展示会はどの位の費用をかければ成果に繋がるの?

展示会の出展費用について

展示会の出展費用っていくらが妥当?

 

展示会に初めて出展される方は、全体でどの位の費用がかかるのか不安になりますよね。

何度も出展されている方でも、本当に今のお金のかけ方が正しいの?と考える時があると思います。

今回は、展示会の出展費用についてまとめます。

 

出展費用の内訳

 

まず最初に出展費用の全体像を見てみましょう。

展示会にかかる費用は、4つのカテゴリーで分けて考えると分かりやすいです。

 

  1. 場所代
  2. ブース装飾費
  3. ブース企画に関わる費用(手法によって変化する)
  4. スタッフ人件費(遠方の場合は交通費・宿泊費を含む)

 

出展社がどのように出展費用を計算しているのか、まずはイメージしてみます。

初出展のA社を例にとって、出展費用の決まり方をみていきましょう。

 

初出展のA社の費用

 

A社は、新規事業サービスの拡販目的で、展示会に出展することを決めました。

展示会運営会社の営業マンから、おすすめの場所があるというので聞いてみると、メイン通り沿いで集客が見込めそうな場所でした。

ブース小間数は3小間で、場所代は約300万円でした。

 

初めての出展なので、ブース装飾費をどの位かければよいのか分かりません。

周りの知り合いに聞くと、場所代と同じくらいの費用感で良いのでは?とアドバイスを受けました。

ブース装飾費を300万円予算をとって、コンペを実施しました。

 

300万円でコンペをすると、各々のブース業者が色々な企画を考えてきてくれました。

 

  • メイン通り沿いなので、プレゼン型のブースにしましょう
  • コンパニオンを配置すれば、たくさんの集客が見込めます
  • 動画を作成して、ブランディングを意識しましょう

 

企画書の見積り内容を見ると、ブース装飾に関わる項目は以下の内容でした。

 

  • 床面工事
  • 木工造作工事(造作に必要な資材、設営費、撤去費、運送費、廃材処分費 etc)
  • 表装工事
  • サイン工事
  • 電気照明工事
  • 回線工事
  • レンタル機材費(モニター、音響 etc)
  • レンタル備品(椅子、机、PC etc)
  • 諸経費(営業諸経費、企画図面費 etc

 

これ以外にも、ブースの企画によって様々な費用がかかることが分かりました。

プレゼンのMCやコンパニオン(衣装代も含む)動画の作成費など

展示会は、企画によって費用が変わるのだと思いました。

 

また、後々分かったのですが、ブース装飾も、木工、システムブースなど種類があって、システムブースは安いことも分かりました。

コンペの結果は、集客が見込めそうなコンパニオンを活用した企画に決まりました。

ブースデザインもかっこよくて、同じような業界の実績があったことも決め手になりました。

 

実際の展示会では、目標にしていた3000枚の名刺を獲得することができました。

展示会にかかった総額は、最初の600万円から800万円になっていました。(社内のスタッフ人件費は除く)

 

コンパニオンを活用した時のノベルティ代や、ブースにモニターを設置したり、パネルも追加しました。

 

次回出展する時は、初期の想定から費用が上乗せになるのは嫌なので、ちゃんと企画を考えて出展しようと思いました。

 

こんな感じで出展費用は決まっているのではないでしょうか?

展示会の費用は4つのカテゴリーで分かれていますと説明しました。

 

  1. 場所代
  2. ブース装飾費
  3. ブース企画に関わる費用(手法によって変化する)
  4. スタッフ人件費(遠方の場合は交通費・宿泊費を含む)

 

➀場所代は、最初に価格が分かっています。

➃の人件費は、総コストに含まれない場合が多いです。

 

大きな幅があるのは、②ブース装飾費と➂ブース企画に関わる費用です。

この部分は、企画内容によって変わることが多いです。

 

A社の条件でどんなパターンが考えれるかを紹介します。

それぞれのパターンで、費用のポイントを解説致します。

 

最小の費用で出展するとしたら

 

もし仮にA社が最小の費用で出展をするとしたら、どのような方法があるでしょうか?

