展示会の説明員は重要!
GAPと言えば1990年代後半から一気に成長したブランドです。
その快進撃を支えたのがミッキー・ドレクスラー。
そのドレクスラーがアップルの店舗開発に関与していたことを知っているでしょうか?
正直私は知りませんでした(笑)
今話題の本「GAFA」を読んで知りました。
この本はGoogle、Apple、Facebook、Amazonについて書いてある本で、今の世界のビジネスの流れと未来を感じれる良書でした。
因みに私はビジネスモデルが好きなので、4企業の中ではAmazonが好きです。
その中で、Appleの強みの解釈が大変面白いと感じました。
そして、この考え方は展示会と共通点があります!
Appleの2017年度の利益額は5.12兆円。
世界No1の利益額(2位のJ.P. Morgan Chaseの約2倍)の秘密は何なのでしょうか?
GAPの快進撃
GAPは1997年から2005年の間、収益を65億ドル→160億ドルに急増させています。
当時の他社は、最高のテレビCMを制作することに力を入れていました。
その時ドレクスラーは最高の店舗を建てて、最高のブランド体験に力を入れました。
GAPの成功から学べることは、ブランド構築の現場が、電波から現実の世界に移行したということです。
当時のGAPのライバルはリーバイス。
リーバイスはテレビCMに力を入れていました。
同時期(1997年→2005年)の収益は、69億ドル→41億ドル。
約10年で約4倍の差をつけられたことになります。
ブランドの構築は、「テレビCMによるブランディング×最高の現場体験」によって、何倍もの効果がでることを歴史が証明しています。
そして、Appleが世界No1の利益をあげる会社になったのも同じ手法が使われているからです。
Appleの利益の源泉
「GAFA」ではAppleの利益の源泉を、ラグジュアリーブランドとして定義しています。
当時のコンピューター業界は、「安く、品質が良いもの」を作るのが成功の法則でした。
デルが大成功したのもこのルールがあったからです。
因みに日本の企業は品質(機能性)を追っかけています。
ジョブズは、「安く、品質が良いもの」を作るというルール上で戦おうとは全く考えていませんでした。
コンピューターをLouis Vuittonのように誰もが憧れるようなものにできないだろうか?と考えていたと本では分析しています。
この成功のルール上で考えると、iPod→iPhone→iPad→Applewatchと製品展開が進んでいったことも理解できます。
Appleはスマホメーカーでは唯一ラグジュアリーブランドとしての地位を確立しています。
もっと簡単に言うと、iPhoneを持っていると「モテる」と思わせているということです(笑)
この地位を確立するために、Appleも店舗に、そして最高のブランド体験に力を入れます。
ドレクスラーを起用して、GAPのノウハウを注入したのです。
Appleも「テレビCMによるブランディング×最高の現場体験」という成功ノウハウを利用しているのです。
展示会の意味を考える
ここからは、世界の成功モデルから学べることを考えてみたいと思います。
企業が利益を出すということは、他社との差別化要素があるということです。
しかし、機能的な差別化要素はどんどんなくなっているのが現実です。
いわゆる「コモディティ化」が進む中で、企業は売上を上げることはもちろん利益を出すことに苦しんでいます。
他社との違いが無ければ、値段が叩かれてしまいます。
今後AIの活用が進めば、今よりももっと顕著に買い手は強くなっていきます。
そんな中でも、Appleは世界最高の利益を上げ続けています。
そのポイントは「ブランディング×最高の現場体験」です。
何故企業が展示会に出展するのか?
目的は2つあります。
- 認知度向上、PR
- 売上、利益向上
2つの目的を達成するためには、「ブランディング×最高の現場体験」の法則を利用する必要があります。
ここで、本来の展示会出展の意味を考えてみたいと思います。
展示会に出展している企業を見ていると3段階に分かれると弊社は考えています。
第1段階 認知度向上
この段階の企業は、展示会の目的を名刺集めと考えています。
ブースのデザインはなんとなく企業のイメージあったものを選んで綺麗に見せていますが、その意図はあまり明確でない場合が多いです。
コンパニオンを活用してバーコードで名刺情報を獲得するなども、この段階の企業によくあります。
第2段階 ブランディング
第1段階との違いは、顧客に対するポジショニングがはっきりしているかどうかです。
もっと簡単に言えば、他社との違いを明確にして表現するという意図があるかどうかです。
第2段階に進んでいる企業は、顧客ペルソナがはっきりとしたブースコンセプトがあります。
どんな顧客にブースに立ち寄って貰いたいのか、明確な意図がキャッチコピーなどで表現されいる場合が多いです。
このような企業は、単なる名刺獲得数よりも、より有効な名刺獲得数が目標数値として設定されている場合が多いです。
第3段階 ブランディング×顧客体験
第2段階まではマーケティング部門が考えてできることですが、第3段階まで到達するには「現場力」が必要となってきます。
展示会における顧客体験というと、「デモ体験」を想像する方が多いかもしれません。
デモ体験はどちらかと言うとブランディングに近い感覚です。
GAPの事例からも学べることですが、最高の現場体験とは、「接客力」です。
BtoBビジネスであれば、「営業力」です。
簡単に言えば、この人から買いたいと顧客に思わせることができるかどうか。
この視点が必要になります。
※営業ではこれを顧客を握ると表現します
第3段階の企業は、展示ブース内での現場のオペレーションや、価値訴求を意識してブースの設計をしています。
現場に立つ営業マンのモチベーションやスキルが展示会の効果に大きな影響を及ぼすことを理解しています。
有効名刺の獲得数はもちろんのこと、現場でアポイントを取得したり、展示会後のアクションをなるべく早く行い受注につなげる意識が高いことも、第3段階の特徴です。
まとめ
本日は、GAPやAppleから学ぶ展示会の意味を考えてみました。
自分の会社が展示会の意味をどう捉えているのか?
これは非常に大切な問題です。
皆さまの中には、
自分は第3段階まで考えたいけど、上司は名刺の獲得数にしか興味が無い・・・
などの悩みを持っている方も多いかもしれません。
今回の話が、展示会運営を変えるきっかけになると嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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