バーチャル(オンライン)展示会のメリット/デメリットを考える

バーチャル展示会

バーチャル(オンライン)展示会ってどうなの?

 

【バーチャル展示会の定義】

 

バーチャル展示会は2通りの意味合いで使われています。

 

  1. ビックサイトで行われるような展示会をオンラインで行う
  2. 企業が自社サイトでバーチャル展示会というコンテンツを作成する

 

今回は➀の定義で書きます。

 

コロナの影響で、展示会の中止が相次いでいます。

オフライン施策の展示会を、オンラインで開催できないのか?という話を良く聞くようになりました。

「バーチャル展示会」というキーワードの検索数も、ここ数か月で急上昇しています。

 

このまま影響が続くと、展示会の主催者がバーチャル展示会の開催を行う可能性はあります。

一部の企業では、数社集まってバーチャル展示会を開催する動きも見せております。

また実際にオンライン特化型の展示会も開催される動きがあります。

 

マーケティング部門は、今後バーチャル展示会の可能性を模索することが増えてくると思います。

考察の一助となるように、メリット/デメリットをまとめます。

 

この記事を書いて4か月が経過し、バーチャル展示会の具体的な課題感が分かってきました。

2020年8月のバーチャル(オンライン)展示会のメリット/デメリットを考えるはこちらを参照ください!

【2020年8月】バーチャル(オンライン)展示会のメリット/デメリットを再考する

 

バーチャル展示会でできること

 

バーチャル展示会はITmediaが2009年から行っています。

直近で行われたITmedia Virtual EXPO 2020 春を参考にして、バーチャル展示会でできることを紹介します。

 

大きく分けると2つのカテゴリーに分かれます。

 

  1. 基調講演
  2. 出展ブース

 

バーチャル展示会の基調講演

 

バーチャル展示会を開催する時に、集客数が少なければ出展社のメリットはありません。

そこで、主催者は必ず基調講演を企画します。

著名人や有名企業の基調講演をフックに、来場者(視聴者)の集客をします。

 

視聴者は、WEBで個人情報を入力すると、基調講演を聞くことができます。

特別感を演出するために、LIVE配信で講演を行うこともできます。

また、バーチャル展示会の期間中は、コンテンツを見放題にすれば、視聴者は時間や場所を気にせず講演を聞くことができます。

 

出展ブース

 

バーチャル展示会も、リアル展示会と同じようにブースを展示することができます。

展示ゾーンでは以下のことができます。

 

  • 展示サービスの資料/動画の閲覧
  • 企業情報の閲覧
  • WEB接客やチャットボットを活用したお問い合わせ対応
  • アンケートの実施/ノベルティの配布

 

リアル展示会でやっていたことは、対面の接客以外は殆どできます。

 

今はテクノロジーが進化しているので、リアル展示会と変わらないことがバーチャル展示会でもできます。

そんなバーチャル展示会のメリットを考えてみます。

 

バーチャル展示会のメリット

 

バーチャル展示会の最大のメリットは、来場者の情報が全て取れることです。

基調講演を聞いた人であれば、誰が、何分、何回見ているのかが把握できます。

また展示ブースに来た人であればもっとたくさんの情報が取れます。

 

  • 閲覧したページ
  • 動画の視聴回数
  • アンケートをクリックしたけど答えてくれなかった割合etc

 

WEBマーケティングに詳しい人であれば、色んな情報が取り込めるイメージができると思います。

この様々な情報を基に、今後のセールス活動の質が向上することは間違いありません。

 

今までのリアル展示会では、名刺情報(会社名、部署名、役職名など)だけを集めていることも多いです。

バーチャル展示会であれば、基調講演や展示ブースに来た人の行動が全て把握できます。

 

そういう意味では、リアルタイムの情報が取れることもメリットです。

例えば、展示ブースに来場し、サービスの価格表をダウンロードした時に、WEB接客に誘導することも可能です。

来場者のニーズが顕在化している時に営業をすることができます。

 

他にもバーチャル展示会のメリットを取り上げます。

 

ブース費用がいらない

 

バーチャル展示会は、主催者が場所を借りる費用がいりません。

出展社にとっても、ブース費用いりません。

出展費用はリアル展示会に比べて低く抑えることができます。

 

どの位の費用感かというと、ITmediaのバーチャル展示会のゴールドパートナーで150万円くらいです。

ゴールドパートナーは、基調講演とブースがセットになっているプランです。

従来の展示会に出展されている方であれば、かなり安く感じると思います。

 

場所に関係なく参加できる

 

バーチャル展示会の場合、場所はどこからでも参加可能です。

来場者はもちろんのこと、出展社も場所に関係なく参加できます。

 

来場者は利便性が上がるので、アクセスしやすくなります。

出展社は、場所に関係なく出展できるので、移動費、交通費といった費用がいりません。

また、地方の顧客にも今まで以上にリーチしやすくなります。

 

時間に関係なく参加できる

 

もう1点、時間に関係なく参加できるのも良いとされています。

来場者の視点で考えると、確かに自分が見たい時間に見れることは良いかもしれません。

しかし、私は時間に関しては、自由度がない方が良いと考えています。

この点に関しては、次のデメリットでも触れていきたいと思います。

 

バーチャル展示会のメリットをまとめます。

 

