BtoB展示会のリード獲得指標
BtoB展示会において、ほとんどの出展社様にとって展示会は獲得リード数がKGI(重要目標達成指数)になっています。リードとはマーケティング用語で見込み顧客のことです。展示会におけるリードとは名刺獲得のことです。
展示会の目的を「会社や出展製品の認知」としている場合、このKGIは妥当だと思います。
例えば業界でNO.1シェアの企業であり、製品導入する際には必ず声が候補に挙がるような強い企業は、市場を拡大することが至上命題になります。
それであれば今までターゲットと考えていなかった層に対してもアプローチするような展示会施策も検討すべきです。
しかし、製品の認知度がなく、本当に沢山の方に知って頂きたいと考えているのであれば、展示会の目的を変えることをお勧めします。
今回はBtoB展示会での効果的なリード獲得指標と、そのKPIを達成するための展示会戦略について考えてみたいと思います。
目次
BtoB展示会における効果的なリード獲得指標を考える
展示会の目的をお聞きすると、大抵の企業様はブランディングか新規リード獲得だと答えが返ってきます。
ブランディングの場合は、先に書いた通りかと思いますが、新規リード獲得の場合はいかがでしょうか?
イメージしやすくするために、BtoB展示会とBtoC展示会を比べて考えてみます。
BtoC展示会では、多くの場合展示会の来場者は自社の顧客のターゲットになりえます。そのため、ターゲットを絞り込み必要がありません。それぞれニーズが違っても、購入に至る可能性があります。
BtoB展示会では全ての方がターゲットになり得る製品はまずありません。
もちろんテーマによってかなり絞られた展示会では、ほとんどの方がターゲットになり得る可能性もあります。
しかし、ほとんどのBtoB展示会は、集客のためにいくつかのテーマの展示会を合わせるため、ターゲティングが必要になるのです。
製品を認知度が低いために製品認知をしてもらうにしても、ターゲット外であれば製品導入には至らないのです。
一部のターゲットが広い企業の場合は、「何も考えずにとにかく名刺を獲得する」という施策がはまる場合もあるかもしれません。
それにも関わらず、沢山の名刺を獲得することを展示会施策の軸に置いています。
なぜでしょうか?
展示会の成果指標についての記事はこちら
展示会でリード獲得数をKGIとする理由
名刺獲得することはさほど難しくありません。今は展示会の中でバーコードリーダーでも名刺情報を読み込めるので、ノベルティグッズを渡すことを引き換えに名刺情報を獲得しているのです。
展示会で沢山集客するアイデアについての記事はこちら
別の指標を考えてみましょう。
例えば私達が必ず追う指標に有効リード数(ターゲットリードとも呼ばれます)があります。有効リード数は売上に繋がる可能性のある来場者の名刺獲得数を図る指標です。売上に繋げる可能性があるリード獲得を目的にするので、上手くいけば効率的です。
しかし、この指標を使うにはいくつかの点で壁があります。
- 会社で求められている指標がリード獲得数
- 展示会の準備をするだけでも大変で、ターゲットを定義せずに準備を進めている
- ターゲットを共有していても有効リードを獲得するスキルやノウハウがない
会社で求められている指標がリード獲得数
上司の方がマーケティングに詳しくない場合、結果を求める際には1番わかりやすいリード獲得数になります。
現場で動く方や営業パーソンが「営業活動に活用できない名刺が沢山集まっても仕方ない」と言ったとしても、言い訳と捉えられてしまいます。
展示会の準備をするだけでも大変で、ターゲットを定義せずに準備を進めている
企業や役割にも寄りますが、営業パーソンは、日頃の営業では既存顧客に対しての活動が中心になる方が多いと思います。
その場合、既に製品のことをよくご存じの方が商談相手になりますので、製品の機能を説明するだけでも売れることも多いです。
会社の強みや製品の強みや価値はありつつも、普段はあまり意識していないことが多いのです。
しかし、新規ターゲットや特に新規市場に対しては、それだけでは契約に至らないことがほとんどです。
ターゲットや顧客が価値に感じて頂いていることは、営業パーソンそれぞれは暗黙知としては持っていても、なかなか共有されません(意識していない場合が多いため、実は言語化することも大変です)。
営業パーソンから情報を得られない場合、有効リードを定義できず、リード獲得数が展示会のKGIになります。
