ウェビナーの本当の価値を考える
第3回EventMarketingカンファレンスを10月6日(火)15:00より開催致しました。
第1部はVR空間でプレゼン大会を、第2部では新しいウェビナーの形を考えるというテーマで行いました。
今ウェビナー環境は一時のようにやれば人が集まるという状況ではなくなりました。
そのような中でも、しっかりと集客をし続けている企業もあります。
今回参加して頂いた企業は今の時期でもしっかりと集客をされています。
その秘訣は何なのか?どのような工夫をされているのか?
この謎を紐解くのが今回のウェビナーの目的でした。
実際に大変学びが多く、気づきがあるイベントとなりました。
このレポートを通して、皆様のウェビナー運用にお役に立てれば幸いです。
ウェビナーの情報はこちら↓
https://salescollege.info/event3.html
最初に、ウェビナーの模様を紹介します!
第1部 VR空間でプレゼン大会
写真のようにSynamon株式会社の協力のもと、VR空間でプレゼン大会をしました。
プレゼンテーターが10分話して、審査員とファシリテーターで質問をするという流れで行いました。
共催セミナーで集客をし続けているPLAN-Bの渡辺さん、週4本のウェビナーをやり続けているカイロスマーケティングの轟さん、今の状況でもウェビナーで集客ができているSynamonの前田さんにプレゼンをして頂きました。
ウェビナーの今の課題を解決している3社のプレゼンは、非常に興味深い内容でした。
第2部 新しいウェビナーの形を考える
第2部はディスカッション形式で行いました。
第1部はどちらかというと、各企業が行うウェビナーで成果を出す方法がテーマでした。
第2部では、「Boxil Expo」を運用しているスマートキャンプの高橋さんと、オンライン展示会に関わっているアペルザの下宮さん、そして、VRで展示会を考えているSynamonの前田さんと一緒に、比較的大規模なウェビナーをするときに必要なことを話しました。
5000人以上を集めて行うウェビナーは、企業単位で行うウェビナーとは目的も手法も違います。
その辺りのヒントに繋がる話を色々と聞けました。
イベントを通して、ウェビナーを考える2つポイントがあったと思います。
- ウェビナーの集客について
- ウェビナーの目的について
この2つのポイントから、今後のウェビナーはどうなるのかをレポートします。
ウェビナーの集客について
事前の視聴者の質問にもありましたが、ウェビナーの参加者数は4月5月に比べると減っていると感じている方も多いのではないでしょうか?
その中でも成果を出しているPLAN-Bとカイロスマーケティングには共通点があります。
それは、2社ともコンテンツマーケティングを行っていて、新しいリードを獲得しているという事実です。
因みにPLAN-Bの資料DL数の推移は以下になります。
9月は600を超える新規リード獲得があります。
コンテンツマーケティングを行っているか、いないかに関わらず、ウェビナー集客には直近で何かしらアクションがあったリードが重要だというデータも示してもらいました。
ウェビナーに参加している方は、直近3~4か月以内に獲得している新規リードで7割以上という事実です。
実際に弊社が行っているEventMarketingカンファレンスでは、計3回の合計で72%の方が直近4か月以内でアクションがあるリードでした。
※その他は、広告経由、既存顧客で、昔獲得したリードでアクションがないリードは殆ど参加されていません
これは考えてみれば当たり前のことかもしれません。
しかし、今からウェビナーを始める方には注意が必要です。
仮に今ハウスリードが30,000件あったとしても、直近4か月以内にアクションがあるリードが1,000件であれば、ウェビナーの集客は苦戦する可能性が高いということです。
ウェビナーの集客には、常に顧客と接点を持っているかが1つのポイントになることは大きな気づきでした。
コンテンツマーケティングだけでなく、SNSやメルマガ、広告/PRなどを通じてどのように顧客と接点を持ち続けるかは重要なテーマになると感じました。
集客についてはもう1点気づきがありました。
それは、2部の高橋さんの話にヒントがありました。
Boxil Expoは1回目が5100名、2回目が6800名と集客をしています。
2回目は9月だったので、各企業がウェビナー集客に苦労している中でも集客数を増加させています。
高橋さんは、「カンファレンスと展示会は区別した方が良い」と仰っていました。
カンファレンスとは、基調講演がメインになります。
展示会は、各企業の製品プレゼンがメインのウェビナーだと説明されていました。
私は、Boxilというメディアの会員(8万人以上)が集客元だと思っていましたが、そこからの集客ではなく新規のリードを広告で集めることがBoxil Expoの目的ということでした。
ここで気づいたことは、広告においては、基調講演に出てくるような有名企業、有名な方が集客には強いという事実です。
これも当たり前のことです。
しかし、各企業がウェビナーを行う場合は注意が必要になります。
それは、広告の効き目は落ちているということです。
