インサイドセールスとは
御社は展示会後にフォローを行っていますか?成果はいかがでしょうか?
展示会で力尽きて、あまりフォローコールが進まない。もしくは既存顧客への営業活動が忙しく、新規営業にリソースが避けない。
そのような出展社様も多いのではないでしょうか?
なかなか進まない新規営業活動に痺れを切らし、インサイドセールス部隊を構築する企業が増えています。
この10年で、インサイドセールスが注目されるようになりました。
今回は「インサイドセールスとは何か?」について考えていきたいと思います。
なぜインサイドセールスについての記事を展示会支援をしている私たちが書くのか。
このことについて最初に説明させて頂きます。
セールスカレッジは、「営業の教育や支援を通して日本を元気にしたい」という思いで作った会社です。
創業当初より、営業研修と営業戦略の構築から営業活動の実行まで幅広くご支援して参りました。
そして、IT企業を中心に、インサイドセールス部隊の立ち上げ、研修、実行支援も行ってきました。
インサイドセールス支援で得たノウハウを展示会向けにカスタマイズし、サービス展開したのが今の弊社の「展示会支援サービス」です。
実は、インサイドセールスと展示会の営業は共通点が多々あるのです。
インサイドセールスの知識やノウハウを持っていることが当社の1つの強みと考えています。
展示会では沢山の新規リードを獲得できるイベントです。
会期終了後には、ほとんどの出展社はフォローを行うと思います。
インサイドセールスの精度を上げていくことで、展示会で獲得したリードを有効に活用することができるのです。
今回は、インサイドセールスの精度を上げ、展示会をより成果を上げる場にして頂きたく、このような記事を投稿させて頂きます。
ぜひ最後までご覧下さい。
目次
インサイドセールスとフィールドセールスの違い
インサイドセールスとは何でしょうか?
今まで営業活動の中心とされていたフィールドセールスとの違いを説明することで、インサイドセールスは理解しやすくなります。
フィールドセールスは、外勤営業のことです。
既存顧客や新規の見込み顧客に訪問し、直接会って商談を行います。
これに対してインサイドセールスは、内勤営業です。
今でも、インサイドセールス=テレフォンアポインターと認識をされている方も多いのではないでしょうか?
しかしこれは誤解です。アポイント獲得はインサイドセールスの一部分に過ぎません。
今までの営業活動では、内勤営業と外勤営業の両方を営業担当が行っていました。
インサイドセールスを導入するということは、この2つを分業化し、効率化させることです。
では、なぜインサイドセールスが注目されるようになったのでしょうか?
インサイドセールスが注目される背景
なぜインサイドセールスが注目されているのでしょうか?
以前、顧客にとって有益な情報源は営業パーソンでした。
売り手にとっても情報発信の場が限られており、多くのBtoB企業においては、営業活動が主な情報発信の場でした。
インターネットの普及
しかし、インターネットが普及し、あらゆる情報がネットを通じて収集できるようになりました。
そのため、営業からの情報収集は以前ほどの価値を持たなくなりました。
情報量だけで言えば、顧客の方が詳しいということもあります。
インサイドセールス発祥の地はアメリカです。アメリカは日本の国土の約26倍です。
訪問1件当たりの時間やコストが、必然的に日本よりも多くなります。
営業活動の効率化を求める解の1つがインサイドセールスだったのです。
その他にもいくつかの理由があります。
サブスクリプションモデルの台頭
2013年にアドビシステムズ社が、今までパッケージ販売(買い取り方式)していたソフトウェアを、クラウド販売によるサブスクリプションモデルに切り替え、売上や継続率がアップしました。
この成功により、IT分野を中心にサブスクリプションモデルは、飲食業などにも広がりを見せる程に最近では急速に増えています。
牛角のサブスクリプションモデルには驚かれた方も多いのではないでしょうか?
