アポイントのタイミングは単純ではない
皆様の会社ではインサイドセールスは上手くいってますか?
インサイドセールスは、リードを獲得し、コンテンツ等で顧客を育成し、サイト内の行動を見ながらタイミングを見てアポイントを打診します。
当然各フェーズにより、課題が出てくると思います。
テレアポの時代では、電話をした際には必ずアポイントを打診したと思います。
WEBマーケテイングが盛んになり、顧客の情報収集はWEBサイトで行われるようになりました。
そのため、「アポイントは顧客ニーズが育成されたタイミングで打診する」と多くのWEBサイトや本で書かれています。
これは以下のような前提の上で成り立っていると思います。
- 顧客は情報収集を自ら行いたい
- 顧客は情報収集段階で営業されるのが嫌だ
- 顧客は自ら課題を明確にし、自ら解決できるものに辿り着くことができる
上記のような前提で考えると、タイミングはニーズが育成されたときの方が良い気がします。
しかし、現場ではアポイントの数をとるように指示されている場合も。
アポイントのタイミング難しいと感じるのではないでしょうか?
今回は、インサイドセールスの中でアポイントを打診するタイミングについて説明します。
インサイドセールス部門のご責任者様やご担当者様はぜひご参考になさって下さい。
アポイントは顧客が育成された直後がベスト?
インサイドセールスについて書かれた本やWEBサイトの多くは、「アポイントはWEBサイトの行動を観察しながらスコアが上がったタイミングで打診をする」と書かれています。
インサイドセールスについては以下の記事をご参照下さい。
論理的にはそうした方が良い気がします。
定義するスコアに達した時点でアプローチを掛けるべきでしょう。
しかし、スコアに達しているリードがめちゃくちゃ少なかったらどうしますか?
アポイントが0件が1か月くらい続くと、インサイドセールスって効果あるの?という声が挙がってきてもおかしくありません。
SQLのスコアを下げて、営業マンの力に任せる方向性に目的が変化することも多いのではないでしょうか?
そんな時に受注がでたりすると、やっぱり量を獲得することが大事だ!となったりします。
この問題を解決するには1つの視点が必要です。
それは、WEB上のスコアリング方法に着目することです。
最初に、MAツールでのスコアリングについて考えていきたいと思います。
MAツールで行うスコアリングの種類
MAツールでスコアリングをする場合、大きく分けると2つの要素があります。
- 企業規模や売上高、業種、役職などの属性情報
- どのページを誰が何度見た、メールを開封しクリックしたなどの行動情報
この2つの指標によってスコアリングをしています。
ここでは➀属性情報、②行動情報と呼びます。
それぞれの情報がどのスコアリングに紐づいているのか?考えていきたいと思います。
スコアリング➀:買う可能性を判定する
リードの質を見分ける時に最も知りたいことは、買う意思があるかどうかです。
購入可能性を見分ける方法としてBANT情報というフレームワークがあります。
B:予算
A:決済プロセス
N:ニーズ
T:タイミング
問い合わせフォームで回答を求められることも多いですよね。
BANTの中でもN:ニーズをスコアするトリガーとして使われるのが、下記コンテンツです。
良くあるのが、価格表、比較表、事例集、無料お試しなどです。
このコンテンツを見ている場合は、同業他社などの調査目的か購入可能性があるかのどちらかになります。
MAツールを導入している場合は、ページを閲覧する度に、スコアリングされます。
MAツールが入っていない場合でも、ダウンロードでリード情報を特定しています。
スコアリング②:ターゲット企業(キーマン)を判定する
自社がターゲットとする顧客の条件に当てはまる企業は、スコアが高くなります。
こちらも良く使われるスコアリングの手法です。
- 業種、売上高、従業員数などの企業データ
- 部署名、役職、組織図などの決済プロセスに関するデータ
- SFAに登録されている過去ヒアリングした定性情報
リードの行動情報は、顧客が行動しないととれませんが、こちらの情報はいつでも使えるのがメリットです。
MAツールのスコアリングは、この2つの判定方法の組み合わせでできています。
このスコアリング指標を使いながら、アポイントのタイミングを考えます。
アポイントのタイミングを考える
ここからは、最適なアポイントのタイミングを考えてみます。
スコアの高いリードが常に供給されている場合は、問題はありません。
スコアの高いリード数が十分でない場合に、どの程度までSQLの基準を落として良いのか?というのが課題になると思います。
※WEBページの設計が問題の場合もあると思いますが、今回はその点は問題ないと考えます
パターン➀:高スコアのリードが減ってきた場合
高スコアのリードが減っている場合は、何かしらの対策を打たなければいけません。
この場合は、段階的にスコアを下げていきます。
その時の下げ方がポイントです。
スコアを下げるときは、行動情報の指標を下げるのをオススメします。
ポイントは、営業の気持ちです。
営業は、可能性のない企業に訪問することを嫌がります。
訪問した瞬間にここからは受注が難しいと感じると不満を抱きやすいです。
ターゲット企業でなくても、比較表を見ているような場合であれば、チャンスはあるかもしれません。
しかし、行動されていなくて、さらにターゲット外の企業の場合は、ほぼノーチャンスです。
ターゲット企業で良いキーマンであれば、自力でなんとかできると感じるのが営業の思考です。
行動が少なくても、ターゲットスコアが高い場合は、多少無理アポでも問題ありません。
営業のスキルが高ければ、受注に繋がることもありますし、有益な情報を拾ってくることもあります。
パターン➁:高スコアのリードが元々少ない場合
次のパターンは、高スコアのリードが元々少ない場合です。
これは、WEB広告のやり方や集客方法にも問題がある可能性があります。
この場合も上記と同様に、ターゲットスコア(属性情報)を優先して多少無理アポでもとることをオススメします。
上記と違うのは、目的を調査に置くことです。
高スコアのリードが少ないということは、そもそもサービスが刺さっていない可能性があります。
シンプルに言えば、「刺さらない理由」を探しに行くためにアポイントをとります。
営業は、売ることに関しては得意ですが、調査に関しては不得手です。
可能であれば、マーケティング部門が同行すると良いです。
まとめ
今回は、アポイントを獲得するタイミングについて書きました。
高スコアのリードが集まっている時は、今まで通りのアポイントのタイミングで問題ありません。
逆に少なくなってきた場合は、アポイントのタイミングを早める必要があります。
但し、ターゲットスコアを落とさないことがポイントでした。
ターゲットスコアの精度を向上する上で、ABMツールがあります。
MAの知識はあるけど、ABMは何?という方は、下記の記事を参考にして頂ければと思います。
最後に、積極的にアポイントを獲得するやり方の場合は、電話でヒアリングはできません。
価値を訴求すること1本に絞り込んで、「こんな話なら聞いてみたい!」と思わせることが重要です。
※キーフレーズを考えることが重要
いきなりアポイントよりも1度資料を送付して、その後電話をし、アポイント打診した方がアポイント率は上がります。
今までのやり方を変える必要があるということを、頭の片隅に置いておいて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。