オンラインとオフライン比べても意味がない!
知り合いの経営者で集まって、アフターコロナについてZoomミーティングをしました。
研修、コーチング、セミナーなどのプロが集まっていたので、私はある質問をしました。
「今までリアルでやっていたことがオンラインに変わって、何が変化しましたか?」
会話の中で、とてもハッとさせられる意見がありました。
- オフラインとオンラインを比べても意味がないんじゃないか
- 新しいオンラインという枠組みの可能性を探求した方がポジティブだ
私は、オフラインとオンラインの違いにばかり目が向いていました。
オフラインだとこれができるけど、オンラインだとできないみたいな感じで。
まさに思考停止になっていると感じました。
そこで、オンライン展示会をめちゃくちゃポジティブに考えてみることにしました。
今オンライン展示会を開催してみようと思っている方に、少しでもお役に立てば幸いです。
オンライン展示会の現状
まず最初に、2020年5月現在のオンライン展示会の動向を見てみます。
コロナの影響後、まず動き出したのがWEBセミナー(ウェビナー)です。
特にSaas系のビジネスをやっている企業は、いち早く動き出しました。
元々メルマガで情報発信をしている企業が多いので、スムーズにWEBセミナーに移行できますよね。
WEBセミナーをやると、今まで以上の反響があるという声が多いです。
テレワークになって、働き方が変化すると、上司や同僚に費やす時間が減ります。
WEBセミナーで情報をインプットする動きが加速したと推測しています。
(仕事を全くしていないのも問題なので、セミナーに参加しているという意見もあると思いますが)
WEBセミナーの反響と、オフラインの展示会が中止になることが重なって、オンライン展示会の開催が動き出します。
色々とオンライン展示会に参加してみたのですが、特に良かったのが以下のオンライン展示会です。
【テレワークオンライン展示会】
https://mpages.chatwork.com/Telework_web_exhibition.html
コロナの影響でテレワークの普及が急加速している状況なので、テーマがとてもハマっています。
2日間のプログラムは、6件の基調講演と、30社位のセミナーで構成されていました。
登録者が3000名位とのこと(実際は3回で約3000名)だったので、実際の参加者は6割の1800名位(実際は7割以上は参加)だったのではないかと予測します。
※今までのオンラインイベントでのKPIから推測
※実際の声をインタビューしましたのでこちらを参考にして下さい!
このオンライン展示会が良かったと感じたポイントは以下になります。
とても考えられていたので、非常に参考になると思います。
コンセプトがしっかりしている
今ままでもこのような企画はありました。
数社が集まったセミナー形式だと、全体テーマと各企業のセミナーにズレが起きやすいです。
※顧客視点で考えた時のズレ
テレ―ワーク展示会の例で言うと、参加者はテレワークに何らかの興味が向いている人が参加します。
下に行くほど、購入意欲が高い形で羅列します。
- 最近テレワークという言葉をよく聞くけどどんな感じなんだろう
- 上司に調べて欲しいと言われたからセミナーでも探すかな
- テレワークに取り組んでいて、悩みがあるから解決したい
- テレワークでマネジメントは他社はどうしているのだろう
- 今抱えている課題の解決策が知りたい
- テレワークを推進するツールを探している
- 数社で比較検討したい
- 費用対効果を知りたい
テレワーク展示会に参加してくる人は、色んなニーズを持っています。
このニーズに対して、今までのセミナーは製品特徴をプレゼンする形が多いです。
分かりやすく言うと、「テレワークに何となく興味があって参加したのに、製品の説明ばっかりでちょっと飽きちゃったなあ」と参加者が感じてしまうのです。
全体テーマは、”テレワークに関する皆さまの悩みを解決します!”
個別のセミナーでは、”我々のサービスはこんな所が素晴らしいです!”