サブスクリプションモデルは、購入者にとって少額の定額制により、購入のハードルを下げるメリットがありますが、ある一定期間継続しなければ、利益を上げられないケースもあります。
高額かつ高利益の製品であれば、高い営業コストが掛かっても売上が上がれば問題ないです。
しかし、導入のハードルが下がり、顧客数が増える少額のサブスクリプションモデルでは、全ての対応をフィールドセールスでは行いきれません。
営業コストが莫大に掛かってしまいます。
そこでインサイドセールスへの注目が集まりました。
営業人材の不足
少子高齢化が進む中、労働人口が減少しています。
また、営業職に対してネガティブな印象を持つ人も増えているようです。
その人手不足を解消するのにもインサイドセールスは一役を担っています。
インサイドセールスにより、フィールドセールスの労働生産性が向上します。
この詳細は、次項の「インサイドセールスのメリット、デメリット」で説明します。
このように営業部門の生産性の向上という課題の解決策にもなっています。
インサイドセールスのメリット、デメリット
ここでは、インサイドセールスを導入するメリットとデメリットについてご説明します。
物事にはメリットがあればデメリットもあります。
その両面についてお話していきます。
インサイドセールスのメリット
インサイドセールスのメリットは大きく分けてこの3つです。
- 業務分業による作業の単純化
- 営業生産性の向上
- 長期的には沢山の受注数が見込める
1.業務分業による作業の単純化
インサイドセールスを導入しておらず、営業プロセスの全てを営業部門で行っている場合、商談化からフィードバックセールスまで業務領域が広くなります。
領域が広くなるので、1つ1つの業務に力が分散され、抜けや漏れが発生します。
インサイドセールスでは、商談化までのプロセスを分業化するので、作業が単純化します。
営業に必要なスキルや知識は多岐に渡ります。
商談化、信頼構築、接客、質問、プレゼンテーション、クロージング、商品知識、クレーム処理・・・
全てを短期間で身に着けることは不可能で、長い時間と経験を経て習得していきます。
しかし、インサイドセールスであれば業務が専門化するため、Off-JT研修に対する時間もそれほど掛かりません。
社内での業務のため、OJTも容易になります。習熟するまでは近くでモニタリングもできます。
これは商談場所が顧客に依存し、商談件数が限られるフィールドセールスでは難しいことです。
また、専門化により業務を大量にこなすことができるので、習熟度も早くなります。
単純なコール活動であれば、フィールドセールスの10倍ぐらいの商談数が可能です。
このため、教育コストがフィールドセールスよりも掛かりません。
2.営業生産性の向上
インサイドセールスは、フィールドセールスと比べて大量の商談件数に対応できるというお話は前項でもしました。
フィールドセールスであれば、1日4件ぐらいが訪問件数の上限になると思います。
しかし、インサイドセールスであれば倍以上の商談件数が可能です(商談ではなく、単純なコールであれば10倍ぐらいの活動が可能)。
インサイドセールスがカバーできるのは「量」だけではありません。
フィールドセールスへの「質」の高いアポイントを獲得することも可能です。
インサイドセールスが登場する前の営業活動では、まずはアポイントを獲得して、訪問してからターゲット適合性を確認していました。
しかし、インサイドセールスの導入により、「スコアリング」の概念が生まれました。
顧客情報を獲得し、その情報により顧客にスコアを付けて、ある程度製品購入への熱が上がってきた時にアポイントを獲得するという面の営業が可能になりました。
タイミングを見つつ、コンテンツやセミナーなどで顧客育成を行いながら、より質の高いアポイントを獲得することが可能になりました。
確度の高いリードへの訪問活動に注力することで、フィールドセールスの営業効率は格段に上がります。
そして、案件化及び受注率が上がる効果も期待できます。
3.長期的には沢山の受注数が見込める
インサイドセールス導入前の営業活動では、アポイントを獲得して「まずは訪問しよう」という「足で稼ぐ」営業でした。
そして、訪問時に反応が悪いと判断すると、再びアプローチするという選択肢はほとんどありませんでした。
毎年営業予算を課せられる営業パーソンは、当然短期的に成果が上げられる「今すぐ顧客」を最優先でフォローします。
そのため、中長期的には可能性のあるリードに対してのフォローは後回しになります。
まだ顧客ニーズが醸成される前にアプローチしてタイミングを逸し、知らないうちに競合他社の製品が導入されていたということも珍しくありません。
イメージとしては「点の営業」です。
インサイドセールスでは、継続的にアプローチをすることが可能です。
