展示会で集めた名刺でプライベートセミナーに人が集まるのか?

展示会とプライベートショー

ビックサイト問題でプライベートショーが増える?

 

オリンピックの関係でビックサイトの利用が本格的に使えなくなる中、各企業マーケティング予算の振分けを考えている話を良く聞くようになりました。「そもそも展示会は意味があるのか?」という本質的な問いをする良い機会なのだと私は思っています。そんな中で最近話を良く聞くのが、プライベート展示会やプライベートショーはどうなのか?という話です。

 

  • 展示会に使う予算をそのままプライベートショーに使った方が成果に繋がるのでは?
  • 展示会で集めた名刺情報がたくさんあるからそれを有効利用してみたい
  • プライベートセミナーの方が話をじっくり聞いてくれるから良いのでは?

 

今回は展示会とプライベートショーの集客に関する役割を考えてみたいと思います。さらに、展示会で集めたリードが本当にプライベートセミナーに役に立つのか?ということを検証いたします。

 

展示会×プライベートセミナー効果的なやり方とは?

 

集客

 

展示会とプライベートショーを比較した場合にまず違うのが集客。展示会は主催者が集客を代行してくれています。もちろんブース内に集客することは各企業の努力なのですが、全体としての集客は気にする必要がありません。

 

対して、プライベートセミナーは自社で集客をしないといけません。ゲストを招いて基調講演を行ったり、社長が参加するプライベートショーではとにかく集客がマーケティング担当者を不安にさせます。

 

基本的な考え方としては、

新規顧客の獲得=展示会が向いている

既存顧客深耕=プライベートショーが向いている

と考えるのが自然です。

 

ここで注意点が1点。展示会で集めたリードを基にプライベートショーの集客を行うという考え方についてです。端的に言うと、展示会でのリードの集め方と、展示会後のナーチャリング施策(メルマガやセミナー)によって効果が変わります。

どういうことか説明致します。

 

 

まず、展示会でのリードの収集方法です。例えば、ノベルティをフックにコンパニオンがバーコードリーダーでリード情報を収集している場合。この場合は、数多くのリード情報を獲得できるのが最大のメリットです。多いブースだと3000枚~10000枚のリード情報を集めています。さてこのリードの中で実際にプライベートショーの集客に関係ある方がどの位いるのか?について考えてみます。

 

BtoB系の展示会は、製品/サービスや展示会の種類によってターゲット来場者の数が違います。仮に人事/総務系が集まる展示会を例にして考えてみます。出退勤管理のソリューションを展開するA社。労働基準法の改正により残業代を減らさないといけない企業や、働き方改革に本気で取り組んでいる企業が増えているので、市場に追い風が吹いています。展示会では、とにかく多くの名刺情報を取ることを目的にしました。東京で行われた人事・総務・経理weekという展示会で、5000枚の名刺を獲得しました。

 

ある日、経営層からたくさんの名刺情報を獲得した訳だし、それを基にプライベートセミナーをしてみようという声が挙がりました。今あるリードが2回の展示会で10000枚はあるから300名位(3%)の集客はできそうと担当者は思いました。そして、プライベートセミナーの企画をして、一斉メールでセミナー誘引のメルマガを配信した所、参加意思を示してくれたのは全体の0.5%の50名でした。

 

このようなパターンの場合何が良くなかったのでしょうか?集めたリード情報を整理すると、勤怠管理に関係のある総務/システム担当者は全体の20%でした。その他は、採用や経理など別のタスクを持っている方が多かったです。さらに、勤怠管理システムの決済に関係のある人はそのうちの20%しかいませんでした。計算すると、関係のある担当者が2000枚、決済者は400枚ということでした。

 

関係のある担当者が2000枚あれば、もっと集客できそうです。しかし、これにメルマガの開封率を掛け合わせる必要があります。開封率は高くても25%です。そのうちセミナーに参加する方の割合を10%で計算すると、50名の参加意思(CTA)となります。もっと重要なのは、そのうち決裁者はどの位いるのか?という視点です。単純に考えても10名(20%で計算)ということになります。

 

300名規模のプライベートセミナーを行うとすると、場所代だけでも150万円位になります。当日のスタッフや音響、展示スペースなども用意すると、300万~500万円のお金がかかります。さらに、展示会で10000枚の情報を収集するために、1000万~1500万のお金をかけている訳です。おそらく300名の集客を媒体を使ってやるなど考えれば、結果かなりのお金をかけることになってしまいます。

 

プライベートセミナーを見越した正しい集客方法とは?

 

プライベートセミナーでの集客を目的として、展示会でリード収集を行うとすれば、まずは「誰でも情報を収集する」というやり方はやめた方が良いと考えます。展示会の目的を名刺獲得数で評価している場合は、このパターンになっていることが多いです。正しいやり方にはSTEPがあります。

 

STEP1:自社のサービスに関係のある人の情報を集める

STEP2:自社のサービスに関係のある人を呼び込み、ブース内で他社との違いを伝える

STEP3:それぞれの方の課題点をヒアリングし、アポイント又は情報提供を行う

 

まずはSTEP1です。例だと2回の展示会で10000枚の名刺を収集しています。かかった費用が1000万円だとすると、1枚1000円で収集できていることになります。非常に優秀に見えますが、これをサービスに関係のある方に直すと、2000枚なので1枚獲得単価は5000円になります。もし仮に目標設定を名刺獲得1回の展示会で5000枚ではなく、関係のある方2000枚にしていたら、合計は4000枚(60%減)ですが、1枚単価は2500円になります。単純計算でも100名の集客は可能になります。

 

次は、STEP2です。STEP2では、関係ある方をブース内に引き込み、他社との違いなどをきちんとプレゼンしているパターンです。この場合は、開封率や参加率が上がります。仮に開封率、参加率(CTA)が2倍になったとすると、4000枚×50%(開封率)×20%(参加率)=400名となります。このやり方をするだけで8倍になります。しかし、このやり方はデメリットがあります。それは、1回の展示会で2000人に対応することが難しいということです。これは中にいる説明員のスキルや人数、1人当たりの対応時間によって変化します。2000人に対応しようと思えば、単純計算ですがブース内に25名は説明員がいないと無理です。(1人説明時間15分で計算)現実的には、1回の展示会で説明できる限度を1000名と設定し、それに見合ったお金のかけ方を選択する方が現実的です。しかし、1000名しか集められないとしても、200名の集客は可能です。

 

最後にSTEP3です。セールスの観点で言うと、お客様の課題点をヒアリングできれば、解決策を提示することができます。プライベートセミナーに呼ばなくてもアポイントを獲得できる訳です。そう考えると、STEP3まで意識をして展示会を運営していれば、プライベートセミナーの必要性はなくなります。プライベートセミナーは結構お金がかかります。準備も大変ですし、何より1日で集客をするということが難しいです。その費用をコンテンツマーケティングなどのWEB系や体験セミナー/コミュニティマーケティングなどのプチイベントに使った方が効果が高くなります。

 

まとめ

 

今回は展示会で集めたリードがプライベートセミナーの集客に繋がるのか?という観点でコラムを書きました。オリンピックの問題もある中で、プライベートセミナーに費用を投下しようと考える企業も増えると思います。マーケティングの全体施策を最適化する上で、この記事が役に立つと幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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