各企業のアピールポイントばかり聞いているとお腹いっぱいになってしまいます。
紹介したテレワーク展示会では、この問題がありませんでした。
購入を促すのではなく、良い情報を届けることに各セミナーがフォーカスされていました。
- 実際に自社でテレワークをする上で感じた成功/失敗体験
- ○○ツールを導入する時に比較検討をするポイント
- コロナの影響の中で実際に○○やってみました
各企業が、売り込みではなく良い情報を届けることにフォーカスしているので、参加者の満足度も非常に高かったと思います。
これは、できるようでできないことなので、凄いことだと感じました。
他のオンライン展示会にも参加しましたが、1番コンセプトの統一感がありました。
今の段階で主催者の越ケ谷さんのnoteが公開されています。
企画のきっかけや、実際の企画運営の設計ノウハウが公開されています。
とても良い内容なので、是非一度目を通して下さい!
【オンライン展示会やってみた vol1】
https://note.com/markegatani/n/n796f9f4df560
【オンライン展示会やってみた vol2 企画をぜーんぶ解説】
https://note.com/markegatani/n/nd911ac0a0abc
きっちりとしたオファー設計
基調講演は30分、セミナーは20分で構成されている当オンライン展示会。
20分で伝えられることには限界があります。
さらに、今回は商品を売ることよりも、お役立ち情報を届けることにフォーカスされています。
話せる内容が限られている中で、オファーの設計が甘いとチャンスを逃してしまいます。
上記で書いたように、視聴者には何となく興味を持っている人もいれば、導入を考えている人もいる訳です。
例えば、このような感じでオファーをしていました。
テレワークの時にWEB会議システムを選ぶポイントを紹介。
【自社、他社のポジショニングを意識して、それぞれの強みを理解して利用することをオススメする】
↓
今のコロナの時期だからこそ、評価の為にも無料で使ってみると良いとオファーする
【評価の結果を教えて貰えれば!というオファーもされていました】
これはネオキャリア様のセミナーでしたが、大変考えられていて素晴らしかったです。
良い情報を届けるというコンセプトを徹底しているからこそ、本当に欲しいと思っている人は、もっと聞きたいと感じていると推測します。
これが、60分のセミナーならお腹いっぱいになるかもしれません。
オファーの設計がしっかりとしているからこそ、20分のセミナーによる効果が高くなると感じました。
特に素晴らしいと感じた点を2点挙げました。
次にこちらのテレワーク展示会を数値分析してみたいと思います。
オンライン展示会の費用対効果は?
費用対効果を考えるとポジティブさが失われそうな気もしますが(笑)
おそらく費用対効果の面でも非常に良い効果が表れている可能性があるので、検証してみたいと思います。
集客の費用対効果
従来自社で数社を集めたオンライン展示会を開催しようと考えた場合、どの業者に頼むことが多かったでしょうか?
