オンライン営業の文化を社内に定着させる資格制度を紹介
日本初のオンライン面談資格制度を開始した株式会社カスタマーリンクス。
プレスリリースはこちら(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000058620.html)
林さんは「対面とオンラインを比べるのではなく、オンラインの良さを考えました」と語ります。
私は保険営業の経験があるので、オンライン難しいのでは?と思っていました。
しかし、話を聞いているうちにここまで考えられているのかと驚きました。
これは学べることがたくさんあると思い、今回のインタビュー記事の紹介となっています。
展示会が中止になっている中、オンラインで営業をする機会も増えています。
- オンラインの営業やったことがないから不安
- オンライン営業のコツが知りたい
- 自社にオンライン営業の文化を根付かせたい
このような悩みを抱えている方に、是非読んで頂きたい内容となっております。
それでは、インタビューをどうぞ!
オンライン面談資格制度を自社で取り組もうと思ったきっかけを教えて下さい。
コロナの影響が出始めた3月くらいに、今後の営業のやり方について考えました。
社員にヒアリングをすると3つのパターンにわかれました。
- コロナの影響があってもお客様は会ってくれる(問題ないぞ)
- 会えなくなったとしても2~3か月の我慢(助成金でなんとかできそう)
- 今会えないのは死活問題です(笑)
コロナの影響があったとしても、問題ない社員もいれば、アルバイトを探さないとと考える社員もいました。
保険業界あるあるだと思います(笑)今の状況をなんとかしないといけない気持ちが強かったのですか?
経営者として、もちろん社員を守ることは考えました。
同時に、今の状況をチャンスに変えられないかと思いました。
どんなチャンスがあると思ったのですか?
今の自社の強みを再定義してみました。
1つ目は社員の平均年齢です。
他社の代理店は、40代後半くらいですが、弊社は30代後半です。
若いメンバーが多いので、オンラインに抵抗はないだろうと。
2つ目は、オンラインで案件を作る仕組みです。
弊社は他業種とのアライアンスや、オンライン施策で新規の案件を作る仕組みを構築しています。
コロナの影響なのか分かりませんが、月に2~3件の紹介案件が発生していた媒体から、30~40件紹介がありました。
オンラインで初回面談を行うことが増えていました。
案件は増えていて、社員もオンラインに抵抗がない。
後は、どうやってオンライン面談の質を上げていくのかを考えました。
オンライン面談の質を上げることが目的なら、教育でも良かったと思います。資格制度に取り組んだのには理由がありますか?
1つ目はPRを考えました。
資格制度に取り組むことで、カスタマーリンクスが最初に始めたという認知が拡がると良いと思いました。
認知が拡大することで、アライアンスが増えたり、紹介案件が増えることに期待しました。
2つ目は、社員が本気でオンライン面談を行う仕組みを作りたかったです。
今後は、他社もオンライン商談に力を入れることが予測されます。
オンライン商談の質が差別化要素になってきます。
社員にオンライン商談講座を受けてもらうことは簡単です。
それは、受動的であって、本気で取り組むことにならないのではと感じました。
差別化になるまで、オンライン商談の質を上げるには、社員に資格制度のメリットを提示して、能動的に取り組みたいと思わせることが大切だと考えました。
社員が能動的に取り組みたくなる仕組みとても興味があります!
ありがとうございます!
まずは、しっかりとメリットを伝えようと考えました。
オンライン面談を行うには環境が重要です。
資格を取得をすると、iPad Airの無償貸与、Zoom有料会員費用の補助、ヘッドセットやバックスクリーンの貸与など環境整備の特典をつけました。
保険業界では、環境への投資は自分で行う必要があるので、会社が負担するのは珍しいと思います。
さらに、資格取得者には優先的に案件を紹介することにしました。
営業にとっては、数字に結びつく最も強いインセンティブです。
社員の方には、強制的に資格を取らせているのですか?
能動的に取得することが大切だと思っているので、強制はしません。
案内は、社内イントラで資格制度についてのアナウンスをしたくらいです。
今2割くらいが受けている状況です。
オンライン営業に取り組むのは、対面営業に慣れている方からするとハードルが高いといったことはありますか?
今の状況下ではオンライン営業はやらなければいけないことなので、心理的にやりたくないというのはないです。
但し、資格制度を受けることに対するハードルはありますね。
どんなハードルがあるのですか?