ターゲットを共有していても有効リードを獲得するスキルやノウハウがない
日頃よりターゲットを意識したマーケティング活動を行っているので、メインターゲットを獲得できるような展示会では、ターゲットの共有ができている企業も多く存在します。
その場合、有効リードを一つの展示会のKPIに置いている出展社様もいらっしゃいます。
しかし、あくまで情報としてこれぐらいの有効リードを獲得したいと考えてはいるものの、展示会の戦略的に有効リードの獲得を目指している出展社様は少ないように思います。
それは、有効リードを獲得するノウハウやスキルが備わっていないためです。
弊社が有効リードを獲得するためのお話をすると、ほとんどの方は「そんなことできるんですか?」と疑問を持たれます。
もちろん可能です。
ターゲット来場者を呼び込む方法についての記事はこちら
展示会におけるリード獲得と商談化率
展示会におけるリード獲得単価や商談化率は、業態や製品の特性によっても異なると思います。
今回はある出展社様を例にこの2つの指標と展示会のKGIについて考えていきたいと思います。
出展社様はもう何度も展示会に出展しており、ある程度展示会のノウハウも溜まっていました。メインとなる展示会では毎年2,000枚以上のリード獲得をしていました。
この2,000枚以上のリードに対し、競合や重複を除いた全てのリードに対してコール活動を行いました。
商談化率は約12%ということで、平均よりは少し高いと思われます。
しかし、もっと効率の良いやり方を求めて弊社で支援させて頂きました。
展示会のKGIを有効リード数とし、そのための展示会戦略を練り、準備をしていきました。
その結果、リード獲得数は約1000枚だったため、大幅にリード数は減少しました(これは想定の範囲内で顧客にも事前に伝えていました)。
しかし、商談化率は実に30%を超え、前回の商談数も大きく上回りました。
そして最終的な受注数も倍になりました。
もちろん得た成果に大変喜んでいただいたのですが、それ以外の点でも実はご評価を頂いたのです。
展示会後のフォローの効率化
それは展示会後のフォローにおける効率化です。リード獲得数が増えるともちろんフォローに掛ける人的コストが掛かり、時間も掛かります。
しかし、有効リードを獲得することで、フォローに掛けるコストも削減でき売上も倍になったことで費用対効果が著しく上がりました。
また、フォローをご担当された方からも、「今まで以上に商談に繋がるので、モチベーションを高く保つことができた」という声を頂きました。
フォローは大変です。特に営業部門にフォローを担当する場合、日々の営業活動を行いながら、展示会で獲得したリードへのフォローも行うことになります。
優先度が高い名刺から取り掛かり、なかなか商談に繋がらない場合はせっかく集めた名刺が使われないまま時が過ぎてしまうこともよくあります。
展示会のKGIやKPIをどの指標にするか
このような事例をお話すると、展示会のKGIをどこにするかというお話になります。もちろん測れるのであれば展示会で獲得したリードへの売上や費用対効果にするのが良いと思います。
しかし、展示会は、既に展示会前から獲得していたリードである場合、どこをリードの出発点として考えたらよいかわかりづらいという弱点があります。
また、製品購入までのリードタイムが掛かる場合、展示会後のどのタイミングまでを成果とするかが難しいポイントになります。
そこで私たちは前述した有効リード数をKGIに置くことを推奨しています。
売上や費用対効果、もしくは商談数などをKGI、有効リード数をKPIにしても良いと思います。
いずれにせよ必ず有効リード数は重要な指標として負うべきです。
なぜなら、展示会期中に追える指標は有効リード数までだからです。もちろん展示会期中も商談化できる案件もあると思いますし、弊社でも推進しています。
必ず展示会期中に追える指標を設けましょう。
まとめ
今回は展示会のリード獲得指標を何にすれば良いかについて書きました。
追う指標によって展示会の戦略は変わります。
リード獲得数であればとにかく数を増やすことが展示会施策の軸になりますし、有効リード獲得数にすれば、どのようにターゲットを絞って獲得していくかがポイントになります。
ぜひ参考にして頂けたらと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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