イメージはこちらです。

6小間ブース最小の出展費用

こちらのブースは、3小間(リード社)でブース施工費用は100万円位です。

ブース企画に関わる費用は、呼び込みチラシの作成費だけで、10万円です。

このブースは、総額410万円となります。

 

凄くシンプルなブースですが、真ん中にある8席の商談席がかなりの確率で埋まっていました。

展示会の商談風景

先程のA社の例では800万円の費用がかかっています。

約半分の400万円の費用でも出展して有効名刺は約500枚獲得しています。

 

ブース費用をかけなくても、やり方次第で良い成果を上げることができる良い事例です。

しかし、このパターンが成果に結びつくには条件があります。

それは、現場のスタッフのスキルとモチベーションがとても大切だということ。

 

ブースに費用をかけない分、展示会の現場力が必要になります。

展示会の目的を、受注の獲得と割り切っている場合は、とてもオススメです。

 

お金がかかるプレゼン型ブース

 

逆に最もお金がかかる企画は何でしょうか?

それは、プレゼン型ブースです。

 

こちらのブースも同じ条件の3小間(リード社)です。

費用は約500万円かかっています。(先ほどのブースの5倍です)

ブース装飾に関わる部分は300万円位でした。

残りの200万円はブース企画に関わる費用にかかっています。

 

  • モニターレンタル費用
  • 音響費用
  • MCの費用
  • コンパニオン費用
  • プレゼン用のパワーポイント作成費用

 

プレゼン型ブースは、企画に関わる費用がかかります。

モニターを90インチ以上のものを使うと、音響、設営費や撤去費も併せてそれだけで80万円位します。

また、集客の不安からMCやコンパニオンを活用することも多いので、その費用が加算します。

 

因みにMCは平均60000円/1日、コンパニオンは25000円/1日が相場です。

 

プレゼン型ブースをやりたい場合は、その他費用がかかることを考慮してやりましょう。

 

動画を活用したブース

 

次は動画を活用したブースです。

イメージはこちらになります。

動画を活用したブース

このブースも今までと同じ大きさです。

ブース装飾費用は、300万円位です。

動画を流すためのモニター費用が50万円位です。

後は、動画を作成する費用が100万円位かかったので、総額450万円です。

 

動画を活用する場合の注意点は、動画を展示会の為に作る場合は、費用が高くなる点です。

動画作成費用だけで300万円ということもざらにあります。

正直申し上げると、動画による集客効果はほとんどないと考えて頂いて良いです。

 

有名人が出ていたり、TVCMで使っていれば別ですが。

動画は音がでますので、ブースが少しリッチになるくらいに考えた方が良いと思います。

既に動画を所有している場合は良いですが、新たに作成する場合は、効果は低いと考えて頂いた方が良いと思います。

動画型もポイントはモニターです。(プレゼン型ブースと同じです)

 

3つのブース装飾を紹介しました。

ブースは企画によって費用が変わることがイメージできたと思います。

では、具体的にどうすれば、最適な価格を割り出すことができるのでしょうか?

 

ブース費用の最適な価格を割り出す方法

 

もし弊社がA社の相談を受けていたら、どうやってブース費用の最適な価格を割り出すかを紹介します。

 

ステップ➀:目標数値の確認

 

最初に確認するのは、目標数値の確認です。

初出展なので、参考にするデータはありません。

今まで現場を支援してきた経験をもとに、目標数値を設定していきます。

目標数値の設定事例

弊社は、基本は呼び込みを活用します。

目標を達成するための人員の数も最初に設定します。

 

A社の場合は、今回の展示会で300枚の有効名刺を獲得して、52件の受注を獲得することを目標としました。

 

ステップ②:有効名刺獲得数から最適なブース費用を割り出す

 

