オンライン展示会のプラットフォームはどのように選べば良い?
コロナの影響で、昨年の3月頃からリアルイベントの中止が相次ぎ、ウェビナーやオンライン展示会などが一気に増加したのはご存知の通り。
そのため、オンラインイベントのプラットフォームが一気に増え、どのツールを使って良いかわからないという声がありました。
また、オンライン展示会が増えていく中で、ウェビナーには来場者が集まるものの、出展社ブースへなかなか人が集まらないというような課題も見えてきました。
そこで今回は、オンラインイベントのプラットフォーム「eventos」の開発元であるbravesoft株式会社の岡様と後藤様のお二方にオンラインイベントの基礎知識や、上記の課題を解決する方法のヒントを教えて頂きました。
これからウェビナーやオンライン展示会の開催などをご検討されている方、既に主催しているものの、出展ブースに人がなかなか集まらないという課題をお持ちの方はぜひご参考にして頂ければと思います。
目次
インタビューにご協力いただいたお二方のご紹介
オンライン展示会のプラットフォームとはどのようなものが存在するのか?
本日は宜しくお願い致します。まずはオンラインプラットフォームの全体像を教えて頂けますか?
カオスマップを作ったのですが、共有しましょうか?
※カオスマップをご要望であれば、以下のURLよりbravesoft株式会社様へお問い合わせ下さい。
ありがとうございます!
カオスマップを説明する前に、「eventech」という言葉について説明させてください!「テクノロジーの力でイベントをもっと良くしていきたい」という思いが込められた造語であり、弊社で商標登録しました。「eventech」のマーケットを作りたいという思いがあり、この造語を自社で独占するつもりはなく、逆に皆様に使って欲しいと考えています。
素晴らしい志で共感します
ありがとうございます。お付き合いが長いイベントマーケティングさんから、カオスマップを作りたいというお話がありました。そこで、弊社が全面的に協力して出来上がったのがこのカオスマップです。
イベントマーケティングさんと御社の思いが込められたマップですね。それでは簡単にご説明お願い致します
「カンファレンス/セミナー」「展示会」「ワークショップ」「商談」「ネットワーキング/懇親会」の5つに分けています。
①「カンファレンス/セミナー」では、主に企業様がリード獲得やリードナーチャリングの手段として利用されています。いわゆるウェビナー中心のイベントです。こちらにはウェビナー用のツールが入ります。
②「展示会」は、展示会主催社が開催するオンライン版の展示会を行うプラットフォームです。大抵はウェビナーと出展ブースで構成されています。
③「ワークショップ」は、1:nやn:nでインタラクティブなワークショップができるツールです。
④「商談」は、オンラインミーティングや商談に特化したツールがこのカテゴリーに入ります。
⑤「ネットワーキング/懇親会」は、バーチャル空間の中にテーブルが置いてあって、アバターで移動して、懇親会などの参加者通しの交流を行えるツールです。
これ以上細かく分類することもできますが、作成したカオスマップはこの5つで分けました。
非常にわかりやすい分類ですね。その中で御社が開発した「eventos」はどのカテゴリーで使われますか?
①カンファレンス/セミナー、②展示会、④商談です。
「eventos」も全てに対応しているわけではなく、目的によってツールを選ぶ必要があります。
展示会は分野によっても活用用途は違うと思いますが、「eventos」はどのようなシーンで活用されますか?
オンラインの展示会では、主に2つに分けられます。
1つがバーチャルブースが用意され、製品を見せることを目的とした展示会です。例えば素材のように、質感や肌感など立体を感じないとわからないもので利用されることが多いです。
もう1つがウェビナー(プレゼンテーション)中心で、付随して展示ブースがある展示会です。「eventos」はこちらの領域で活用されています。
主に展示会におけるプラットフォームを採用する上で、ポイントになっているところはどこだとお考えですか?
お客様への対応だと思います。現状、オンラインイベントは、未知の生物に触れるような思いでやられる企業様が多数です。弊社は、「丁寧に教えてくれる」「何か起きた時にしっかり対応してくれる」というご意見を多数いただいています。そのような点がお客様の安心感につながり、受注理由になっていると思います。
またオンラインイベントを模索している段階であり、主催社と一緒に伴走していくフェーズだと考えています。
現在のオンライン展示会の課題とは?
現在、主催社は多くの来場者様を基調講演で集めていると思います。来場者もそれを視聴する目的で見ている方が多いイメージです
仰る通りだと思います。現在、ほとんどのイベントは基調講演が集客の軸になっています。
その結果、人も集まり、来場者の満足度が高いのですが、出展ブースには人が集まらないということが起こっているように思います
多くの企業展示会で同様の課題が起こっていると思います。弊社はあくまでプラットフォーム提供者です。弊社だけで全てを解決できるわけではありません。主催社、出展社、来場者全ての参加者で解決していく必要があります。
その中でも今回は、「ブースへ人が集まらない」「オンライン展示会で獲得したリードから成果が上がらない」といった課題を解決している事例をご案内させて頂きます。介護業界で日本最大級の展示会「CareTEX」を運営するブティックス株式会社様です。
今まではリアルの展示会のみを全国で開催しており、コロナ禍の2020年7月にオンライン展示会「CareTEX365ONLINE」をリリースされました。そのプラットフォームとして、弊社の「eventos」を採用して頂きました。
弊社のWEBサイトでインタビュー記事を掲載しておりますので、そちらもぜひご覧頂きたいです。
eventosによるオンライン展示会で”新たなビジネスマッチング”を創出 〜ブティックス社様インタビュー〜
既に成功事例があるんですね!ぜひ詳しく教えて頂けますか?
