オンライン展示会で商談が起きない場合にどうする?
オンライン展示会には、リアル展示会と同じ価値を求めている。
リアル展示会に出展されていた方は、そのようなお考えをお持ちではないでしょうか?
特に製造業の出展社様は、製品PRの場として使いたいとお考えが強いと思います。
しかし、ブースになかなか入って貰えず、ブース内で商談ができないという声が多いです。
今回は、オンライン展示会のプラットフォームの「meet×meet」の開発・販売を行っている株式会社大伸社の部門責任者の渡辺様と、プロジェクト責任者の古本様にお話を伺いました。
オンライン展示会のプラットフォームの提供だけではなく、様々なマーケティング支援を行っている株式会社大伸社。
お二人には、「プラットフォーム選びよりも大事なことは何か?」と「商談に繋げるためのヒント」を伺いました。
今回は、オンライン展示会にこれから出展しようと検討されている方はもちろん、出展しているものの、思ったような成果を出せていないと感じている方にもお読み頂きたい内容となっております。
目次
取材にご協力頂いた「meet×meet」お二人のご紹介
商談を増やすためのプラットフォームとは?
「meet×meet」のデモ画面を操作し、御社のサービス資料を拝見してまず感じたのが、御社は商談やコミュニケーションに非常にこだわっている点です
当時(2020年3月くらい)既にあったオンライン展示会のプラットフォームは、商談機能と連携していないものが多かったのです。他社サービスが3DCGでリアルな世界観を追求する一方でヒトの存在、賑わいがなく、商談を申し込むことにとても心理的ハードルがあるように感じたことが本サービスの起点
商談をしやすくするためにどのような仕組みを考えたのですか?
出展社様の商談担当の方の顔が見える機能です。ブ―スに立っている出展企業の担当者の顔が見えれば、視覚的にも声を掛けやすくなるんじゃないかと考えました。日本ではまだまだルートセールスがあり、中には差別化しづらい商材もあります。そういうところでは、人と人のリレーション構築が商品選定の要因になります。「いつも回ってくれている営業の方が立っているな」と来場者に感じて貰い、ブースへ話し掛けに行こうという顧客行動が作れたらと思いました。
視覚的に営業担当者を見せることで来場者に安心感を与えるということでしょうか?
2020年の3月頃、メジャーなオンライン展示会のプラットフォームを初めて見た時に、デザインはカッコ良いのですが、これでは来場者が出展企業に話し掛けづらいなと思いました。展示会の本質はコミュニケーションだと考えています。プロダクトをどう見せるかというよりも、いかにコミュニケーションを発生しやすくするかというところに重きを置きました。
なるほど!コミュニケーションを重視して設計されたのですね!確かに商談相手の顔がわかるとイメージも付きやすいと思います。「meet×meet」はデザイン的に直感的でわかりやすいと感じます
WEBサービスを使った時に誰しもがそのようなユーザー体験をしてきているという前提で作っているので、基本的な操作でお問い合わせ頂いたことは無いぐらい直感的に操作して頂けます。ブースを回りながら気になった資料はお気に入りに入れることもできます。来場者用のマイページでお気に入りを確認することもできます。来場者がプラットフォーム内で行動しやすいように設計しております。
一目でブースに何人来場者がいるのか分かるのもユニークですね
そうですね。あまり知られていないブースでも人気のあるところがわかりますので、安心してブースへ入って頂けると思います。
ブースではどのあたりをポイントに設計されましたか?
商談を生み出すためにどのようにすれば良いかをポイントにしました。拘っているのがどのページからも商談できるようにしていることです。下のブースの画面でご説明すると、中央のブース写真のところで各担当者と商談したり、商談予約をすることができます。また、画面右上の顔写真のところからも商談を設定できますが、こちらはブース内の他のページに遷移しても残るので、どのページからも商談設定が可能です。この機能はもっと強化して、わかりやすくしていこうと考えています。
今感じているオンライン展示会の出展社/主催社のニーズ
主催社側は来場者数を増やしたいので、有名人を呼んで来場者を集めることも多いです。来場者は確かに面白いコンテンツだという意見が多いです。一方出展企業は、ブースに人が来ないという課題があると思うんですね。その点はどう捉えていらっしゃいますか?
ウェビナーだけ見て帰ってしまうといったことが起きていますよね。主催社は目標来場者数をクリアしたかもしれませんが、出展社からするとブースに回遊して頂く施策を今後もっと生んでいかないと、継続して出展して頂くことが難しくなる可能性があるのかなと思います。
ブースになかなか人が来ないというのは大きな課題だと思いますが、例えばブースに来るようにとか、回遊してもらうといった辺りの施策で、御社のプラットフォーム側で考えていることはありますか?
出展社側からオファーを出すという形で、来場登録の際に取ったアンケートを基に、出展社側のニーズと合うものに対して来場者のマイページに「ブースに来てもらえませんか」というオファーメールをできる機能があります。
マッチング精度を高めるためにはどのようなことをしていけば良いと思いますか?
リアルでは、ブースにいらっしゃった方を見定めて会話することは難しいので、話終わった結果「実は競合だった」というケースもあると思います。それはオンラインでも同様だと思います。質の高いリードにすることで言うと、会期前と会期後が重要になると思います。
会期中ではなく前後の工夫が必要とのことですが、具体的にどのようなことを行えば良いですか?
会期前のポイントは、ターゲットをしっかり決めて、そのターゲットに刺さるような告知プロモーションを行うことです。会期後は、そのターゲットの方々のニーズに沿うようなコンテンツをフォローで送っていき、リードの確度を高めていくことです。ターゲット顧客をしっかりイメージすることはとても重要なことだと考えています。
ターゲットを見定めて、会期前後で工夫をすることは確かに大事だと思います。会期中の工夫はありますか?
会期中はウェビナーを工夫したり、来場者に送るメール文面を工夫したり、色々とできることはあると思います。1つ抜けやすいのは、行動ログの使い方です。行動ログを元にスコアリングをして優先順位を決めることは、リードの質を高めるという考え方ではなくて、質の良いリードを選別していくための手段にはなるかなと思います。
出展社のニーズはよく分かりました!主催社からはどのようなニーズがありますか?
フェーズごとに分かれていて、今後主催をしようという企業様は、どう運営したら良いかわからないというご相談が多いです。既に主催されている企業様は成果を求められていて、「もっと商談に増やしたい」「もっと成約数を増やしたい」という課題に対して、解決策を求めていることが多いです。総じて、人を集めるコンテンツに関しての悩みは多いという印象ですね。
集客の悩みは尽きないですよね。集客の工夫について具体策を聞きたいです
メニュー化しているわけではありませんが、共催企業のマッチングは有効だと感じています。我々も自社開催という形で「meet×meet」を使って主催をしていますが、そういう時は自分たちだけの力ではなくて、どこかと組んでその中で双方持っていないリードに対してアプローチしていこうと考えています。それはウェビナーも一緒ですね。ウェビナーの集客も基本そういう考え方ですね。
共催イベントに対して課題を感じている方も多いと思います。共催イベントを上手く開催するヒントは何かありますか?
「相手方が求めていることって何だろう。どうなれば相手方にメリットがあるのだろう」というところを起点に、何を提供できるのかを考え抜くことかなと思います。その方法は確立されたものはないです。愚直に考えるだけだと思います。
株式会社大伸社が考えるプラットフォーム選びより大事なこと
今後、御社で何か考えられていることはありますか?
これまでリアル展示会の主催社は、運営を外部に委託するケースも多かったと思います。オンラインでもそのような運営代行のニーズがあると思っています。我々は、コンテンツを作っている企業なので、出展企業がオンライン展示会を出展する際にコンテンツが足りなければ一緒に作っていくということもできますし、会期後にどのようにフォローしていくのかというナーチャリング施策についてもお役に立つことができます。いずれも出展社様向けのサービスになりますが、どのように主催社様に対してオプションを提示していくのかということを考えています。
オンライン展示会の運営面に強みを持っているということですね。
オンライン展示会は今後増えていくと予想しています。初めてオンライン展示会を開催する方にとっては、運営面のフォローはとても有益だと考えています。そこは戦略上1つのポイントです。
今後オンライン展示会への出展を検討されている方に何かアドバイスをお願いします
コンテンツが大事だということと、それに伴うターゲット、市場選定がカギだと思います。プラットフォームは箱なので、そこでどのようなコミュニケーションを取るかの方が重要です。オンライン展示会の来場者は、購買プロセスで言えば検討段階のかなり手前だと思います。まだ情報収集しようとしている段階の来場者に対して、どんなコンテンツが良いのかと考えなければいけないのに、クロージングに近い資料を用意されていることが多いです。まずは「お役立ち情報をもらえたな」という印象を与えるぐらいがちょうど良いと思います。
そうですね。お客様の購買プロセスを描いた時に、前半の方用のお役立ちコンテンツはご用意されていない出展社も多いと思います
来場者は、商談に入る前にまずは資料を見たいという方がほとんどです。ちょっと話を聞いてみたいと思わせる仕掛けづくりを含めて、どのようにコミュニケーションを設計するかは、リアル以上にオンラインでは求められます。
その通りですね。リアルではお話しているうちに色々方向修正ができますが、オンラインだと話すまでに壁がありますよね?
そうですね。そのため、どのようにコミュニケーションを設計するかまで一緒に支援してくれる企業と組むのが成果を出すための近道だと考えています。我々は、コンテンツを制作することも含めて、全体をトータルで考えながら、ご支援できるところが強みでもあります。よくオンライン展示会のプラットフォームでは、機能比較表やスペック一覧表みたいなものに意識が集まります。しかし、コミュニケーションの設計は、機能比較表には表れない部分です。そこからやっていかないと成功しないと私は考えていて、そこをご一緒できる企業を選んだ方が、結果的に成果が出やすいと思います。
なるほど!プラットフォームの特性を理解することは重要だと思うのですが、それ以前にも重要なことは沢山あるというお考えは共感できます。本日はありがとうございました。
まとめ
今回インタビューをさせて頂いて、オンライン展示会は3つの大事なポイントがあると思いました。
- コンテンツの作成に拘る
- 商談が起きやすい環境を主催社/出展社が一緒になって作り上げる
- アフターフォローの運用も非常に大事
プラットフォームを提供するだけでなく、上記3つのポイントを提供できるのが「meet×meet」の価値だと思いました。
実際にどのようなプラットフォームなのか、どんな運用をしているのか興味がある方に、株式会社大伸社主催のイベントを紹介します。
今回取材にご協力頂いた株式会社大伸社が主催をする「BDフェア」が7月28日~30日で開催されます。
建築・設計業界にまつわる製品、サービスを一堂に集めたのオンラインの総合展示会です。
コロナにより新しい顧客との商談場面が失われてしまいまうことが多くなった昨今、そんな建築・設計業界の力になりたいという思いから、オンライン展示会「BDフェア」を企画されました。
建築・設計業界の方はもちろん、「meet×meet」が気になった方もチェックしてみて下さい。