WEB系の媒体業者に頼むことが多かったと思います。
媒体業者にお願いすると以下のことをやって貰えます。
- 参加者の集客
- 基調講演のキャスティング
- セミナー企業のキャスティング
- 会の進行、運営代行
媒体業者は、基本リアルセミナーや展示会の集客を行うことが多いです。
1人集客するのに、10,000~15,000円が相場です。
仮にオンラインだと、リアルより参加率が高くなったと考えて、半分位で集客できると考えてみます。
1人当たりの集客コストは5000円とします。
仮に今回のオンライン展示会を業者に頼むと、1800名参加と考えて、900万円です。
おそらく、今回の集客に代行費用はかかっていないのではと予測しています。(プレスリリース費用くらい)
実質費用0円でこれだけの集客ができていることは、とても凄いことです。
各セミナー企業の費用対効果
1800名参加のオンライン展示会で、各企業のセミナー参加数を予測してみます。
今回は1日目が「テレワーク×バックオフィス」、2日目が「テレワーク×営業」、「テレワーク×人材・採用」、「テレワーク×エンゲージメント」とカテゴリーで分かれていました。
視聴者は、興味がある部分を聞くことができるのでとても良いカテゴライズです。
各企業のセミナー参加者は、1000名位と予測します。
オファーの反応率を5%とすると、50名の問合せを獲得している可能性があります。
おそらく、協賛(出展)費用はかかっていないと思います。
今後オファーを改善して、反応率が10%くらいまで上がってくれば、1回の参加で100件の有効リードを獲得ということです。
とてつもないパワーを秘めていると感じます。
主催者の費用対効果
こちらのテレワークカンファレンスですが、今回で3回目となります。
集客の状況は、1回目250名、2回目1300名、3回目3000名です。
1回目が3月19日、2回目が4月8、9日、3回目が4月27、28日です。
約1か月半の間に3回行われていることも凄いですが、集客数の伸びが半端ないです。
集客用のリストが出展企業のハウスリストという可能性もありますが、ハウスリストは大体がほぼ死んでいるリストです。
その掘り起こしに確実に機能していることが伺えます。
そして、主催者のチャットワーク様は、テレ―ワークカンファレンスを通して、テレワークならチャットワークという印象を強めた可能性があります。
主催者としてあえて裏方に回ることで、参加者や出展社から多くの信頼と感謝を得ていると考えます。
PR効果は良く拡散された記事数で測る場合が多いです。(この記事もその1つになると思います)
今後テレワークカンファレンスについての記事が増えれば増えるほど、PR効果が期待できます。
オンライン展示会の費用対効果をまとめました。
最後に、表題に書いた通り、めちゃくちゃポジティブに考えて、オンライン展示会だからこそできることを考えてみたいと思います。
オンライン展示会だからこそできること
今まで書いた通り、オンライン展示会は可能性を秘めています。
紹介した成功事例から学ぶことがたくさんありました。
最後にさらに深堀をして、オンライン展示会だからこそできることを考えてみたいと思います。
オンライン展示会のポイントは頻度ではないか
オンライン展示会のメリットは、今後色んな記事で語られると思います。
場所・時間を選ばない、費用がかからないなどはその代表です。
メリット/デメリットに関してはこちらの記事を参考にして下さい!
今回の成功事例から学べるオンライン展示会の最大のメリットは、頻度ではないかと感じました。
この企画が成功した1番の要因は、短期間に3回行ったことだと思います。
もっと簡単に言えば、頻度を増やすことで、拡散する効果が高まった(バズった)のだと推測しています。
これは、オンライン展示会にしかできないことです。
頻度を増やすことは、色んな意味で効果があります。
有名なのはザイオンス効果です。
会っている(見ている)回数が増えれば増えるほど、信頼性が高まるという話です。
オンライン展示会だからこそ、視聴者の信頼度は上がっていく可能性があります。(だからバズる)
1回のセミナーの時間が短いことはむしろポジティブに考える方が良いかもしれません。
その分、視聴者の集中力は持ちますし、頻度が多くなれば、一度にすべてを伝える必要はありません。
1回で考えるのではなく、数回で伝えるという視点を持つことも大事です。
そして何より、頻度が増えても集客数が増えていることが全ての関係者にプラスの要素を与えます。
そのためには、今回の成功事例のポイントが条件になると思います。
- テーマが顧客視点で考えられている
- 商品を売るよりも役立つ情報を届ける
- オファーの設計にこだわる
この3つのポイントを、主催者、協賛企業が統一感をもって、運営していくことが重要になると思います。
1社が勝つのではなく、関係者みんなで勝つイメージです。
まとめ
今回の記事では、オンライン展示会をオフラインと比べることなく、めちゃくちゃポジティブに考えてみました。
私も思考の幅を拡げることによって、新たな視点に気づくことができました。
今後、オンライン展示会を開催しようと考えている方の気づきになれば幸いです。
最後にお礼を申し上げます。
テレワークカンファレンス及びその他のオンライン展示会を開催された素晴らしい行動力に感謝いたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。