バーチャルブースに人が来ない/リードの質が悪い
2020年12月コロナ第3波の影響が拡大しております。
第4波もあるのではないかと言われている中、リアル展示会の開催がまた中止にということも予測されております。
このような状況でも、マーケティング部門は新しいリード獲得や既存リードのナーチャリングを行う必要があります。
オンライン(バーチャル展示会)の出展も選択肢の中に入ってくるのはないでしょうか。
しかし、オンライン展示会に関しては結構苦戦されている方も多いようです。
そこで、今の時期にオンライン展示会に出展する場合は、最低でも気をつけるべきポイントを紹介致します。
先日、あるオンライン展示会の開催に際して、出展社にセミナーを行いました。
その時の内容も踏まえながら、記事を書きたいと思います。
今オンライン展示会に出展を考えている方に、少しでも価値があると感じて頂ければ幸いです!
まずは、もっとも多い課題である「バーチャルブースに人が来ない」から書きます。
その1:バーチャルブースに人が来ない
オンライン展示会用のプラットフォームやバーチャルブースを作成するCMSなど、コロナ禍になって色んなサービスが出てきました。
バーチャルブース(HPのようなものも含む)の構成は、大体以下のようなものになります。
- サービス紹介コーナー
- 会社紹介コーナー
- 動画コンテンツ
- ダウンロードコンテンツ
- チャットコーナー
- オンライン商談コーナー
動画コンテンツやダウンロードコンテンツは結構凝ったものを作成している企業もいます。
労力やコストをかけて準備されているのに、バーチャルブースに全然人が来ないという声をよく聞きます。
オンライン展示会に出展される場合は、バーチャルブースには人が来ないという事実を受け入れる必要があります。
但し、以下の場合は、バーチャルブースにも人が来ているようです。
- セミナーをやった後
- 主催者が工夫をしている場合
1.セミナーの質を上げればバーチャルブースに人が来る
オンライン展示会は基調講演や協賛企業のセミナーが開催されている場合が多いです。
セミナーに関しては、今も人が集まっています。
※面白い内容でないと簡単に離脱しますが
バーチャルブースのアクセス状況を見ると、セミナーに参加した後が多いです。
オンライン展示会に出展する場合は、バーチャルブースのコンテンツに力をいれるよりも、セミナーに力をいれた方が効果的です。
仮にバーチャルブースだけの出展プランの場合は、主催者の工夫がない限り集客は厳しいことが予測されます。
因みにセミナーを飽きさせない方法は、ウェビナーの学校というコンテンツがありますので参考にしてください。
2.主催者が工夫をしている場合
主催者も、バーチャルブースに人が来ないことは分かってきています。
実際に行われている工夫を1つ紹介致します。
出展企業サービスのダイジェストを作成する
オンライン展示会の来場者は、目的があるわけではなく、どんなことをやっているんだろうくらいの軽い気持ちで参加しています。
その参加者にとっては、1つ1つのバーチャルブースを見るよりも、どんなサービスがあるのかダイジェスト版を見る方が利便性が高いです。
ダイジェスト版は、資料ダウンロードできるようになっていたり、動画コンテンツになっていたりします。
ダイジェスト版→バーチャルブースの動線は、今後主催者として、バーチャルブース誘引の1つの型になっていくと感じています。
未来のことを考えると自動レコメンドとかも出てくるかもしれませんが、来場者が本気で情報を入力するとは思えないので、結構難しいと思います。
あとは、セミナーを主催社も一緒になって工夫する取り組みは出てきて欲しいですね。
その1では、バーチャルブースには人が来ないについて書きました。
人が来ないことを前提で考えて、セミナーからどうやってバーチャルブースに来てもらうかを考えることが、失敗をしないためには大切です。
また、バーチャルブースに誘導する工夫がある主催者が、今後は求められると思いますし、そういうオンライン展示会を選ぶ必要があると思います。
次は2つ目の悩み「リードの質が悪い」についてです。
その2:リードの質が悪くて受注に繋がらない
よくある失敗談2つ目は、リードの質の話です。
「オンライン展示会に参加をして、セミナーの事前登録者のリストにメールをしたけど、殆ど開封されなかった」
この悩みも、多いです。
オンライン展示会のリードの質は、はっきり言って軽いです。
※購入意思の高い人は少ないという意味です
これはもう受け入れるべき前提だと思います。
その証拠に、バーチャルブースにオンライン商談やチャットを設置している場合でも、殆ど反応がありません。
軽い気持ちで参加できるのが、オンラインの良さなので、参加者の気持ちになってみれば当然のことです。
どうすれば良いのでしょうか?
解決策を考えるために、リードの質について考えてみましょう。
購買心理プロセスで考えるとリードの質を評価できる
STEP①:知りたい客
オンライン展示会の参加者は圧倒的に「知りたい客」が多いです。
- 業界のトレンドや事例を知りたい
- 有名な方の考えを参考にしたい
- 新しい技術や世に出る前のアイデアを知りたい
- 新製品の情報
上記のような情報を知りたい来場者は、セミナーに参加をして情報を収集します。
オンライン展示会では、セミナーの事前登録者や実際に視聴者のリード情報を貰えるのですが、この「知りたい客」に一斉メールをしても開封されないのは当然です。
それは、セミナーで知りたいことが分かって満足をしているからです。
※途中で離脱しているかもしれませんし、ながら視聴であんまり聞いていない可能性もあります
さらに、そのメールの内容が製品紹介だったとしたら・・・
買う気が全くない人にとっては、開封しても興味を持てない内容になるでしょう。
リードの質が悪いと感じている場合、2つの理由が考えられます。
- 集まっているリードの殆どが「知りたいだけの客」だった場合
- 「聞きたい客」や「買いたい客」もいるが、案件化しない場合
①の場合は、オンライン展示会をブランディングの場と割り切る必要があります。
仮に②の場合であれば、改善策があります。
そのポイントが、次の「聞きたい客」になります。
STEP②:聞きたい客
「聞きたい客」とは、自分の課題を一緒に考えて解決したいと思っている客です。
知りたい客の中には「聞きたい客」もいます。
「聞きたい客」は、自分の課題を相談したいと思っています。
仮に、画一的な方法でその課題が解決できるのであれば、ネットで検索した情報で十分なはずです。
ネットでは得れない情報や、答えがないことを知りたいと思っている人が「聞きたい客」です。
では、聞きたい客はオンライン展示会で積極的に質問をしてくるでしょうか?