ポイントは、365日開催とマッチングの質の追求です。「CareTEX365ONLINE」は365日開催しています。展示会のオンライン化によってリアルの展示会をやめてしまうという主催社様も多いのですが、オンライン展示会をリリースした後も、リアル展示会もできる限り続けていました。
リアル展示会でもオンラインにはない価値があると考えていたからです。オンラインを活用しながら、リアルの価値を高めていくことをコンセプトにされています。
なるほど!オンラインとリアル展示会の違いはどのような点ですか?
例えば、質感や肌触りを確かめたいような展示物であれば、リアルので実際に見てもらったり、触ってもらいながら説明した方が伝わりやすいと思います。逆に、例えばIT製品などではオンラインだけでも価値を伝えることが可能です。
商材によって、オンラインでも価値が伝わりやすいものと伝わりにくいものがあるということですね。他には何か違いはありますか?
リアル展示会では、物理的に場所代などの費用が掛かるので、出展料などで主催社は採算を取る必要があります。オンラインでももちろんコストは掛かりますが、リアル展示会と比べるとコストはかなり抑えることが出来ます。そして、場所の制約が無いので、365日開催し続けるということも可能になります。
なるほど!ポイントの1つである365日開催のメリットを教えて下さい
展示会の会期中に出展企業を増やしていくことが可能になる点です。リアル展示会では、当然ですが会期が始まる前に営業活動を終えなければなりません。商談などで契約にならない場合、出展して頂くチャンスは次回以降になります。365日開催にすると、会期中でも出展候補企業を育成するというフェーズを作ることができます。実際に「CareTEX365ONLINE」では、出展企業が増え続けています。
確かに状況に応じて出展することが可能になりますね。しかし、365日開催になると出展費用がかなり掛かるんじゃないですか?
「CareTEX365ONLINE」では、出展料を無料にして、リード提供やログ提供を有料化しています。1小間でも200万円掛かるとなると、興味を持っていた出展候補企業も出展をやめてしまうところが多いです。しかし、無料で出展でき、リードが獲得できたり、アポが獲得できるのであればとりあえずやってみようという話になります。
成果報酬型で提供されているんですね。出展のハードルが一気に下がりますね。2つ目のポイント「マッチングの追求」についてもご説明お願いします
展示会をオンライン化し、プラットフォーマーの視聴ログやチャット、オンラインミーティングなどの機能を使うことにより、便利で効率的になりました。しかし、これは例え話ですが、それを見ているのは犬かもしれない(笑)そして、チャットやオンラインミーティングでは逆営業ばかりというようなことが起こります。
オンラインでは特にマッチングサポート、いわゆるコンシェルジェ機能が必要です。「CareTEX365ONLINE」ではマッチングサポートを行っています。
具体的にどのようなサポートを行っているんですか?
登録者が来場(ログイン)した際に、主催社より来場者の登録情報を見ながら連絡しています。来場者の情報が入ってきたタイミングでは、当然何を買いたいという情報が多いわけではありません。そこで、潜在的な課題も含めてヒアリングし、マッチングを提案しています。
来場者が何度もログインし、ブースを回遊するほどログが溜まります。それにより仮説の精度が高くなり、マッチングの精度も比例して高まります。
それはオンラインならではの価値ですね
オンラインだからこそ、各来場者にどのような課題があり、どのような製品を提案すれば良いかというパターンを作ることができると思うんです。ファーストタッチのタイミングでどれだけ質の高い情報が入ってくるか。また、質が高くない情報が混在する中で、何が質が高い情報なのかを見極めるために、オンラインイベントは上手く活用できると思います。
eventosが実現したいオンライン展示会の未来とは
御社はオンライン展示会のどのような課題に対してアプローチしているんですか
イベントで獲得したリードは一度に大量に入ってきます。しかし、それゆえに宝を見極められず、そのままリード情報が使われないということが起きています。これはオンラインでも同様の課題があります。「しっかりリード情報を可視化していきたい」という企業様が多いので、弊社もリード情報を可視化する支援をしたいと考えています。私は「イベントマーケティングオートメーション」という言葉を造って、啓蒙しています(笑)
オンラインイベント主催を検討されている方々に対して伝えたいことはありますか?
私達とイベントの価値を証明しましょう!
イベントの価値ってすごいと思っています。多くの出展社がリードを沢山集めただけで終わっていたとしても、毎年当たり前のように出展されるじゃないですか。獲得したリード情報を可視化できていないだけで、凄いパワーを持っているはずなんです。出展社がリード情報を可視化できた時に初めて、イベントの価値というものが具体的に見え、どういう人たちがどういうイベントに出展するべきなのかがはっきりすると考えています。
イベントの価値を証明したいとか、イベントを可視化しようということを伝えたいですね。そうなってくると自ずと我々の価値が伝わっていくと考えています。
オンラインイベントのプラットフォームだけではなく、オンラインイベントの成功のポイントも教えて頂きました。本日はありがとうございました。
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