています。

キャッチコピーに頼るだけの集客では、多くのターゲットにはアプローチできません。

ブース前を通る方が、必ずしもキャッチコピーを見るとは限らないからです。

 

また、足を止めた方がどのような来場目的を持っているかわかりません。

競合調査や営業目的の来場者かもしれません。

その方々に時間を掛けてしまうということは、ターゲットにアプローチする時間が限られてしまうからです。

 

これは少しイメージしづらいかもしれません。

ブースが常に空いていればこのような心配はいりません。

しかし、来場者が多い時間帯は説明員の稼働率が100%を超えることがあります。

要するにブースが来場者で溢れかえっており、説明員が対応しきれない状況です。

 

来場者の対応人数の上限は、説明員の数です。

ターゲット外の方に対応していると、ターゲットになる来場者を逃してしまうのです。

これでは本末転倒です。

 

理想はターゲット層でブースを一杯にすることです。

そのためには入口時点でのターゲットの絞り込みが必要になるのです。

 

このように、キャッチコピーと呼び込みを組み合わせることで、量・質ともに高めることが可能になるのです。

ターゲット来場者を呼び込む方法についての記事はこちら

展示会でターゲット来場者を呼び込む方法

 まとめ

今回は「展示会のテーマ」についてお話しました。

そして、キャッチコピーが標語にならず、ターゲット顧客に対して伝わるものにする方法を説明してきました。

 

最後になぜキャッチコピーがなぜ必要なのかについて説明してきました。

キャッチコピーの集客を効果的にキャッチコピーの作り方についてはこちらの資料をご参照下さい。

プロのスキルは必要ない!展示会キャッチコピーの作り方

キャッチコピーの重要性について少しでもご理解頂けたら幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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