接客方法を変えるだけで展示会の成果は劇的に変わる
前回の第1弾は、名刺管理の方法について書きました。
名刺管理は展示会後のアクションを早くするために非常に重要です。
今はメール開封率が低下しているので、記憶があるうちにアクションを起こすことが大切という話をしました。
今回は第2弾として、「接客」について書きたいと思います。
「聞きたい客」が増えている今の状況では、営業の接客スタイルが重要になります。
展示会の接客スタイルを変えるといっても、営業をコントロールすることは難しいです。
しかし、マーケティング部門の方でもコントロールできることがあります。
コロナ禍で展示会を成果に繋げるためには、1人当たりの接客対応時間が重要になります。
展示会の接客スタイルを変える工夫を紹介いたします。
接客対応時間を意識していますか?
いきなりですが質問です。
1人当たりの接客対応時間を意識していますでしょうか?
展示会を成果に繋げるためには、1人当たりの接客時間を意識しなければいけません。
普段の営業と同じように、1人に1時間かけているとします。
すると、1日7人しか対応ができません。(8時間稼働で)
展示会で接客できる場所が5つの場合は、フルに稼働していても1日35人しか対応ができません。
※スタッフが常時5人いる場合。3人しかいない場合は21人となる。
展示会には、受注の可能性が高いAさん、単なる情報収集のBさん、競合調査をしているCさんなど色んな方がいます。
1日35人に対応して、すべてがAさんなら良いですが、35人のうち30人はBさん、Cさんならどうでしょうか。
本当はAさんが来ていたのに、接客場所がいっぱいで機会を逃しているかもしれません。
コロナ禍で「聞きたい客」が増えている中、1人当たりの接客時間は長くなりがちです。
1時間はかかっていないだろうと思うかもしれません。
でも実際に見ていると1時間かかっている可能性があるのです。
図にあるように接客時間は30分でも、アンケートを整理したり、待ち時間があったりで、結局1人当たりの接客時間が1時間になっている方がいます。
マーケティング部門がまずコントロールすべきは、この全体でかかっている時間を短縮することです。
では、どうすれば良いでしょうか?
工夫1:待ち時間を短くする
待ち時間が長いと、営業は展示会に飽きてきますし、疲れます。
弊社は、待ち時間を少なくする工夫として、呼び込みを使っています。
営業が呼び込みをしても良いのですが、呼び込みと接客はスキルが違うので、分業することをお勧めしています。
呼び込みの目的は、自社のサービスに関係のありそうな来場者をブースに誘引することです。
呼び込みが機能すれば、営業の待ち時間を減らすことができます。
また、競合調査や受注に関係のない情報収集客を見分けることもできます。
来場者を絞り込む呼び込みのやり方については下記記事を参考にしてください。
営業の待ち時間を少なくする方法として、セミナーを行うブースもあります。
セミナーを行う場合は、セミナー終了後の接客キャパシティを気をつける必要があります。
仮に100名セミナーに集まって、そのうち20名が興味を持ったとしても、接客する場所が5つだと15名は対応できずに終わります。
まずは、絶えず確度の高い来場者を営業にパスする状態を作りましょう。
これで、待ち時間を少なくすることができますし、さらに確度の高い来場者が多ければ営業のモチベーションも上がります。
工夫2:アンケートやヒアリング情報の整理時間を短くする
次に時間がかかっているのが、アンケートやヒアリング情報を整理する時間です。
特に、来場者から色々と話が聞けている場合は、その内容を記述するのに時間がかかります。
丁寧な営業は、聞いたことを忘れてはいけないと思い、メモをたくさん書いている場合があります。
※字が読みにくくて、後で入力するのがめちゃくちゃ大変だったりします
もちろん、ヒアリング情報を残すことは重要ですが、マーケティング部門からすると、インサイドセールスやメールマーケティングに使えていない情報も多いと思います。
そこで、重要になるのがスコアリングです。
情報をちゃんと残した方が良い来場者とそこまで必要ない来場者を分けて管理すれば、整理する時間は短縮できます。
では、どのように分ければ良いでしょうか?
1.営業が直接対応するか、マーケティング部門が対応するか
営業が直接対応する場合は、そこまで詳細に書かなくても覚えているはずです。
簡単なことですが、獲得した名刺情報を接客した営業が対応するのか、マーケティング部門が対応するのか、展示会前にルール化します。
営業が対応する場合は、後から見てわかるくらいのメモ書きで十分です。
マーケティング部門が対応する場合は、来場者独自のニーズ(課題感)と展示会後のアクションが分かっていれば十分です。
アンケートの項目やヒアリング情報を増やす前に、誰が対応するのかを明確にした方が、対応時間は短くてすみます。
2.展示会後アクションの必要性でスコアリングする
展示会後アクションはどのようなものがありますか?
