展示会の来場者数が減っている中でブース装飾に悩んでいます
2021年後半はコロナの影響が収まってきてリアル展示会の集客が戻ってきました。
しかし、オミクロン株の脅威により2022年は不透明な状況に…
私の周りでは以下の話が増えています。
- 来場者数が減っている中でリアル展示会は効果あるの?
- 費用を削って出展しても効果出せるのかな?
- 今の時期に効果的なブース装飾って何?
既に展示会出展が決定している方にとっては、「ブース装飾をどうすべきか?」が緊急度の高い悩みです。
今までと同じようなブースで良いのでしょうか?
変えるとすれば何が大切なのでしょうか?
来場者数が減っている中で効果を発揮するブースコンセプトを紹介致します。
展示会来場者数はどのくらい減るの?
まず最初にこの問いから考えてみます。
来場者数はざっくりコロナ前の2割〜3割で計算すると良いです。
5万人集まっていた展示会であれば、10,000〜15,000人だと考えます。
実際にはもう少し来場されていますが、来場者の中には出展企業の関係者がいるので上記の計算をしています。
BtoCの展示会のように来場者すべてがターゲットとなる場合であれば、来場者数減の影響は大きいです。
弊社が支援しているBtoBの展示会の場合は、来場者数だけでは成果が測れないので注意が必要です。
コロナ禍で来場者の質が上がっているという話をよく耳にすると思いますが、弊社では関係ない来場者が減っていると捉えています。
※コロナ禍になっていきなり購買意欲が高まることは考えにくい
上記のグラフにある新人の勉強目的を例に考えてみます。
展示会には、大企業の新人が勉強目的で来場しているケースがあります。
※実際にあった話で、獲得した2000枚の名刺のうち半数以上の1200枚が勉強目的の名刺だったこともあります。
勉強目的の方がコロナ禍で来場するでしょうか?
企業はリスクを冒して今展示会に行くことを薦めないでしょう。
同様に以下の直接受注に関係のない来場者は、展示会に足を運びません。
- 勉強目的
- 市場トレンド調査目的
- 売り込み目的
- 競合調査目的
よって、展示会の来場者は購入目的や情報収集目的の割合が増えます。
まとめると、来場者数は2〜3割になりますが、関係のない来場者が減っているので、購入目的や情報集目的の方はコロナ前の50%くらいのイメージです。
※購入目的の方に限定すると20~30%減
コロナ禍の来場者傾向を元に今求められるブースコンセプトを考えます。
展示会の出展目的はコロナの影響で変化したのか?
ブースコンセプトを考える上で重要なのが「展示会の出展目的」です。
今まで展示会の評価に使われている指標として最も多かったのが「名刺獲得数」です。
来場者が減っているので名刺獲得数も減ると考えるでしょう。
「コロナ禍で出展しても効果があるのか?」と社長や上司に言われて、名刺獲得数減を理由に費用対効果がでないと判断される話をよく聞きます。
コロナ禍では、名刺獲得数+αで新しい指標が必要だと考えます。
展示会での獲得名刺は上図で分類できます。
名刺の総獲得数も大切ではありますが、重要度の高さで言うと「新規で獲得した有効名刺」が1番です。
※今まで持っている既存名刺で有効なものは展示会以外でもアプローチできるので優先順位は2番目
今まで「名刺獲得数」を目的にしていた出展社が、2022年は「新規で獲得した有効名刺」を目的にすると推測しています。
展示会目的とブースコンセプトの変化
名刺獲得数を目的にした場合、どのようなブースコンセプトを考えるでしょうか?
- ブース前の交通量が多いメイン動線沿いの場所を確保する(小間数が多くなる)
- コンパニオンとノベルティを使ってバーコードリーダーで名刺情報を獲得する
- プレゼン(大きなモニター)や見た目でインパクトのある製品を置き、来場者の注意を引く
来場者数が2〜3割になると上記に掲げた方法を駆使しても名刺獲得数は減ります。
今まで2000枚獲得していくたブースだとおそらく半分の1000枚位になります。
費用対効果を考えると、ブースを半分にしてコストを抑えることも考慮しなくてはいけません。
小間数を減らすと場所が悪くなります。
ブース装飾やコンパニオンにかける費用を落とすと、集客数は減ります。
とにかく名刺を集めるという考え方をコロナ禍では変えないといけません。
ここで重要になってくるのが、「有効名刺」です。
では、有効名刺を獲得するために、ブース装飾はどう変化させれば良いのでしょうか?
3つポイントを紹介します!
有効名刺を獲得するためのブース装飾3つのポイント
ポイント①:メインキャッチコピー
メインキャッチコピーの重要度は上がります。
名刺獲得枚数を増やすためには、人通りが多い動線沿いの場所を確保して、名刺獲得が優秀なコンパニオンを配置することが大切です。
しかしこの方法では、有効名刺の獲得数は増えません。
コロナ禍の今の展示会では、来場者の歩く速度がゆっくりです。
それなりに目的がある方が増えているので、キャッチコピーで自分に関係があるかどうかを判断します。
キャッチコピーどう作れば良いか?に関しては下記のページを参照ください!
ポイント②:接客席数を確保する
接客席数の確保?ブース装飾と関係ある?と思われたかもしれません。
有効名刺の獲得を目的したときには、非常に大切なポイントになります。
コンパニオンがノベルティをフックにバーコードリーダーで名刺獲得をする場合、接客をしないで名刺情報獲得のみに終わってしまうパターンどのくらいあるか知っていますでしょうか?
弊社がコンサルに入った企業の例ですと、2000枚の獲得でアンケートは300枚位でした。
全ての方にアンケートが取れるわけではないとしても、ブースの中で接客ができる確率は20〜30%になります。
今までは、名刺獲得数の割に接客席数はそこまで必要なかったケースが多いです。
では、接客席数どのくらい必要なのでしょうか?
仮に、300枚の有効名刺を獲得することを目的にした場合を計算します。
来場者1人当たりの接客時間を30分とすると、1日7時間稼働で14人、3日間で42人の接客が可能です。
有効名刺率を50%で計算すると、600接客必要になります。
600÷42=14.3
最低でも15席必要になります。
15席も取れない場合は、1人当たりの接客時間を短くする必要があり、接客スキルを上げないといけません。
※来場者1人当たりの接客時間を15分にすれば、必要席数は8席になる
さらに、展示点数が多い場合や接客員が1つのサービスしか説明できない状況だとオペレーションは複雑になります。
必要席数は有効名刺獲得目標数値と整合性を合わせなければいけません。
接客席数をきちんと確保していないとチャンスロス(機会損失)になってしまうので注意しましょう。
ポイント③:システムブースより木工
コロナ禍で来場者が減っているのでブース装飾のコストを落としたいという相談をよくうけます。
私は、落としすぎないことをおススメしています。
今は目的がある来場者が多くなっているので歩くスピードを遅くなっているとお伝えしました。
メインキャッチコピーの視認性とターゲット来場者に刺さる内容にすることが1番重要なのですが、ある程度の見栄えの良いブース装飾も必要だと考えます。
全てシステムで組めば、6割くらいのコストで組むことはできます。
しかし、その4割をケチって有効名刺の獲得数が半分になってしまうともったいないのです。
数字で説明します。
RX社3小間ブース(3×9):小間代300万
木工:300万円 システム:180万円
有効名刺獲得数 木工:300枚 システム:150枚
有効名刺1枚当たりのコスト 木工:20,000円 システム:32,000円
有効名刺数が減ってしまう理由の1つは来場者へのインパクトが無いことですが、もう1つあります。
それは、展示会に参加するメンバーのモチベーションです。
来場者が少なくなっている展示会は閑散としがちです。
参加メンバーのモチベーションも上がりにくい…
ブースにある程度力を入れて、会社としての本気度を示し、活気のあるブースを演出することがとても大切になります。
出展説明会で出展目的や目標数値を共有し、役割を明確にすることも重要ですので押さえて頂きたいです。
まとめ
今回は、コロナ禍でブース装飾はどう変わる?について書きました。
オミクロンの影響で先行きは不透明ですが、リアルの価値が必要な企業が多いのも事実です。
今でもやり方を工夫すれば展示会で成果を上げることはできます!
少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました!