マッチング型オンライン展示会という新しいジャンルを切り開く!
2021年6月16~18日(プレオープンは6月1~15日)の3日間、第1回Japan IT Week【オンライン】が開催されました。
3日間の合計来場者数は、10,254名(プレオープンを含めると19,627名)。
内訳は以下の結果でした。
- 1日目:5,619名
- 2日目:2,685名
- 3日目:1,950名
シーテック2020は会期が長かったのもありますが、総視聴者数が156,600名(そのうちセミナー視聴者が120,847名)でした。
※因みにシーテック今年はオンラインのみの開催になりましたね
来場者数だけ見ると、思ったより少ないと感じるかもしれません。
私の感想だと、今回のオンライン展示会は新しいトレンドを作ると感じました。
おそらく、リード社だからこそできたオンライン展示会です。
リード社のチャレンジは、今後のオンライン展示会にとって意義があると感じています。
- どこが今までのオンライン展示会と違ったのか?
- マッチング型オンライン展示会の成功の秘訣は?
この2点を中心に、コラムを書いてみたいと思います。
リード社が今までのオンライン展示会の常識を打ち破った打ち手とは
私は、リード社と繋がっている訳ではないので、あくまでも仮説です(笑)
但し、結構オンライン展示会を見てきていますので、今までと何が違うかは分かります。
今回リード社のオンライン展示会で1番意外だったのは、「基調講演」をやらなかったことです。
出展企業のウェビナー枠はありましたが、著名人による講演は1つもありませんでした。
これは凄いことです。
リード社は、リアル展示会で必ず「基調講演」をやっています。
「基調講演」が集客に強いことも良く知っているはずです。
あえて「基調講演」をやらなかったのだと思います。
理由は、マッチングを目的にしたオンライン展示会を開催したかったからだと推察します。
2021年のJapanITWeek春(リアル展示会)は4月26~28日で行われる予定でした。
東京ビッグサイトが使えない問題で、実際は5月26~28日に開催されました。
当初から、リアル展示会からオンライン展示会まで間が1か月半で予定が組まれていました。
リード社のオンライン展示会は、リアル展後のマッチングの場として設定されているというのが私の仮説です。
- リアル展で担当者が話を聞いて、上司や決裁者はオンライン展示会で商談をする。
- リアル展では予算化していなかった。その後予算化されて本格的に比較フェーズに入ったタイミングでオンライン展を行う。
今までリアル展に来場してきてくれている方やその周りのキーマンとの接点を目的としているのです。
来場者のターゲットペルソナ、そしてマッチング重視という目的の2つの観点から打ち手を考察してみたいと思います。
打ち手の考察プロセスは、①集客方法と➁プラットフォームの設計で解説します。
①集客方法
初のオンライン展示会で、集客に対する不安はあったと思います。
リード社が開催して、全然集まらなかったでは格好がつかないと。
一番やりやすい方法は、基調講演で著名人を呼んで、集客をすることですが、それをやらなかったのは前段でお話しました。
基調講演をフックにすると、マッチングより基調講演目的の来場者が増えるためです。
※因みに、プラットフォームの作りも、ウェビナーに強みを出していません。
基調講演をフックにしない代わりに、リード社が行った打ち手は、「登録者に電話をする」です。
今までJapanITWeekを開催して持っているリストは、とんでもない数だと思います。
リアルで10万人位は来場する展示会なので、ハウスリストは30万位はあるのではと予測します。
今回、プレオープンも含めて約2万人が参加していますが、ハウスリストの6.7%の計算になります。
おそらく、登録者はそこそこ集まるだろうと考えたと思います。
問題は、参加率。
今までリアル展示会に来場していた方が対象なので、「ログインができない」などの課題も考えられます。
私にリード社から電話がかかったので、目的を聞いてみました。
ヒアリングした内容を紹介します。
- 登録者に対して全員に電話している
- 外注ではなく社内リソースでかけている
- 登録者にログインして貰うことが目的
- ログインしていない場合は、やり方を伝える
私は既にログインをしていたので、ここまでの説明でしたが、実際にログインをして貰って、プラットフォームの使い方を説明しているのかもしれません。