著名人を集めるのは、大型カンファレンスが強みを発揮しやすいポジションです。
カンファレンス系が広告でどんどん集客をしている中で、各企業が行うウェビナーは格負けしやすい状況になります。
いくら良いキャッチコピーで、めちゃくちゃ面白いコンテンツだったとしても。
以上2点が、今回のイベントで気づいた今のウェビナー集客減の要因です。
- 直近4か月以内で接点のないリードが多い場合は、集客に苦戦する
- 広告で集客するのはカンファレンス系に埋もれて効果の効き目が落ちている
もちろん視聴者のオンライン疲れが原因の一つではあると思います。
しかし、コロナ禍で今までウェビナーに参加していない人が参加するようになっているので、絶対数は増えているはず。
上記の2つの要因を自社に当てはめてみると、今の状況で何をすべきか見えてくると感じました。
次にウェビナーの目的について書きます。
ウェビナーの目的について
ウェビナーの目的については、カイロスマーケティングの轟さんが紹介していた「顧客獲得型」「リード獲得型」にわける考え方が分かりやすかったです。
その中で示されていたのが、”ウェビナーはすぐに商談に繋がらない”という事実でした。
ウェビナーは成果に繋がりにくいという声をよく聞きます。
今世の中で行われているウェビナーの8割は、リード獲得型です。
実際に弊社のEventMarketingカンファレンスもリード獲得型になります。
轟さんの仰るデータにあてはめると、100名集まって商談になるのは2~3名となります。
これだと、成果に繋がりにくいと考えるのは当然かもしれません。
では、リード獲得型ではなく顧客獲得型のウェビナーをやるぞ!という話になったとします。
すると、今度は全然人が集まらない・・
100名以上の集客をしていた企業からすると、10名だとめちゃくちゃ少ないと感じるでしょう。
轟さんは「顧客獲得型ウェビナーは最低何人くらい集まると良い?」という質問に4名と答えました。
理由は、4名の方と1対1で商談をするより効率的だから。
なるほど!と思いました。
Synamonの前田さんもクローズな体験型ウェビナーを実施して、集客数が少なくても案件には繋がったと話をされていました。
おそらく、我々はコロナ禍でウェビナーに過度な期待を持ちすぎてしまったのだと認識しました。
今からは、リード獲得型と顧客獲得型でしっかり目的を分けて、集客数に踊らされないマーケティング活動が必要になると学びました。
そして、5,000名以上が集まる大型のウェビナーも目的の話題になりました。
質か量か。
高橋さんは、経営層からは量を求められているけど、次回(12月)は質を求めたいと話されました。
分野を絞って(バーティカルに)出展社と視聴者の意図の乖離を少なくしたい。
その方が成果に繋がって、出展社の満足度も上がると考えているとのことでした。
私は、リード獲得型ウェビナーを自社でやって効果が出ない企業は、新規リード獲得を目的にオンライン展示会に出展する傾向は高まると予測しています。
その場合、出展社は量も求めるのでは?という仮説がありました。
この辺りの話は、解は分からないですが、今後の展開が楽しみだと感じました。
VRについて
最後に今回チャレンジで行ったVRについて触れてみたいと思います。
VRが視聴者にとってどのように感じられたのか?については意見が様々でした。
- 改良の余地はありそうだけど、可能性を感じた
- ここまでは必要ないと思った
- 視聴者もVR空間に入った方が面白そう
実際に体験した側からの意見をお話させて頂くと、臨場感はすごいです。
別の空間にいる人とも側にいる感覚で話ができます。
同時でしゃべっても違和感がないのはZoomではできない価値だと感じました。
VR空間に視聴者もいて、その方が自由に参加ができるようなイベントができると面白いと感じました。
今後のSynamonの活躍には目が離せないです!
まとめ
今回は、第3回EventMarketingカンファレンスで感じたことをまとめました。
レポートというよりか、イベントを通じて感じた気づきを書かせて頂きました。
テーマをウェビナーに絞って行ったことで、かなり気づきが多く、私にとってとても良い学びの機会になりました。
視聴者の方にもそう感じて頂いたのであれば嬉しいです。
私が感じたことをまとめます。
- コロナ禍でウェビナーは過度に期待感が高まり失望の声も聞こえるが、元に戻っただけである
- 視聴者のオンライン疲れはあるが、それをコントロールすることはできない
- ウェビナー集客で大事なリードは、総数ではなく直近4か月以内にアクションがあったリード数
- 広告で集客を考えている場合は、基調講演型のウェビナー運用が必要
- 今からもっとチャレンジすべきは「顧客獲得型」ウェビナー
- 集客数が少なくても商談の効率化と考えればメリットは大きい
- 大型カンファレンスは今後のカギ。カンファレンス型、展示会型を見分ける必要がある
- 質か量かの議論よりも、それをどうやって両立させていくのかが未来のウェビナーの形だと考える
- そのためには、色んな人が集まって知恵を絞っていく必要がある。展示会にもイノベーションが起きるかも
最後まで読んで頂きありがとうございました!