- アポイント
- 無料デモ
- 資料送付
- 成功事例送付
- 工場見学/体験会
- セミナー参加
- メルマガ送付 etc
企業によって色々あると思います。
マーケティング部門が最も使いやすい情報は、この展示会後アクションに興味があるかどうかの情報です。
営業は来場者に合わせて、展示会後アクションをオファーすることをルール化します。
そして、その情報を名刺情報に紐づけます。
たくさん話をして、課題感も聞いて、めちゃくちゃ興味のありそうな来場者でも、オファーをするとそうでもないということは多いです。
営業「そこまで課題感があるということでしたら、次回御社に似たような企業の事例をお持ちしたいと思います。お時間いつが宜しいですか?」
来場者「今じゃなくても良いかな」
オファーをして興味がある来場者のヒアリング情報は、メモをする必要があります。
一方、そうでもない来場者であれば時間をかける必要はありません。
オファーに対する興味の有無でスコアリングすることも、時間短縮には効果的です。
アンケートやヒアリング情報を整理する時間の短縮方法を紹介致しました。
最後は、接客時間を短くする方法を紹介します。
工夫3:接客時間を長くしている原因は?
接客時間を長くしている原因は、色々あります。
- 営業の説明が長い
- 来場者の興味ポイントが分かっていないのでいくつも製品の紹介をしている
- 質問に対する答えが明確でなく、来場者の?マークが消えない
- 世間話に夢中になって、なかなか本題に入らない(既存客に多い)
上記であげたものは営業のスキルに関係するものです。
これ以外にも接客時間を長くしている原因があります。
- 質問好きで話が長い来場者
- 自分の自慢話がしたいだけの来場者
- 製品/サービスの詳細をこと細かに聞きたがる来場者
マーケティング部門はまず、このような来場者への対応方法を仕組化で短縮する必要があります。
1.質問好き/自慢話がしたい方への対応
このタイプの来場者は、受注確度を見極めることが重要です。
話が長い来場者は、受注確度が高い場合もあります。
しっかり話を聞いてくれる人を重要視する傾向もあるからです。
弊社が支援を通してアドバイスしているのは2点あります。
- 名刺交換のタイミングを早める
- ある程度話をしたらクロージングする
名刺にはたくさんの情報があります。
情報から、その方が決裁権がありそうか、会社規模感や予算感をつかむことができます。
名刺交換のタイミングは、話をする前が良いのですが、ほとんどの企業は最後にします。
弊社は呼び込みをするので、呼び込み→営業にパスする時に、営業が名刺交換をします。
営業は、名刺情報を見ながら「今日はどんな目的で来られたんですか?」と質問するところから接客を開始します。
名刺情報で決裁権がなさそうだったり、競合調査だと分かる場合は、長話に付き合わないようにします。
どうすれば、話を切れるのでしょうか?
ポイントはクロージングをすることです。
単なる情報収集の方はクロージングすると話を終わらせる傾向があります。
「今までのお話ですとこの辺りのサービスに興味を持って頂いてる感じですが、○○さんが導入を決定されているのですか?」
「○○さんが先陣をきって新しいサービスを導入された経験もあるのですか?」
「○○さんのイメージですといつくらいに導入したいですか?」
最初からクロージングを使うと確度が高い方にも悪い印象を与える可能性があります。
名刺情報を見て、興味度合いをヒアリングした後に、確度が低そうならクロージングを使うようにしてください。
話が長い人には効果的です。
2.製品/サービスの説明がどうしても長くなる場合
業界によっては、製品/サービスの説明がどうしても長くなる場合があります。
その場合は、展示会用にパンフレットを作成して、詳細はすべてここに書いてあります方式を用います。
特に、新人が勉強目的で参加しているような展示会は、営業は毎回同じことを説明する必要があります。
「御社の特徴は何ですか?」
「今注目されている技術は何ですか?」
営業も毎回同じことを話すのは疲れますし、できればもっと確度の高い来場者に対応したいはずです。
展示会用のパンフレットは、接客時間の短縮という目的で作成すると効果的です。
まとめ
今回は、コロナ禍で展示会を成果に繋げる方法【接客編】を紹介しました。
ポイントは、1人当たりの接客対応時間を短くすることでした。
接客対応時間を3つの領域に分けて解説しました。
- 待ち時間
- アンケートやヒアリング情報を整理する時間
- 接客時間
弊社が目安にしている1人当たりの対応時間は15分です。
1時間に4名の方と接客することを目標にしております。
課題を持った「聞きたい客」が増えているいまだからこそ、接客対応時間を短縮する仕組みを考えてみてはどうでしょうか?
みなさまの展示会運用に少しでも役立てば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました!