展示会のリード獲得は何枚を目的にすると効果的なのか?

展示会のリード獲得は何枚を目標にすると良い?

目標リード獲得数を何枚にすると良いの?

 

展示会に出展する前に、殆どの方が目標リード獲得数を設定します。

「展示会 リード獲得」で検索すると、「1小間で10000枚集めた!」というタイトル。

他にも2000枚以上集めたなどの成功事例が確認できます。

 

展示会は、目標リード獲得数を何枚に設定するかによってやり方が変わります。

成果は大きく変わります。

 

今回は「目標リード獲得数を何枚にすれば良いの?」という視点で書きます。

目標設定に悩んでいる方に、是非読んでいただきたい記事です。

 

リードの価値を考える

 

いきなり質問です。

1小間で10000枚の名刺獲得をしたAブースと4小間で2000枚名刺を獲得したBブース。

どちらが成果に繋がるでしょうか?

 

1小間50万円、装飾代で1小間50万円とすると、

Aブースは100万円で10000枚の獲得なので、1枚当たりの獲得コストが100円です。

Bブースは400万円で2000枚の獲得なので、1枚当たりの獲得コストが2000円です。

※コンパニオンやスタッフ人件費、ノベルティなどは費用に含めていません

 

Aブースは20倍の成果でしょうか?

 

この問いを考えるには、「リードの価値」に目を向けないといけません。

競合調査目的の〇さんと年間100万円のサービスを購入する可能性の高い社長△さん。

 

△社長のリード価値は、受注率を50%で計算すると、100万円×50%=50万円の価値(期待値)があります。

 

〇さんは購入確率は0%なので0円と思うかもしれません。

競合に情報が流れて、それで競合の売上が上がると、自社の売上に影響がでることもあります。

そうするとマイナスの価値になることもあるかもしれません。

 

このように、リードの価値は、一定ではありません。

10000枚獲得のA社と2000枚獲得のB社。

獲得枚数=展示会の成果ではないということです。

 

では、展示会にはどのような方が多いのでしょうか?

来場者の種類とそのリード価値を算出してみたいと思います。

 

来場者別に獲得リードの価値を算出してみよう

 

まずは来場者の種類を考えてみたいと思います。

BtoBビジネスは厳密に考えるとたくさんのプレイヤーが存在します。

少し大雑把にはなりますが、種類を挙げて、その価値(期待値)を計算してみたいと思います。

 

獲得リードスコアA:決裁者

 

展示会には、製品/サービスを購入する意思決定ができる来場者がいます。

決裁者の期待値は、サービスの生涯価値(LTV)×受注率で計算できます。

今回は、LTVが100万円、受注率が20%で計算します。(20万円の期待値)

 

獲得リードスコアB:インフルエンサー

 

BtoBサービスの意思決定は、決裁者だけで行われる訳ではありません。

例えば、情報セキュリティのサービスを例にとると、社内にいる情報セキュリティに詳しい情シスの方が影響力を持つ場合があります。

その様な、影響力の強い方を「インフルエンサー」と言います。

 

インフルエンサーの場合、定量的な価値は受注率で10%と考えます。

実は、数値に表れない定性的な価値もあります。

それは、プロダクト開発に役立つ情報が手に入ることです。

 

ここでは、LTV100万円×受注率10%=10万円と期待値を設定します。

 

獲得リードスコアC:ユーザー

 

展示会にはサービスを実際に使っているユーザーの方が多く来場します。

ユーザーの方は、サービスのやり方を知りたい、新機能を知りたいなどの目的で来場します。

ユーザーの方が購入に関わっている場合もありますが、大半は情報収集だと考えて下さい。

但し、ユーザーをきっかけにインフルエンサーや決裁者へアプローチができることもあります。

 

期待値は、LTV100万円×受注率0.5%=5000円と設定します。

 

獲得リードスコアD:関係ない来場者

 

展示会には、受注には全く関係のない来場者が多くいます。

 

例えば、約6万人の来場者がいる、総務・人事・経理weekという展示会を例にとって考えてみます。

サービスが人事評価システムだとすると、総務や経理、労務の担当者は関係がありません。

 

関係のない人は集まらないだろうと思うかもしれませんが、ノベルティを配りながらコンパニオンがバーコードリーダーで名刺情報を獲得しているとかなりの数が集まります。

 

この来場者の期待値は0円です。

※この方々にインサイドセールスでコールをしている場合は、その時間分はマイナスになります。

 

獲得リードスコアE:勉強目的、市場調査目的、営業目的

 

関係のない来場者は、わざわざブースの中に入ることはありません。

スコアEの来場者は、ブースの中に入ってくることが特徴です。

 

勉強目的は、新人や学生をイメージして下さい。

 

市場調査目的は、コンサルをやっている方や経営戦略の立案をしているような方です。

見た目は決裁者に見えるので、注意が必要です。

 

営業目的は、出展者に対して売り込みをしたい営業です。

展示会という場を使った「逆営業」がこれにあたります。

 

スコアEの期待値は0円です。

説明員が本来割くべきスコアA、Bの来場者への対応時間を少なくする恐れがあるということは注意が必要です。

 

獲得リードスコアF:競合

 