まだ顧客ニーズが醸成する前のリードに対しては、中長期的な視点で顧客育成を行っていきます。
そして、顧客ニーズがある程度醸成したタイミングで商談化させます。
こうして、アプローチした時には見込みのなかった顧客に対しても、取りこぼしが無いように関係を維持していきます。
今まで受注できなかったリードをカバーできるため、中長期的に見れば受注数が増加します。
インサイドセールスを導入することで、このような「面の営業」を行えるようになります。
インサイドセールスのデメリット
次にインサイドセールスのデメリットを説明します。
- プロセス単純化によるモチベーションの維持
- 情報の分断
- 人件費や作業費(コンテンツ作成や顧客との接触など)の増加
1.プロセス単純化によるモチベーションの維持
インサイドセールスは、営業活動の中で商談化までのプロセスを抜き出したようなイメージです。
従来の営業プロセスを網羅するより、業務が専門化します。
特に単純なコール活動のように担当者が感じてしまうと、モチベーションの低下に繋がる可能性もあります。
本来、インサイドセールスはクリエイティブな業務です。
各クライアントをし、顧客ニーズの仮説を立てながら顧客の重要な情報をヒアリングし、より質の高い商談化を目指します。
もちろん、コンテンツ作成まで関わることになれば業務の幅が広がります。
各KPIの数値を分析することにより、改善ポイントを発見しやすいのもインサイドセールスの特徴です。
インサイドセールスは顧客の隠れたニーズを発見することにも繋がります。
場合によっては、製品改良や新製品の開発にも関わるような「プロダクトマーケティング」の領域にも足を踏み入れることもあります。
担当者の単純化を軽減するため、業務領域を少しずつ増やしたり、施策の裁量を与えることもモチベーション維持の1つの方法かもしれません。
2.情報共有の難しさ
業務に関わる人が増えれば、情報共有が必要になります。
インサイドセールスとフィールドセールスを分ければ、重要な情報が抜け落ちる可能性があります。
それを防ぐために各々が活動を行うたびに、DBへ顧客情報をアップデートする必要があります。
特にフィールドセールスは外出が増え、情報が多岐に渡るため、商談内容の入力が滞ることもあります。
重要情報が漏れてしまうこともあると思います。
フィールドセールスは、訪問後に、活動を継続しないと判断した場合は、本来インサイドセールスへリードを戻します。
しかし、フィールドセールスが作業を忘れ、ステータスが変わっていないケースもあります。
その結果、どちらもアプローチを掛けないうちに、気付けば他社で導入が決まっていたというケースもあり得ます。
情報共有のためにデータベースを常にアップデートをすることも重要です。
しかし、人的ミスは避けられません。
データベースに頼り過ぎずお互いがコミュニケーションを取ることも重要です。
3.コストの増加
インサイドセールスを導入するためには、最低限必要なツールがあります。
情報共有用のDBのようなツールは必須になります。小規模であればExcel管理も可能です。
しかし、多くの企業ではSFAやCRMを導入していると思います。
また、インサイドセールスを支援する様々なツールがあります。
代表的なのは、マーケティングオートメーションツールでしょう。
マーケティングオートメーションとは、リード情報を一元管理し、マーケティング活動を自動化することです。
マルケトでは、「リードとの初期接触から関係構築、営業への送客、来店、購入を含む顧客ライフサイクルをマーケティング起点で連続的に取り扱いつつ、KPIを一貫して追跡できる分析機能を通じて、ROIの改善を含めたPDCAサイクルを回せる仕組み」と定義しています。
マーケテイングオートメーションツールでは、上記のマーケティング活動を支援するツールです。
具体的には以下のような機能を持ちます。
- リードの初期接触
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードトラッキング/スコアリング
- 営業送客
- 購入後のエンゲージメント
※搭載している機能は各社異なります(マルケト参照)
上手く使うことができれば、非常に便利なツールです。
今回はマーケティングオートメーションツールについての説明がメインではないので、これ以上の説明はしません。
しかし、上手く活用できていない企業も多いと言われています。これについてはまた後日説明します。
マーケテイングオートメーションツールの他に、インサイドセールス支援ツールとして注目されているのは、オンライン商談システムでしょう。
商談とクロージングまでインサイドセールスで行ってしまおうというツールです。
これまでのインサイドセールスは、商談化までのプロセスを効率化するためのものでした。
しかし、オンライン商談システムにより、社内で商談を行えるようになりました。
インサイドセールスでのクロージングまで持っていくことも可能です。
特に営業コストを掛けられないサブスクリプションモデルの企業では、威力を発揮すると考えられます。
以前より、WEB会議システムを導入し、社内会議などで利用されている企業も多いと思います。
アメリカでは、2001年のテロ事件以降、飛行機での出張を控える企業が増え、顧客とのオンライン商談が一気に普及しました。
日本では2020年3月現在、まだまだ商談が主流だと思います。
しかし、新型コロナウィルスの影響もあり、テレワークが進み、商談やセミナーもオンライン化が進んでいます。
オンライン商談へのハードルが一気に下がる機会が到来したとも言えます。
コロナウィルス対策として、ベルフェイス社などではこの期間に無償提供しているので、一気に導入が加速する可能性もあります。
※ベルフェイス社の無償提供は2020年3月16日現在、3月5日~4月30日までのようです
導入メリットは、今までのフィールドセールスのデメリットだった移動時間や交通費などのコストを削減できることでしょう。
営業エリアが広い場合、交通費や移動時間などが膨大になります。
そのコストが削減できることはかなり有益です。
そして、交通費や時間の制約がなくなるので、御社のターゲットになりながら、今までアプローチできなかったリードへの商談も可能になります。
そのため、商談数が飛躍的に増加する可能性も秘めています。
特に契約後も打ち合わせが多いような企業では、インサイドセールス以外でも価値を持つツールになりそうです。
また、商談ではなく、オンライン商談であればアポイントのハードルが下がるという顧客もいるようです。
逆に、今はまだオンライン商談への抵抗があるという顧客もいるので、全てをインサイドセールス化するのはまだ壁がありそうです。
しかし、今後も導入は増えていくと思われます。
ツール以外にも、インサイドセールスに関わる人件費、アウトソーシングする場合にはそのコストが掛かります。
社内のインサイドセールス担当はもちろん、様々なコンテンツ作成が必要になります。
Webサイト(オフィシャルサイトやオウンドメディア)や資料作成をするために制作者の確保が必要です。
デザインやコピーライティングをアウトソーシングしている企業も多いです。
しかし、製品知識を補う必要があり、SEOのキーワードや関連キーワードの選定などを行う必要があるため、ディレクションは必須です。
インサイドセールスを導入するには、ツールの導入コストやランニングコストの他、人件費や外注費なども掛かります。
インサイドセールス業務を支援する企業も増えました。
自社にノウハウを蓄えることや、費用対効果を考えながら何をアウトソーシングするか検討する必要があります。
インサイドセールス導入前に
インサイドセールスは打ち出の小槌ではありません。
導入したからといって、すぐに成果に繋がるわけではなく、長期的な視点が必要になります。
効率的に成果を出すために、まずは導入前にやるべきことを説明します。
マーケティング戦略の構築
まずはマーケティング戦略の構築です。
具体的には以下の3点を明確にします。
- 御社のターゲットは誰か
- どのような価値を提供できるか
- どこで接触するか
非常に深いテーマなので、ここでは簡単に説明しておきます。
1.御社のターゲットは?
まずは、御社のターゲットを考えます。
顧客ニーズから発想しましょう。そのためにはペルソナマーケティングが有効です。
ここではペルソナを考えるヒントを挙げていきます。
- 御社の製品を必要とする顧客はどの部署のどのような人か
- その人が抱える課題やニーズは何か
- その人は普段どのような行動を取っているか
- 情報収集源は何か
- どのようなコンテンツに興味があるか
上記のようなことを考えていきます。
ペルソナを作るコツは、1回で完璧なものを作ろうと思わないことです。
これはペルソナに限らず、仮説構築においては全て当てはまると思います。
完璧を求めれば必ずと言って良いほど行動が止まります。
最初は粗くても良いので、活動をする中で何度も修正を加えるつもりで作りましょう。
2.どのような価値を提供できるか
次にターゲット層に対してどのような価値を提供できるか考えていきます。
ここもあくまで顧客視点で考えていくことは重要です。
人は必ず考えていくうちに自分視点になっています。
特に1人で考えていると、いつの間にか顧客視点が抜け落ち、自分が提供したいものを考えがちです。
必ず他者の視点も入れるようにした方が良いです。
そして、出来上がったものが顧客視点になっているか必ずチェックしましょう。
顧客価値に関する記事はこちら
顧客価値が何故必要なの?
3.どこで接触するか
最後にターゲット顧客とのタッチポイントを考えていきます。作成したペルソナを元に、どこで接触するかを考えていきます。
従来は、マスコミ4媒体が主で、その他に交通広告、屋外広告、折込チラシ、ダイレクトメールなどがありました。
BtoBは営業パーソンによる商談が、大部分を占めていました。
しかし、2019年についにインターネット広告費が、テレビ広告費を抜きました。
インターネット広告以外にも、ポータルサイト、自社サービスサイト、オウンドメディア、SNSなど様々なWebコンテンツが出てきました。
これにより、営業前にどれだけタッチポイントを作れるかが重要性を増しています。
タッチポイントを考えるのに使われるのがカスタマージャーニーマップです。
カスタマージャーニーマップは、ユーザーが購入に至るまでのプロセスの中で、どのような行動を取るかを可視化したものです。
これを作成することで、今までに見えなかった新たなタッチポイントを見出すことが出来たり、各プロセスでユーザーが必要とする情報を捉えることが可能になります。
マーケティングプロセス、営業プロセスの可視化
現状のマーケティングと営業のプロセスを可視化します。
また、マーケティング戦略を再構築する場合、新たにプロセスを再構築する必要があります。
- リードはどのように獲得するか
- どのように顧客ニーズを醸成していくか(Webコンテンツ、資料作成、メルマガ等)
- リードがどのような行動を取ったらどのようなアクションをするか(スコアリング、シナリオ作成)
- インサイドセールスの目的は何か(KPI設定、業務範囲)
- どの時点でフィールドセールスにリードを受け渡すか(MQL、SQLの定義)
リード獲得
インサイドセールスを行うためには、ある程度リード数が必要になります。
今までのマーケティング活動や営業活動において、既に一定数のリードを持っている企業であればスタートすることはできます。
また、活況な市場であり、御社のシェアが高ければ、御社のサービスサイトだけでも問い合わせからある程度のリード数を獲得できます。
それでもインサイドセールスを運用していくうちに必ずリードは枯渇していくので、別のリード獲得方法が必要になります。
インサイドセールスにおけるコール活動でもリード情報を取ることができますが、短期間で沢山のリードを獲得する方法もあります。
その1つが展示会です。展示会では、効率的にリード獲得をする上で有効です。
展示会の良いところは以下のような点です。
- 1回の出展で沢山のリードが獲得できる
- WEBマーケテイングでは獲得できないリードが獲得できる
- 潜在顧客に対しても直接訴求することができる
ターゲットリードを短期間で獲得したい時、展示会は今でも有効な手段です。
展示会で集客するためのアイデアについては以下の記事をご参照下さい
展示会の集客アイデアをまとめて紹介
展示会でターゲット来場者を呼び込む方法については以下の記事をご参照下さい
展示会でターゲット来場者を呼び込む方法
コンテンツ作成
ターゲットリードを獲得したら、ターゲットが必要とするコンテンツが必要です。
ここ最近では、顧客との接触を図るのに、ランディングページとリスティング広告に頼っている企業が多い状況です。
そのような状況の中で、リスティング広告を運用している企業では、以下のような課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか?
- 狙いたいキーワードのクリック単価が上がってきており、利益率が低下している
- 顕在化している層のリード獲得のみであり、問い合わせが限られている
- SEO対策は競合他社に負けている
今後、PPCはさらに高騰すると言われています。上記のような状況はもっと進んでいきます。
そこで注目を集めているのがオウンドメディアです。オウンドメディアは、情報発信するための媒体です。
狙ったキーワードで上位表示するような記事を投稿することにより、今まで以上に集客できるサイトが出来上がります。
そして、ターゲットが興味を持つコンテンツを作り続けることで、リピーターも増えていきます。
従来のWEBマーケテイング手法では、顕在顧客のみ問い合わせなどで接触することができました。
オウンドメディアでは、潜在顧客層についてもタッチポイントを作ることが出来ます。
そして、潜在顧客の課題への解決策を提示することができれば、他社よりも先にアプローチすることができます。
コンテンツは、オウンドメディアに限りません。SNSなども活用することができます。
それらを活用することによってオウンドメディアにさらなる集客を期待できます。
しかし、オウンドメディアに集客するだけでは成果に繋がりません。リード情報を獲得することが重要です。
そこで、リードを獲得する仕組みを作ることが重要です。
基本的にユーザーは、営業を受けることを嫌がります。そのため、単にリード情報の入力画面を作っても入力されません。
そこで必要になるのが、ホワイトペーパーなどの無料で提供するコンテンツです。
ポイントは、ターゲットがリード情報を出しても欲しいと思えるような情報になっていること。
特にキャッチコピーは重要です。今までのマーケティング活動の中で、人気のあるコンテンツは何か?どのようなことに興味を持っているか?
顧客ニーズを掴んだ内容が求められます。
人材確保
社内でインサイドセールス部隊を作るリソースが無い場合、採用する必要があります。
現在ではインサイドセールスのための本もいくつか販売されており、役立つWEBコンテンツも沢山存在します。
1からノウハウを勉強したり、導入支援を受けることもできます。
しかし、早期に体制を作りたいのであれば、社外から立ち上げるノウハウを持っている人材を確保する方法があります。
これにより、インサイドセールス部隊構築のスピード感が早まります。(採用した人材の能力にもよりますが)
採用が難しい場合、ノウハウを蓄え、1から構築していきます。
当初は少人数から始め、ある程度成功モデルが構築されてから増員する方が良いと思います。
リーダー(スーパーバイザー)に就任する人材も、当初はオペレーション業務を行う必要があります。
そして、ある程度体制ができてからオペレーターを入れていくとスムーズになると思います。
ちなみに、業務が近いという理由で優秀なテレフォンアポインターを採用するのはどうかという意見も出るかもしれません。
若くて勉強熱心な人材であれば別ですが、経験豊富で成功体験を積んでいる人材は向きません。
インサイドセールスはテレアポとは概念が異なります。今までのやり方を遂行しようと思えば上手くいきません。
また、コンテンツ作成できる人材が必要になります。
社内にクリエイターがいない場合、時間が掛かっても社内で作るか、一部アウトソーシングします。
社内リソースとコストの兼ね合いで検討していきます。
インサイドセールスの役割
インサイドセールスとテレアポは概念が異なると先程書きました。
もちろん、今でもインサイドセールスと呼びつつ、テレアポと変わらないオペレーションを行っている企業も多いかもしれません。
それは必ずしも間違えとは言えません。活況の市場であれば、沢山の顕在的なリードを獲得し、刈り取ることができるかもしれません。
しかし、多くの場合、強引なテレアポはリードを上手く活用できない原因になります。
そして、新規リードは増やし続けることは出来ず、いつかは頭打ちになってしまいます。
ここではインサイドセールスの基本的な考え方と役割を説明します。
インサイドセールスは、求められる成果や役割によって姿を変えます。
コール数、キーマンコンタクト数、アポイント数といった従来の量的な評価指標だけを重視すれば、役割はテレアポと変わりません。
アポイント数については、先方の承諾があればOKという緩い定義であれば、訪問後の成約率はかなり低いものになるでしょう。
従来の営業手法と変わりません。
現在は、WEBコンテンツの充実により、営業パーソンからの情報収集に価値が見出されなくなってきています。
情報収集⇒比較検討⇒意思決定
このような購入プロセスの前半部分の67%は、営業パーソンが接触前に終わっているというデータがあります。
顧客は自ら欲しい情報を獲得し、自分のことをより理解してくれる企業から購入したいと考えています。
そこで必要なのは、顧客の検討段階に合わせて必要な情報を提供することです。
これにより、顧客との関係を構築し、サイト内での行動をモニタリングすることで接触タイミングを見定めます。
接触した時には、リードをスコアリングするための情報を収集します。