上記の目標数値にある、アポイント率や受注率はサービスやビジネスモデルによって変わります。

ですが、有効名刺の数に関しては、ある程度正確な数値を割り出すことができます。

 

やり方は以下の公式になります。

 

有効名刺数 = 総来場者数 × ターゲット来場者の割合 × ターゲット来場者の集客率

 

ターゲット来場者の割合:サービスによって変化する

ターゲット来場者の集客率:ブース位置と認知度、集客方法で変わる

 

A社の場合は、この公式に当てはめて有効名刺300名が妥当だと判断しました。

因みに有効名刺とは、サービスを購入する確率がある人です。

弊社は、有効名刺の獲得単価を1件当たり22000円で設定することが多いです。

ですので、A社の場合は、ブース費用と場所代を含めて660万円が出展費用のターゲットになります。

 

ステップ➂:人件費を計算する

 

A社の場合で弊社のやり方を想定すると、呼び込み員6名、説明員5名、サポート2名の計13名の人員が必要になります。

1日の稼働時間を8時間とすると、計312時間となります。

平均年収が500万円とすると、時給換算2500円となりますので、312時間×2500円=78万円が人件費になります。

 

ステップ➃:ブース装飾にかける費用を割り出す

 

総費用の660万円のうち、場所代で300万円、人件費で78万円→80万円とすると、その他が280万円になります。

この280万円がブース費用となります。

 

ここから、ブランディングと集客方法を考えながら、280万円でできる最適な手段を考えていきます。

注意が必要なのは、モニターを設置したり、チラシやパンフレットを活用するなど、その他でかかる費用を併せて280万円で設定することです。

弊社の場合は、この時点でブースで何をするのかを決めますので、280万円より高くなることはありません。

 

ここで、ブースのコンセプトをしっかりと決めておかないと、後々に費用が上がることがあります。

この辺りは以下の記事を参考にして頂ければと思います。

 

ブースデザイン3つの注意点

以上が最適なブース費用を設定する方法となります。

最後にもう1点大事なことを話したいと思います。

 

費用対効果に影響するブースの場所

 

弊社が、展示会の出展企画からコンサルに入っていた場合の話をしたいと思います。

その場合は、ブースの小間数を2小間の場所で、良い位置があればそちらを進めます。

 

今回の目標数値である有効名刺数300枚であれば、2小間で良い位置があれば達成可能です。

それだけで、場所代100万円、ブース装飾代70万円の170万円は削減が可能です。

その170万円はWEBマーケティングやPR費用に充てるなど、他の施策で活用することも可能です。

※展示会後のフォロー活動で使っても良いです

 

展示会は小間数で総費用が変わります。

本当に最適な費用を割り出す場合は、最適な小間数にも目を向けて下さい。

 

ブース位置毎に集客方法をまとめた記事はこちら↓

展示会集客のコツを一気に紹介【まとめサイト】

まとめ

 

今回の記事は、出展費用についてまとめました。

 

この記事によって、多くの出展ブースが、正しい費用のかけ方をして頂ければ嬉しく思います。

 

無駄にお金をかけすぎているのは、以下の感情からきている場合が多いです。

 

  • 名刺獲得数を求めすぎている
  • ブースが立派でないといけないと思いすぎている
  • ブース業者の実績面だけ見ている

 

この3つの内1つでも当てはまる場合は、過剰に費用をかけている可能性があるかもしれません。

是非チェックして頂ければと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

【ウィズコロナ】リアル展示会の対応策2020年10月改定版をダウンロード

ウィズコロナの今できるリアル展示会対応策とは

前回2020年6月に作成したコロナ対策の資料を、実際のコンサル支援を元に改定致しました。
オンライン展示会の攻略法【ウェビナーの学校2021】

オンライン展示会が成果に繋がらないとお困りの方へ

オンライン展示会_ウェビナーの学校バナー

 

2021年はオンライン展示会を成果に繋げよう!ウェビナー攻略のノウハウを紹介!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です