最後が競合です。

期待値は0円ですが、マイナスにもなる可能性があります。

 

獲得リードの価値の一覧は以下になります。

 

スコア 属性 リード価値
A 決裁者 20万円
B インフルエンサー 10万円
C ユーザー 5000円
D 関係ない来場者 0円
E 勉強目的・市場調査・逆営業 0円
F 競合 0円

 

最初に紹介したA社とB社の獲得リード価値をこの表に従って考えてみたいと思います。

 

獲得リード数では正しい成果を測れない

 

【10000枚獲得したA社の内訳】

スコア 属性 リード価値 内訳
A 決裁者 20万円 10枚
B インフルエンサー 10万円 40枚
C ユーザー 5000円 400枚
D 関係ない来場者 0円 7000枚
E 勉強目的・市場調査・逆営業 0円 2500枚
F 競合 0円 50枚

 

 

【2000枚獲得したB社の内訳】

スコア 属性 リード価値 内訳
A 決裁者 20万円 200枚
B インフルエンサー 10万円 200枚
C ユーザー 5000円 1200枚
D 関係ない来場者 0円 200枚
E 勉強目的・市場調査・逆営業 0円 200枚
F 競合 0円 0枚

 

リード獲得数で計算した場合は、A社が20倍の評価でした。

では、リード価値で考えた場合はどうなるでしょうか?

 

A社:800万円

B社:6600万円

 

B社の方が8.25倍の評価になりました。

 

今回は受注率の設定など分かりやすいように高めに設定しました。

獲得リードの枚数よりも、リード価値の方が成果に重要なことをイメージ頂けたと思います。

 

では、獲得リードの枚数は何枚に設定するのが良いのでしょうか?

この記事の本題に迫っていきたいと思います。

 

目標獲得リード数の設定方法

 

獲得リードの目標数値は、リードの価値に着目しないと意味がないことが理解頂けたと思います。

全体のリード獲得数ではなく、スコアA、B、C(ターゲット来場者)の合計数を何枚集めるのかが重要になります。

では、どうやってその数を設定すれば良いのでしょうか?

特別に弊社が行っている設定手順を紹介します。

 

手順➀:出展展示会にターゲット来場者は何名くらいいるか

 

先程例に出した、60000人来場者がいる展示会(総務・人事・経理week)で、人事評価システムを販売しているという設定で考えてみます。

スコアA、B、Cの来場者は、50名規模以上の経営層、人事部長、採用責任者、人事担当者と設定します。

ターゲット来場者は全体の10%で6000人と設定しました。

 

手順➁:ブースの前を何割の方が通るのか?(ブース位置の優位性を考慮)

 

今回は4小間(6m×6m)だが、メイン通りではなく、サブ通りの角にブース位置がある。

メイン通りであれば、ターゲット来場者数の8割は通るが、サブ通りだと5割(3000人)が上限である。

 

手順➂:用意できる説明員の数で接客数の上限値を計算する

 

用意できる説明員の上限値は常時5名である。

来場者1人当たりの接客時間を平均15分と設定すると、1時間で4人、1日(7時間)で28人、3日間で84人が対応人数のMAX。

稼働率は最高値で80%。

5名の説明員が接客できる上限値は、84名×5名×80%=336名である

 

手順➃:集客プランと照らし合わせて実現性を検討しながら目標数値を設定する

 

ブースの目の前を通るターゲット来場者数は3000名。

弊社は呼び込みを活用するので、弊社のやり方で計算します。

 

説明員の接客上限値は336名なので、呼び込み員は最低5名は必要。

※ターゲット来場者の呼び込み平均数は3日間で70人

 

呼び込み員が獲得する名刺もあるので、目標数は、接客をした名刺300枚、総獲得名刺数500枚で設定。

 

手順⑤:費用対効果を確認する

 

サービスのLTVが100万円、受注率を5%で設定。

接客した名刺300枚×5%=15社の受注×LTV100万円=1500万円

※呼び込み員が獲得した名刺から受注になる確率は下がるので考慮に入れない

 

4小間ブースで場所代200万円、装飾費150万円、人件費などその他費用で150万円でコストは500万円。

3倍のROAS(ROI)であれば、十分に元が取れる計算となる。

 

このような手順で考えていくと、成果に繋がるリード獲得数が設定できます。

 

まとめ

 

今回はリード獲得数は何枚が正しいのか?について解説致しました。

何枚に設定すると良いかに関しては、ビジネスモデルや出展展示会によって変わります。

一概には言えませんが、上記の手順に従って設定すれば、効果に繋がる可能性が高い目標数値になります。

 

最後に、目標リード獲得数は高ければ良い訳ではありません。

実現可能性を十分に考慮する必要があります。

理由は現場の士気に関わるからです。

 

実現性の高い数値×120%くらいの目標数値がもっとも現場のモチベーションを向上させます。

目標数値が高すぎると、どうせ達成できないと諦めますし、逆に低すぎると手抜きをします。

 

なかなか奥が深いリード獲得数を、きちんと設定して展示会に望めば、必ず成果に繋がります!

実践して頂ければ幸いです。

 

最後に2020年度版集客手法をまとめました!を紹介致します。

展示会集客のコツを一気に紹介【まとめサイト】

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です