そしてこのスコアが上がってきて、顧客の購入意欲が高まってきたと判断したら、フィールドセールスへリードを受け渡します。
フィールドセールスが訪問をした時には、状況を確認し、リードに関する情報を共有し、今後の改善ポイントを検討します。
フィールドセールスが営業活動を継続しないと判断すれば、インサイドセールスにリードを戻します。
これがインサイドセールスの一連の流れとなります。
その点を踏まえて考えると、インサイドセールスの役割は以下の通りと考えます。
- 顧客のリード情報の獲得(リードジェネレーション)
- 顧客との関係構築(リードナーチャリング)
- 顧客情報のリサーチ(リードクオリフィケーション)
- 営業への送客、商談化
- SQLの質のコントロール
顧客のリード情報の獲得
企業は様々な方法でリードを獲得します。展示会、プライベートショー、セミナー、WEBサイト・・・
しかし、これらの方法でターゲットに当てはまると考えられる層のリードを獲得できないこともあります。
また、新規リードは増え続けることはなく、どこかで枯渇します。
そこで、コール活動でリード情報を獲得する手法があります。(従来の営業活動でもよくある手法です)
企業の業態や従業員など、属性を設定し、作成したリストへコール活動を行います。
キーマンを特定し、メールアドレスなどの情報を獲得します。
この手法でのリード獲得は一見非効率です。いきなりの電話はお客様にも不快感を感じさせることもあります。
しかし、この方法にはメリットもあります。
- WEBマーケテイングや展示会などのイベントでは獲得できないリードを獲得ことが出来る
- ターゲットを狙うことができる
- 顧客に合わせた訴求ができる
WEBマーケテイングやイベントでリードを獲得する場合、向こうから能動的に動いてくれるので非常に効率的であり、双方にとってストレスがありません。
しかし、必ずしもターゲットであるとは限らず、ターゲットリードが能動的に動いてくれなければ接触することができません。
コール活動は、ターゲット層を予め絞り込んで、今まで獲得できていないリードを能動的に取りに行くことができます。
また、コンテンツマーケティングやイベントマーケティングでは、One to Oneマーケティングは難しく、ある程度セグメント分けした課題に対するアプローチになります。
それに対してコールでは先方に合わせて直接訴求することも可能です。
リード獲得にコール活動を加えることで、能動的に今まで獲得できなかった層に直接訴求できるのです。
コールでのリード獲得における最初のポイントは受付突破です。担当者名を特定できていない場合、なかなか取り次いで頂けません。
特に近年では、個人情報の取り扱いに対する意識が高まっていることもあり、名前の特定も難しいです。
ほとんどの企業はこれ以上進まないケースが多いのですが、改善を重ねながらやっていくうちに色々なノウハウが溜まります。
大変地道な作業で、これにより劇的に改善されるという魔法の方法はありませんが、少しの改善だけでもインサイドセールスでは重要です。
長い目で見れば、受注の可能性があるからです。かなりの活動量を要しますが、リードが枯渇する前に行うべき施策だと思います。
この活動のKPIはコンタクト率です。100件コールして30件繋いで頂けたら、コンタクト率は30%となります。
担当者に繋いで頂けたら、スクリプトの通りトークを進め、スコアリングに必要な情報を獲得します(これについては後程説明します)。
初回コールの1番の目的は、キーマン(担当者)情報を獲得することです。基本的には何かしらの資料を送付する名目でメールアドレスを獲得するのが王道でしょう。
ここでのKPIは、キーマン特定(リード情報の獲得)率です。
インサイドセールスの後工程のことを考えたら、ニーズを把握することが重要です。
企業の中でのミッションや業務内容によってニーズが変わり、興味のあるコンテンツも変わるからです。
メールアドレスを獲得できるかどうかにも影響します。
顧客との関係構築
2つ目の役割は顧客との関係構築です。必要な情報を必要なタイミングで提供しながら、顧客のWEBサイト内での行動をモニタリングし、必要なタイミング定期的にコンタクトを取りながら関係を構築していきます。
この役割を果たすためには、カスタマージャーニーマップが必要です。
「どのコンテンツを閲覧し、どのような資料をダウンロードしたら接触タイミングだ」といったシナリオを作っておきます。
もちろん最初から精度の高いものは作れません。
ペルソナ同様、カスタマージャーニーマップも仮説に過ぎませんので、適宜更新していくことが必要です。
このフェーズで関係構築し、必要な時に必要な情報を獲得できる状態になっていると後工程が楽になります。
顧客情報の獲得
3つ目の役割は、顧客情報を獲得することです。
既に市場で認知されているような製品であれば、BANT条件が有効でしょう。
Budget(予算)、Authority(決裁者)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の4つです。
この指標をSQL、もしくは商談化の条件にしている企業も多いのではないでしょうか?
