展示会後のアポイント率をあげるには?
最近はインサイドセールス部隊を自社で構築している企業も増えてきました。
展示会で集めたリード(名刺情報)に対して、電話営業をするとき、こんなことに悩みませんか?
- 見込み有と記述されたリードに電話しても反応が悪い
- コンタクト率が悪くて困っている
- 展示会の話をしても覚えていないと言われる
- アポイントを獲得したけど営業から無駄アポと言われてしまった
インサイドセールス部隊は色々なリストから電話をします。
例えば、WEBで問い合わせがあったリスト、セミナーに参加して貰ったリスト、もしかしたら白地(全く手がついていない)リストかもしれません。
様々なリストの中で、展示会のリストは効果的でないと感じている方もいるのではないでしょうか?
今回の記事では、展示会後のインサイドセールスを効率化しよう!というテーマで書きたいと思います。
展示会現場のリード獲得方法で、インサイドセールスの効果が変わる
結論から言うと、アポイント率を向上させるポイントは、「展示会現場でどうやってリードを集めているのか?」によって変わります。
WEBでの問い合わせに電話をしている方ならイメージがつきやすいと思います。
WEBマーケティングのやり方によって、リードの質は変わるはずです。
「これは繋がりそうだなあ、これは電話しても情報収集っぽい」と電話をする前から予想できます。
もちろんコールスキルは重要ですし、トークスクリプトも大切です。
しかし、そもそも全く関係のないリードに対して無理やりアポイントをとっても、営業から喜ばれることはありません。
むしろ、営業の時間を奪っていることなります。
コールスキルは、正しいターゲットリストに使ってこそ成果に結びつきます。
つまり、WEBであれば、キーワード設計やコンテンツの質、EFOなどによって、どれだけ質の良いリードを獲得できるのか?が重要になる訳です。
展示会も全く一緒で、現場(WEBならHP上)で何を行っているかによって、インサイドセールスのやり方を変えなければいけません。
展示会のリード獲得方法を3つのパターンに落とし込んで解説します。
1.とにかく名刺獲得パターン
展示会で大量に名刺獲得する方法第1位は、コンパニオンがノベルティをフックにバーコードリーダーでリードを獲得する方法です。
このパターンで名刺獲得をしているブースは、かなりの数の名刺情報を獲得します。
多い所で、1回の展示会で10000枚を超える名刺獲得をするブースもあります。
仮に2000枚の名刺が集まったとします。そして、その情報がインサイドセールス部隊に回ってきたらどうしますか?
ここで、2000件全部コールする場合は、結構大きなインサイドセールス部隊を持っている企業です。
5名以内でインサイドセールスを構築している部隊なら、何らかの優先順位を決めてコールすると思います。
優先順位の決め方は以下のパターンが考えられます。
- 部署や役職で分けて、優先順位の高そうな所からコールする
- お礼メールを打って、開封または反応があったリードからコールする
どちらにしろ、優先順位をつけてからコールをしだすのですが、この手法で名刺獲得をしていた場合はほぼ共通の課題があります。
自社のことを覚えていない
展示会でどうして名刺交換をしたのか、来場者は殆ど覚えていません。
何故なら、来場者の視点で考えるとコンパニオンに頼まれて、ノベルティと交換するからしょうがなくバーコードを読ませただけだからです。
どのような結果になるかというと、まず、コンタクト率が悪くなります。代表電話からかける場合は、相手が居留守を使う確率がぐーんと上がります。
さらに、コンタクトしても、全く興味がない場合が多いです。
いくら良いトークスクリプトとコールスキルがあったとしても、全く興味のない人に対してアポイントを取っても受注に繋がる確率は低くなります。
さらに、バーコードリーダーで集めた名刺情報が手元に来るまでに、約2週間のタイムラグがあります。
手元に来て色々用意していると、コールを始めるのは3週間後になります。
来場者が貴社のことを覚えている確率は、どんどん下がっていく訳です。
以上のように、とにかく名刺を集める手法を展示会現場で行っている場合は、インサイドセールスとは相性が悪いです。
とにかく名刺を集める方法で効果があるとすれば、コンテンツマーケティングやセミナーなどのナーチャリング施策がしっかりしていて、WEBである程度完結する(無料オファーができる)サービスの場合でしょう。
ディスプレイ広告をかけるのか、展示会で集客するのかで比べて、展示会の方がターゲットが多そうだったら良いかもしれません。
とにかく名刺を集めている手法は、インサイドセールスとは相性が良くないので気をつけましょう。
2.アンケート実施パターン
とにかく名刺を集めているパターンに限界を感じ出すと、アンケートを実施することで、リードの質をあげようと試みます。
アンケートを実施している場合は、アンケートの情報をもとにコールができます。
また、名刺を交換していることが多いので、2週間のタイムラグがなく、すぐにコールできます。
先程よりかなり成果が出そうです。
このパターンは、アンケートを記入してもらっているリードからコールを始めます。
アンケートに答えて貰っているので、来場者は自社のことを記憶しています。
展示会後すぐに電話をかければ、コンタクト率は高くなります。
しかし、実際にはアンケートが全然機能していないことが多く、コンタクトはするのだけど、興味を持って貰えてないことが多いです。
「アンケートの内容を見るといかにも興味ありそうなのにどうしてなんだろう?」
これは、アンケートの取り方に問題があります。
展示会でアンケートを取っている場合は2種類に分かれます。
- 製品説明をしてアンケートの記入をお願いする(来場者が記入)
- 相手の課題感などをヒアリングしてアンケートをとる(営業が記入)
殆どの場合が、来場者が記入することが多いです。
この場合、来場者は、製品を買いたいと思っている訳ではなく、情報収集で来ていることが多くなります。
つまり、”製品の内容を聞いて、買う気はないけどアンケートをお願いされたから書いた”という来場者が増えるということです。
この場合、インサイドセールスでコールをしても、「情報収集でブースに行っただけなので」とアポイントを断られてしまいます。
逆に、アンケートを営業が記入する場合もあります。
この場合、接客がプレゼンタイプではなく、質問タイプになるはずです。
営業が記入をするということは、質問をしなければ無理です。
質問型にすれば、「今課題を感じていること」や「取り組みたいあるべき姿」をヒアリングすることができます。
その様な内容が書かれたアンケート(ヒアリングシート)であれば、インサイドセールスにとって話すネタもできます。
コンタクト率、アポイント率ともに最も高くなるやり方です。
ここまで、インサイドセールスのアポイント率を向上させるために、展示会現場でやるべきことについて書きました。
それぞれのパターンのKPIのイメージは以下になります。
自社の数値と比較してみて下さい。
パターン | コンタクト率 | アポイント率/コンタクト率 | アポイント率 |
➀とにかく名刺を集めている | 20% | 3% | 0.6% |
➁プレゼン型アンケート(来場者記入) | 40% | 20% | 8% |
➂質問型アンケート(営業記入) | 60% | 50% | 30% |
アンケートの設計に関してはこちらを参照ください。
本当に大切なのはスコアリング
ここからさらに1段階掘り下げて、インサイドセールを効率化するために、展示会現場でできることを考えてみます。
今から示すのは弊社が実際に支援をした企業の実績数値です。
スコアリング基準 | 獲得社数 | アポイント数 | |
A+ | 決裁に関係している方で顕在ニーズ | 95 | 35 |
A | 決済に関係しているが潜在ニーズ | 274 | 23 |
B+ | 決済に関係ない勉強目的だが顕在ニーズ | 11 | 2 |
B | 決済に関係ない勉強目的で潜在ニーズ | 133 | 7 |
C | 代理店候補 | 90 | 3 |
D | その他(調査目的など) | 77 |
弊社が支援をした場合は、展示会場で獲得をした名刺情報をその場でスコアリングしています。
そして、スコアリングごとに展示会終了後どのようなアクションをするのか明確にしています。
因みに、A+95社のうち、35社がアポイントになっていますが、そのうち30社はメールのみでアポイントになっています。
これは、展示会場ですでにアポイントの打診をしているからです。
ここで注目したいのは、A+のアポイント率です。35.8%となります。
そしてそこから実際に案件化したのが21件。60%の確率で案件化しています。
因みに、この数字は、展示会後1か月時点での数字です。
A+に関しては、その日中にメールを配信して、返信がない場合は週明けには電話しています。
展示会で集めたリードは私の経験では、1か月以内にかたをつける必要があると考えています。
そのためには、優先順位が非常に重要になります。
現場でスコアリングをし、ランクごとにネクストアクションを決めて、展示会後にはなるべく早くアクションするのが大事だと考えています。
スコアリングは、本当に効果の高い手法です。是非行って頂ければと思います。
良いトークスクリプトとは?
展示会後のコールで良いトークスクリプトはありませんか?という質問を良く受けます。
コンタクト率、アポイント率を上げるという視点で解説致します。
コンタクト率をあげる
コンタクト率を上げる方法は以下になります。
- 代表電話ではなく直通電話にかける
- 受付突破は展示会でお会いした主旨の説明をする
- メールを先に送って電話をする
アポイント率を上げる
アポイント率を上げる方法は、アンケート(ヒアリングシート)を活用することが一番です。
最も良いのは、展示会の現場でアポイント打診のためのオファーを行っておくこと。
例えば、「今日話した内容で、御社と似た業界で同じ規模の事例があります。後日資料にまとめてお持ちしたいのですが宜しいでしょうか?」といったオファーを展示会場で行っておきます。
ここで許諾がとれていればかなりの確率でアポイントになるはずです。
オファーは、セミナーなど色々なパターンが考えられます。
展示会前に、インサイドセールスのことも考えてオファーを考えておくことが重要です。
ヒアリングシートについては以下の記事を参考にして下さい。
まとめ
今回は、展示会後のインサイドセールスの効果を高める方法について書きました。
インサイドセールスの効果を上げるためには、展示会現場で何をするのかが大切です。
インサイドセールス部隊のスキルアップはもちろんですが、展示会の運営のやり方を変えることの方が、ずっと簡単に成果に繋がる可能性があります。
参考にして頂ければと思います。
また、私の提案としては、インサイドセールス部隊が展示会で接客をすることをお勧めします。
営業のスキル向上に繋がりますし、やはり現場で顧客と触れる経験はとても良いものです。
インサイドセールスと営業はコンフリクトが起きやすいので、その改善にも繋がる良い手だと考えます。
インサイドセールスはBtoBマーケティングにおいて一つのトレンドだと感じております。
今回の記事が何かのお役に立てば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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