BtoBビジネスの場合、オンライン展示会で直接連絡をしてくるのは限られた人です。
BANT条件というフレームワークを使って解説します。
- Budget(予算)
- Authority(決済プロセス)
- Needs(課題)
- Timing(導入時期)
条件が4つ揃っている来場者であれば、直接質問をしてくることはあります。
来場者の気持ちで考えると、以下の場合は質問しにくいでしょう。
- ふわっとした課題があるだけで、サービスを購入しようとは思っていない
- 課題ははっきりしているが予算はない
- 決裁権はないが情報収集で参加している(勉強目的もここにあてはまる)
オンライン展示会でリードの質が軽いという悩みが多いのは、この来場者の心理が関係しています。
私もオンライン展示会に参加した時に、来場者心理を考えず失敗をしました。
オンライン展示会では、「聞きたい客」は能動的は動かないのです。
※リアル展示会の価値は、この「聞きたい客」をたくさん獲得できることだと弊社は考えています
今後、オンライン展示会を評価する場合は、3つの指標が必要になると考えています。
- 新規リード獲得数
- 聞きたい客の数
- 商談数(買いたい客)
聞きたい客に対しては、ナーチャリング施策が効果的です。
自社ウェビナーに参加してもらう、メルマガを配信する、デプスインタビュー(顧客の課題を把握するため)に参加してもらうなどです。
展示会後のナーチャリング施策が全くない出展社は、「聞きたい客」を取り逃している可能性があります。
オンライン展示会を成果に繋げるためには、展示会後のナーチャリング施策をセットにする必要があります。
STEP③:買いたい客
サービスの購入意思がある「買いたい客」。
オンライン展示会にも「買いたい客」はいます。
しかし、数が少ないのが現実です。
ポイントは、買いたい客の見分け方です。
バーチャルブースでオンライン接客やチャットを設置しても、買いたい客から行動してくれることは少ないので、こちらから行動する必要があります。
そのためには、ウェビナーに力をいれて、アンケートに記入してもらい、展示会後に連絡をすることが求められます。
オンライン展示会の出展社は、「買いたい客」を意識して、バーチャルブースのコンテンツを重視する傾向があります。
バーチャルブースのコンテンツは、もちろん良い方がいいのですが、準備をするのに労力とコストがかかります。
「買いたい客」を取り込みたい場合は、ウェビナーと展示会後のインサイドセールスに力をいれた方が成果に繋がります。
STEP④:紹介客
サービスのファンになって、紹介をしてくれるお客様が「紹介客」になります。
「紹介客」はオンライン展示会を攻略する上で非常に重要です。
オンライン展示会の攻略ポイントは2つあります。
- 「知りたい客」を「聞きたい客」にし、展示会後のナーチャリング施策に繋げる
- 「買いたい客」を見分けて、展示会後インサイドセールスから商談に繋げる
「知りたい客」を「聞きたい客」に引き上げる、「買いたい客」を見分ける上で、有効なコンテンツが導入事例です。
サービスの導入きっかけや成果(数値エビデンス)だけでなく、失敗談や実際にやってみて分かったことを熱を持って話してくれるファンの存在が大切になります。
オンライン展示会を成果に繋げるためにも、日頃から顧客に価値を与えること、そしてリレーション強化を意識することが大切です。
「オンライン展示会のリードの質が悪い」を対策しよう
オンライン展示会のリードの質が悪い理由は、来場者が気軽に参加するからです。
それは、コントロールできない部分です。
それを前提として、自分たちでコントロールできる対策法を紹介します。
- バーチャルブースよりもウェビナーに力を入れる
- 「聞きたい客」を活かす展示会後のナーチャリング施策を用意する
- 「買いたい客」に、ウェビナーを最後まで視聴しアンケートに答えてもらう工夫をする
- 「買いたい客」をインサイドセールスで商談に繋げる
- 「紹介客」に協力してもらい事例コンテンツ(ウェビナーや資料ダウンロード)を充実させる
まとめ
今回の記事では、オンライン展示会の2つの問題点を解説し、解決策を考えました。
①バーチャルブースに人が来ない、➁リードの質が悪いという2つの問題は、来場者の変わらない行動として捉える必要があります。
では、出展をしないかというと、そうもいかない現状があります。
- コロナ禍でリアル展示会に出展できない
- リアル展示会がオンライン化する
- 自社でいきなりオンライン施策(ウェビナーやオンラインカンファレンス)を考えても集客できない
2021年はオンライン展示会が増えることが予想されます。
オンライン展示会を成果に繋げるためには、ウェビナーの強化と展示会後のアクションが重要になります。
オンライン施策は、成果に繋げるまで時間がかかります。
※失敗の積み重ねで精度があがる
早めの準備をすることが大切です。
オンライン施策を仕組化できれば、アフターコロナのマーケティング施策に幅がでます。
リアル展示会にも良い効果がでます。
この記事が、貴社のオンライン化のきっかけになれば嬉しく思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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