EventHubが考えるオンラインイベントの未来とは

EventHubサービス画面

今後のオンラインイベントはどうなる?

 

2020年はオンラインイベントが急増した年でした。

当初はリアルイベントの代替として開催されていたオンラインイベントの可能性について、2021年6月現在、皆さまはどう感じているでしょうか?

 

来場者の視点で考えると、好きな時に好きな場所からアクセスでき利便性の良さを感じている方が多いでしょう。

リアルのイベントとは異なり、全セッションを集中して聞く必要は無く、「ながら視聴」や「アーカイブ」でも楽しむことができます。

経験上、来場者アンケートの満足度も高いことが多く、オンラインイベントは少しずつイベント参加者の方々の間に浸透していると感じられます。

 

一方、リアル展示会と同様の価値を求めて出展した企業からは、まだ課題を感じるという声も上がっています。

 

「ウェビナーに人が集まっても出展ブースには人が来ない」

「集まるリードの目的は情報収集であることが多く、リードの質が高くない」

 

こういった課題からも、日本のオンラインイベント・オンライン展示会は、まだまだ価値が再確認・再定義されていくフェーズだと考えます。

 

今回は、株式会社EventHubの山本様に、オンラインイベントの課題に対する解決のヒントや、オンラインイベントの未来についてお聞きしました。

以下のような方に是非読んで頂きたい内容となっております。

 

  • オンラインイベントに課題を感じている方
  • オンラインイベントの未来について気になっている方
  • オンラインイベントの主催社/出展社
  • これから主催、出展を検討されている方

 

この後のプロフィールを見ると、皆さま「優秀そうな人だな」と感じると思います。

私もそう思ってインタビューをしました(笑)

インタビューを通じ、クレバーなのはもちろんですが、凄く想いに溢れた方だと感じました。

その辺りの雰囲気も伝われば嬉しいです!

 

取材にご協力頂いたEventHub山本様のご紹介

 

EventHub

 

株式会社EventHub

代表取締役 山本 理恵 様

1988年英国生まれ。ブラウン大学経済学部・国際関係学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー サンフランシスコ支社入社。在籍中に認定特定非営利活動法人Teach For Japanへ出向。2016年に株式会社EventHubを設立し、イベントプラットフォーム「EventHub」を提供。オンライン開催や、ハイブリッド開催等、イベントの新たな可能性を切り拓いている。

 

EventHubが感じたオンラインイベントの1年間

 

コロナになり1年ぐらい経ちますが、オンラインイベントにどのような変化があったと考えていらっしゃいますか?

 

2020年は、簡潔に言うと市場にとって「オンラインに対応することで精一杯な1年」だったと思います。我々にお問い合わせ頂いたお客様の99%がオンラインイベント開催が初めての方々でした。2020年の序盤はコロナの影響がどれだけ長引くかが未知数で、日本国内では特に「コロナの影響は一時的」という風潮が強かったように思います。「とりあえず今はオンラインでやるけどすぐにリアル開催に戻る」と考えている方も多かったのではないでしょうか。

 

確かにこれ程長引くと考えている方は多くなかったと思います

 

そうですね。2021年になり、コロナの影響が出てから1年以上経ちました。オンラインイベントの参加にも多くの人が慣れてきていますし、ポストコロナで完全にコロナ前に戻るわけではないことも皆さん理解されています。2021年もオンラインイベントを取り巻く環境は変化をしていると日々感じています。

その中でもイベント主催側が「オンラインイベントをまずは無事に開催する」という開催ありきの思考から、「オンラインイベントを通じて成果や結果を出す」という結果にフォーカスした考えへの変化を直近顕著に感じます。イベント参加者のリテラシーや期待度も上がってきており、「イベントの体験の質を高める」ことを目的にした本質的な議論に比重が移ってきていると考えています。

 

2020年でオンラインイベントに慣れてきて、成果の方に目が向けられているということですね。その他にはどのような変化を感じられていますか?

 

開催規模の変化にも注目しています。リアルのイベント開催では、当然ですが会場を押さえなければいけません。大規模な展示会やカンファレンスをリアル開催するとなると、相当な会場費用とオペレーション能力が必要になります。そのため、大規模なイベント開催は資金や運営力のある特定の企業に限られていました。

オンラインでのイベント開催では、リアルの会場は不要で、キャパシティにも制限がありません。集客力やコンテンツ力があれば、スタートアップ企業でも大規模イベントの開催が可能になりました。こうしたオンライン化によるイベント開催の難易度の低下により、今までリアルではイベントを開催していなかった企業も、小さいイベントからイベントを開催し成果を出し始めています。今後はさらに、開催規模に関係なく様々なイベントが増えていくと思います。

 

なるほど。オンラインによってイベント主催企業が増えていくということですね。今のオンラインイベントを分析すると、来場者満足度は高いですが、出展社側はまだ課題感があると感じています。どのような原因があると感じていますか?