目当ての企業検索方法や興味がある分野の探し方、資料ダウンロードや面談セッティングの方法など。
リード社は今までEventXというプラットフォームを使っていましたが、今回は自社開発をしているという話です。
初めてのプラットフォームで、参加者が混乱することも予測して、「登録者に電話をする」という打ち手を行った可能性もあります。
もし仮に、参加者10万人を目的にしていたら、「登録者に電話をする」という打ち手はできなかったと思います。
コストがかかりすぎて割に合わないでしょう。
この取り組みは、1万人以上の規模感で行われているオンライン展示会では初チャレンジだと思います。
どのくらい効果的であったかは分からないですが、可能性のある打ち手だと感じました。
➁プラットフォームの設計
オンライン展示会において、集客方法とプラットフォームの設計の関連性はとても大切です。
例えば、基調講演で広告をかけて集客をしている場合は、「基調講演を聞く目的」の来場者が多くなります。
そうすると、基調講演に辿り着きやすいプラットフォームの設計が大事になります。
また上記に併せて、基調講演を聞いた後、その他コンテンツに遷移しやすい仕掛けが必要になります。
今回のリード社のオンライン展示会の特徴は以下になります。
- 今までリアル展示会に参加したことがある方が対象
- ハウスリストから集客(メルマガ中心)
- 登録者に電話をして、ログインを促しプラットフォームの特徴を伝える
- 目的はマッチング
この辺りの前提条件から、今回のプラットフォームを考察してみます。
初日に実際に参加をして、プラットフォームの特徴を解説した動画を限定公開します。
知り合いの方とチャットしていたりもするので、この記事を読んでいる方のみに公開します(笑)
結論から言うと、マッチングに特化をしたプラットフォームになっています。
感じたことを書きます。
- ウェビナーよりもブースに来場して欲しいという意図を感じるTOPページ
- ブース来場者がリアルタイムで把握できる
- ブース来場者にチャットを送ることができる。ブースから離れていてもチャット通知がでる(出展社は今ブースにいる、離れているが確認できる)
- 検索機能は、目的のある方を対象としており、会社名や製品名で検索をすることを主に想定した作り
- 回遊性を高める機能として、ランキング、レコメンドがある
- 静的なページなので、チャットが盛り上がらないと来場者は少し物足りなさを感じるかも
出展社がリアルタイムで来場者を接点を持つことをやりやすくしているプラットフォームなので、リードだけ欲しいという出展社にはマッチしていない気がしました。
出展社がある程度リソースをかけて、参加者にアプローチすれば、成果も出るだろうなと感じました!
リード社の考察から感じた今後のオンライン展示会の在り方
今回のリード社のオンライン展示会は、出展企業の努力によって成果が変わるというのが私の感想です。
基調講演、広告による集客、ウェビナーという3種の神器が揃った、たくさんの来場者が集まる型を仮に「ブランディング型オンライン展示会」とします。
今回のリード社のオンライン展示会は、強力なハウスリスト、来場者参加目的の高さ、出展社の努力の3つ要素が重なった「マッチング型オンライン展示会」です。
オンライン展示会がある程度スタンダードになった時、マッチング型のオンライン展示会が増えてくると私は予測しています。
マッチング型オンライン展示会は、ハイブリッド型と相性が良いと考えているので、ワクチン接種後のトレンドになると思います。
今後、場所を選ばない働き方がもっと推進されてくると予測されますし、地方/海外といったキーワードともマッチング型は相性が良さそうです。
リード社のチャレンジは、とても意義があることです。
出展社の成果が上がった!という声が拡がれば、オンライン展示会は新たなステージに向かいます。
マッチング型オンライン展示会は、思ったよりも早く日本に根付くかもしれませんね。
まとめ
今回のコラムでは、リード社のオンライン展示会を考察して感じたことを書きました。
皆さまも色んな視点でオンライン展示会を考察してると思います。
新たな発見や気づきに繋がると嬉しく思います!
展示会の学校で、【コラム】と書いてある記事は、私の個人的な考えになります。
コラムを読んで頂いた方とあーだのこーだの言いながら、未来の可能性について語り合いたいです!
※第1回のコラム以下です
最後まで読んで頂きありがとうございました!