BANT条件は、ファーストコールで聞けるものもあれば聞けないものもあるでしょう。
継続的に顧客と接する中で、獲得していけば良いです。ここでのKPIはヒアリング率です。
ちなみに、新規性が強く、市場に認知されていない製品の場合、BANT条件はほとんど役に立ちません。
当たり前ですが、そのような製品には予算がついていませんし、まだ認知もされていません。
想定している課題などをヒアリングし、時には多少緩くてもアポイントの打診をしていく必要があるかもしれません。
フィールドセールスへの送客、もしくは商談化
4つ目の役割は、予め決めておいたSQLと適合する場合(スコアが超えた場合)、営業担当へリードを受け渡します。
リスト化してフィールドセールスへ送る場合もあれば、アポイント獲得までをインサイドセールスで行う場合もあると思います。
これは企業ごとの役割分担によって異なるので、どちらが正しいというのはありません。
ファーストコールでも、企業によってはアポイントに繋がるケースもあります。
その場合はできるだけの情報を獲得して、フィールドセールスに共有します。
対象製品と異なるニーズの場合、その旨も伝える必要があるでしょう。ここでのKPIはアポイント率です。
訪問後は、フィールドセールスからのフィードバックを受けます。
定めているSQLの要件を満たしていたか?事前に獲得した情報とどのぐらいズレがあったか?
今後のインサイドセールスの活動における改善点を明確にしていきます。
ここまでのKPIは全て割合(○○率)で出しています。もちろん量的な測定も必要なので件数も出します。
- コンタクト数(コンタクト率)
- キーマン特定数(キーマン特定率)
- ヒアリング数(ヒアリング率)
- アポイント数(アポイント率)
なぜ割合を出しているかというと、改善ポイントが明確になるからです。
インサイドセールスの活動を続けていくと、平均値が見えてきます。
継続的にKPIを追っていくと、各活動がどのような状態であるか、またボトルネックがどの活動なのかが明らかになります。
ボトルネックが担当ごとによるものなのか、全体の傾向なのかによっても解決策が異なります。
担当ごとに異常値が発生している場合、その理由は何かを明らかにし、トレーニングしていきます。
全体の傾向であれば、そこが組織としてのボトルネックであり、改善策を見つけなければなりません。
ここで挙げたKPIが全てではありません。また、名称も使用しているKPI企業によっては異なると思います。
自社のプロセスや役割によってより良いKPIを使用して頂ければと思います。
KPI設定のコツは、業務の課題を発見し、改善に繋げられることです。
SQLの質のコントロール
最後の役割がSQLの質のコントロールです。
インサイドセールスでは、量と質どちらが大事かというテーマがあります。
量を重視した場合、成約率が下がり、非効率になります。
しかし、ナーチャリング活動がまだまだと認識し、さらに顧客育成してからと考えていると、競合他社に先のコンタクトされ、商談の主導権を握られる可能性もあります。
また、フィールドセールスは、SQLが潤沢であればより質の高いリードを求めますが、SQLが不足してくると多少緩くても商談化させたいという考えがあります。
フィールドセールスにとっても予算に届いていない場合、自ら商談を作ろうとまだナーチャリングが十分ではない企業へアプローチすることもあります。
しかし、その活動により非効率を生むこともあります。そこで、フィールドセールスの状況を加味し、SQLの定義を修正していきます。
緩め過ぎては成果に繋がりにくくなりますので、条件に応じた絶妙な修正が求められます。
まとめ
今回はインサイドセールスについて説明しました。
インサイドセールスは、展示会で獲得したリードを有効に活用する手段になります。
ここ最近では、インサイドセールスについての情報も増え、しっかり理解されている方も多いかもしれません。
インサイドセールスは、長期的な視点で営業を効率化し、受注を増やしていく手法です。
導入すればすぐに成果が上がるものではありません。
インサイドセールスで成果を上げるノウハウについてはまた改めてお伝えできればと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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