 

色々なオンラインイベントでEventHubをご利用いただく中で感じているのが、オンラインとリアルを別物だと捉えることの重要性です。オンラインとリアルをストレートに比べてしまうと、「リアルと比べると盛り上がりに欠ける」「リアルと比べると躍動感がない」などのご意見が出てきます。オンラインでリアルを再現しようとするのではなく、オンラインの良さとリアルの良さをゼロベースで考えて、使い分けていくという考えが必要だと思っています。

 

私も最初はリアルの代替としてオンラインで何ができるのか?考えていました(笑)

 

誰もがそうだったと思います(笑)2021年に入ってからは、直接的なリアル対オンラインの比較ではなく、「オンラインにはオンラインの良さがある」「コストパフォーマンスは圧倒的に良い」「リッチに取れるデータをどのように活用するか考えたい」といったオンラインの良さを活かす方向性のお話が増えています。

 

オンラインイベントの良さを追求する。変化を感じます!主催社は、どのような工夫をされていますか?

 

EventHubをご利用されている展示会主催社様だと、出展社向けにプラチナプラン、ゴールドプランという様にプランを複数に分けて提供しているケースがあります。プランごとに、企業紹介ページに掲載できる情報量に制限をつけたり、チャットの送信数に制限をつけたり、納品するリード情報に差分をつけたりしていらっしゃいます。休憩時間にCMの枠を設ける、様々なタイプのウェビナー会場を設けるといったことをされているケースもあるので、オンラインの展示会ではオフラインとは異なる考え方での出展プランニングが、出展社側にも求められています。

 

EventHubが考えるオンラインイベントの未来とは

 

1年間の変化をお聞きした上で、EventHubが考える未来のオンラインイベントを教えて頂いても宜しいでしょうか?

 

オンラインならではの良さを追求するという文脈でお話します。リアル展示会では、出展社が展示会出展を決めた後に、各社がブースデザインや、当日のオペレーション構築などの努力を通じて成果を得ようとするのが当たり前でした。

今後のオンラインの展示会では、出展企業の出展にかかる労力や工数を抑えながら、出展社と参加者のより効率の良いマッチングを実現できると考えています。オンライン展示会であれば、Amazonなどのレコメンド機能の様に、お互いにニーズが合致した出展社と参加者がオススメされ、マッチングされるような機能も実現が可能です。このような機能等を通じ、展示会自体のROIはどんどん向上していくと考えています。

 

未来のオンライン展示会のキーポイントはマッチングにありそうですね!

 

リアル展示会で出展社が歩いている参加者を引き付けていることを考えると、マッチングの精度の向上ののびしろは非常に大きいです。オンラインイベントでは、各参加者の動画の視聴履歴や過去のイベント参加履歴などの、情報がストック可能です。データ量が増えれば増える程、最適なマッチングが実現しやすくなります。未来に向けて我々がやるべきことは、プラットフォーマーとして、より良いマッチングを生み出しやすくすることだと考えています。

面白いですね。理想的なマッチングが実現したら、出展社も来場者もみんなWin-Winだと思います。理想的なマッチングに向けて今後どういった変化が起こると予想されていますか?

 

マッチングのあるべき姿から考えると、まだ道のりは長いと思います。今後の展示会の変化には大きく分けて、2つのトレンドがあると考えています。1つは、出展後のフォロー方法の変化、もう1つはハイブリッド化です。

オンライン展示会で取得できる来場者のリッチなデータは、展示会出展後の参加者に対するフォロー連絡の質向上や効率化に役立ちます。出展後のフォローが得意な企業がオンライン展示会のデータを用い、良い成功事例を作ることで、オンラインイベントで得たデータの活用が拡がっていくと予測しています。

もう一つのトレンドが、ハイブリッド化です。オンラインで得たデータを元に、リアル展示会でクロージングを行う、もしくはその逆で、リアルで課題をヒアリングし、オンラインイベントでヒアリングした項目を元にナーチャリングをするなど、見込み顧客との接触方法がリアルとオンラインをかけ合わせ、ハイブリッド化していくと考えています。

イベントプラットフォーム「EventHub」は未来に向けてどのように変化しますか?

 

今、色々なツールが出てきていますし、テクノロジーの進化も早いですよね。我々も必死です(笑)もちろん、オンラインイベントの効果を最大化することに、引き続き注力していきます。加えて、オンラインの中での「体験の幅」を広げたいと思っています。

体験の幅とは具体的にはどのようなことが考えられますか?