  • 来場者の情報が取れるのでセールス活動に活かせる
  • リアル展示会に比べて費用が安い
  • 場所が関係なくなるので、利便性、コスト面の効果がある

 

良いことが多そうなバーチャル展示会ですが、皆さまも感じている通りデメリットもあります。

次は、デメリットを考えてみます。

 

バーチャル展示会のデメリット

 

バーチャル展示会は、展示会という名前はついていますが、やっていることはWEBメディアとそこまで変わりません。

WEBメディアでも、資料のダウンロードや、セミナーの発信を今でもやっています。

 

WEBメディアがあるのに、リアル展示会に出展しているのは理由があります。

それは、WEBメディアは基本待ち(PULL)型の施策だからです。

知名度が高い企業であれば、待ち型でも成果が出せるかもしれません。

逆に、知名度が低いと、PULL型では成果を上げるのが難しいです。

 

リアル展示会のメリットは、PUSH型の施策ができることです。

呼び込みによる声掛けやミニプレゼンなど、目の前を通る人に対して、アプローチをかけることができます。

ブースの目の前を人が通りさえすれば、機会は平等に与えられます。

 

待ち型のスタイルが、バーチャル展示会のデメリットです。

強者が勝ちやすく、弱者は埋もれやすいという欠点があります。

対面による差別化ができないということが問題の本質です。

 

もう2点バーチャル展示会にはデメリットがあります。

 

出展企業が増えにくい

 

バーチャル展示会のもう1つの欠点は、出展企業が増えにくいということです。

上記でも書いたように、基本は強者が勝ちやすいのがバーチャル展示会です。

弱者は仮に出展をしたとしても、成果が出ないのであれば意味がないと感じます。

 

出展企業が強者ばかりのメディアは、情報の多様性/新規性というリアル展示会の面白さに勝てません。

おそらくある程度の所で、来場者が増えなくなります。(来場者が飽きてしまう)

 

特別感が薄い

 

最後に、リアル展示会との違いとして特別感があります。

リアル展示会は、出展者が多く何かに出会えるのではないかという期待感があります。

さらに、時間、場所に制限があることも希少性を高めています。

そこに行かないと出会えないものに期待をして足を運んでいるのです。

 

この期待感がバーチャル展示会には薄いです。

メリットであげた時間に関して、自由度がない方が良いと考えているのは、これが理由です。

特別感がなければ、結局WEBメディアやHPと何が違うの?という話になるからです。

 

以上がバーチャル展示会のデメリットになります。

バーチャル展示会のメリット/デメリットを表にします。

 

メリット デメリット
1.来場者の情報が取れる 1.基本PULL型で強者が勝ちやすい
2.費用が安い 2.出展規模が大きくならない
3.場所を選ばない 3.特別感が薄い

 

メリットだけ見ると、弱者にチャンスがありそうな感じがします。

その弱者が勝ちにくいのが、バーチャル展示会の最大のデメリットです。

 

このままだとバーチャル展示会ってあまり盛り上がらないのでは?と思います。

最後に、バーチャル展示会の未来像について考えてみたいと思います。

 

バーチャル展示会に未来はあるのか?

 

今回のコロナの影響で、WEBセミナーは確実に増えました。

今までWEBセミナーに関心がなかった人も、参加するようになっています。

 

今、バーチャル展示会を行えば、確実に集客数は増えます。(話題性がある)

この外部環境の変化はとても大きなことです。

そして、テクノロジーが進化していることも見逃せません。

 

バーチャル展示会の未来の鍵を握っているのは、インタラクティブ(双方向)接客ツールだと考えています。

簡単に言えば、弱者でもリアル展示会と同じように勝てるチャンスがあれば、バーチャル展示会は盛り上がります。

 

リアル展示会とバーチャル展示会の大きな違いは、PUSH型の施策ができるかどうかです。

チャットボットなどのツールを上手く活用すれば、かなり対面接客に近いことはできるようになります。

 

また、特別感を出すための工夫も必ず必要になります。

対面ができない分、出展企業が工夫を凝らして、より価値の高い情報発信を行えれば、来場者の満足度は上がります。

 

「PUSH型の接客ツール」×「質の高いコンテンツ」が今後のバーチャル展示会の未来に必要な要素だと推測致します。

 

まとめ

 

今回は、バーチャル展示会について書きました。

最後に私見を述べさせて下さい。

 

私は、バーチャル展示会が盛り上がることはとても良いことだと考えています。

今の展示会市場が伸び悩んでいるのは、レガシーなスタイルのまま何も変わっていないことです。

 

バーチャル展示会が盛り上がることで、展示会に必ずデータ分析の波がきます。

そうすれば、WEBマーケティングと同じように、より科学的に展示会を評価することが可能になります。

 

科学的に評価するようになれば、自然と企業は出展目的を考えるようになります。

出展目的がはっきりすれば、それぞれの企業が何となく出展するという感じはなくなります。

結果、来場者に与える価値は向上し、質の高い来場者が集まれば、出展社も成果が出しやすくなります。

 

今の状況をプラスにするためにも、バーチャル展示会は期待大です!

今後も情報をキャッチアップしていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

数社で集まってオンライン展示会を行う動きが加速しています。

そちらの記事に興味がある方はこちらを参考にして下さい。

 

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