 

VR化の導入、オンライン空間の表現の柔軟性の向上等を通じ、オンラインイベント毎の参加者の方々の体験をリッチに、ユニークにできるようにすべきだと思っています。我々はパートナーとの連携も手段として見据えながら、オンラインイベントの体験の幅を拡げ、体験価値を向上していきたいです。まだまだリアルに近い体験を作れると思いますし、リアルとは違うオンラインならではの体験も作れると考えています。

なるほど!リアルに近い体験を作りつつ、オンラインならではの価値も作るということですね。他にはどのようなことを考えていますか?

 

国境を越えたボーダレス化についても考えています。オンラインの良さは、国が違っても参加できたり、出展できたり、登壇できたりすることだと思います。海外の事例を見ると英語圏で開催されるイベントは、言語的な障壁の低さから世界中から参加者を募ることができます。

日本で開催されるイベントは主に日本語のみでの開催なので、我々がカンファレンスをやったとしても、日本人以外が参加することは少ないですよね。言語の壁や時差の壁が影響し、日本はそこまでボーダレス化が進んでいないんですよね。

確かにその通りですね。日本のオンラインイベントは国境を超えられますか?

 

Google Meetでは、話している時に字幕を表示し、リアルタイムでGoogle翻訳をすることが可能になりつつあります。私自身、海外出身ということもあり、通訳のテクノロジーは個人的にも興味があります。こうした通訳のテクノロジーをオンラインイベントに組み込むことで、日本語で登壇しても、登壇内容が英語圏のオーディエンスにすぐ伝わるとか、同時通訳を手配せずとも、どの言語でも情報発信できる世界が、数年後には普通になります。

こうした世界では、日本で開催されるオンラインイベントでも言語の壁を越えられます。先程のマッチングの要素が加わると、例えば、実は非常に相性が良い福井県にいる企業の方がUAEにいるお客様にリーチできるといったことが普通になります。

お話を聞いていると本当に実現すると感じます。ワクワクしますね(笑)最後にオンライン展示会やカンファレンスをやりたい、もしくは検討している方にアドバイスがあればお願いします

 

弊社にお問合せいただく方のほとんどがそうですが、オンラインでのイベント開催を不安に感じていたり、動画を配信するといったことに怖さを感じている方が非常に多いです。そういった方は、まずは小さく始めるというのも方法の1つです。また、2020年はライブ配信にこだわっている企業様が多かったのですが、2021年に入ってライブにこだわらずに動画を事前収録し、Q&Aだけライブ配信で実施するなど、ライブ配信と事前収録の使い分けも進んできています。

初回開催で不安な場合は企画運営会社さんとタッグを組んで、安心感を持って主催する方法もあります。もしオンライン展示会の開催を検討していて、スポンサーメニューの組み方がわからないということであれば、弊社にご相談いただいたり、他社主催のイベントに出展してみてから主催してみるというのも手だと思います。

安心して開催できるサポート体制が整ってきているので、まずはやってみましょうということですね!皆さま気軽にEventHubへご相談いただければと思います。本日はインタビューありがとうございました。

 

まとめ

 

今回は、EventHubのが考えるオンラインイベントの未来をお聞きしました。

インタビュー内容をまとめます。

 

1.2020年~現在で起きている変化

  • 「2020年:オンラインイベントを無事開催する」→「2021年:成果や結果を求めている」
  • 開催規模が変化している
  • オンラインイベント主催社には「集客力」と「コンテンツ力」が求められている
  • リアルと比較するのではなくオンラインの良さを追求することが大切

 

2.未来のオンラインイベントはどうなる

  • 最高のマッチングがあるべき姿(そのためにデータ活用が必要)
  • 今後は、会期後のフォローとハイブリッドでデータ活用が進む
  • EventHubは「体験の幅の拡大」、「ボーダレス化」に注目
  • 今でもサポート体制は整っているので、未来に向けてまずはやってみよう!

 

オンラインイベントの未来に関して、私のインタビューではここまでしかヒアリングできませんでした(笑)

もっと知りたい!興味があるという方に是非参加していただきたいイベントがあります。

今回取材にご協力いただいた株式会社EventHubが2021年7月7日に、初の自社主催のオンラインカンファレンス「FUTURE OF EVENTS 2021」を開催します。

イベントマーケティングの未来やオンラインイベント開催のノウハウについて話が聞けるセッションが盛り沢山のイベントですので、ぜひご興味のある方はご参加ください。

※上記の画像又は、下記のリンクをクリックください!

https://futureofevents2021.eventhub.jp/

 

 

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