最大のハードルは役員面談ですね。
弊社は3名役員がいるのですが、資格を取得するためには3名を前にしてロープレを行わなければいけません。
自分の営業を役員に見られるのは、心理的に抵抗があると感じているのは良く分かります。
そこで、工夫が必要だと考えました。
資格の面談は、初回面談30分、3回目面談(プレゼン)30分、フィードバック30分の計90分で行います。
最後のフィードバックでは褒めちぎることにしています。
良かった点、悪かった点はもちろんちゃんと伝えますが、基本は褒めちぎる(笑)
そうすると終わった後に、営業同士で話をするときに「こういう所褒めてもらった」などの情報が伝わります。
そういう感じなら受けても良いと参加意欲が上がる仕組みです。
ありがとうございます!資格制度に取り組んだ背景や狙いとても勉強になります。オンライン面談の質を向上させるためのプログラムの中身について教えて貰っても宜しいでしょうか?
ここは、企業秘密の部分もあるのですが(笑)なるべく話します!
役員面談のチェック項目は3つの評価軸に分かれてます。
- オンライン対応能力
- 人間的信頼
- 能力的信頼
オンライン対応能力は、オンライン商談の基本的な所作みたいなものです。
資料を出すのに戸惑ったり、そもそもZoomの招待メールが送れないなどがあるとお客様をイライラさせてしまいます。
お客様に不安感を与えない上で、とても大事なチェック項目です。
オンライン対応能力が問題ない場合は、お客様が信頼できると思ってもらえるコミュニケーションができているかをチェックします。
ここで、「人間的信頼」と「能力的信頼」に分けているのがポイントです。
人間的信頼とは、笑顔が良いなどの人として信頼できるかどうかの価値基準です。
能力的信頼は、仕事をこの人に任せたいと思えるか、相談役として価値が高いかを評価しています。
この2つを分けて考えないと、属人的な営業になってしまい評価ができません。
例えば、人間的信頼が高くて、能力的信頼が低い人は、商談が進むにつれてお客様の信頼が落ちます。
質問の意図が明確でなかったり、課題への提案が伝わってこないなど、人は良さそうだけど仕事を任せても大丈夫?のような感じになります。
逆に、能力的信頼の高い人は、人間的信頼を疎かにしやすいので、商談ですぐに本題に入ります。
優秀そうな人だけど、もっと寄り添ってくれる人の方が良いという印象を与えます。
このように、この2つの軸で考えることで、営業としての強みや改善点がはっきりします。
属人的な評価にならない工夫ですね!ロープレはどのような感じでやっているのですか?
まずは、具体的なお客様を設定します。
そのお客様に対して、オンライン面談を設定して、初回面談を30分で行います。
そこでヒアリングをしたことを基に、3回目面談と弊社で呼んでいるプレゼンロープレを30分。
フィードバックを30分行っています。
先程お話した3つの評価軸で、役員3名が資格の認定を行っています。
ロープレを通して今までにないような工夫点が出るのがとても面白いです!
どのような工夫点ですか?具体例を1点教えて下さい!
保険の営業は、お客様のライフプラインニングをすることが重要です。
対面であれば、シートを使いながらお客様と一緒に考えます。
プライベートな部分に踏み込んでいくので、営業の笑顔や質問をする時の表情がとても重要になります。
オンラインだと、それが難しいと思っていました。
ある社員が、ipadと両使いしていました。
なるほど!と思いましたね!
両使いすれば、自分の表情も見せることができますし、お客様にも安心感を与えることができます。
このようなノウハウがたくさん出てくるので、それをすぐに全体に共有するようにしています。
改善点や新しいやり方がスピーディーに社内に展開されるのは、オンラインの良さだと思います。
※実際に画面を使って説明してくれました
工夫点とてもためになります!もう1つくらいオンライン面談のコツを教えてもらえますか(笑)
分かりました(笑)
オンライン面談で難しいのは初回面談でどうやって信頼してもらうかだと思います。
そこで悩まれる方も多いのではないでしょうか?
人間的信頼と能力的信頼の両方に効果的なのが自己紹介です。
これは必ずやった方が良いですね。
私の自己紹介用のプロフィールがこんな感じです。
家族の話や、大学時代にやっていたこと、今の趣味などを紹介しながら、お客様との共通の話題に繋げることは意識しています。
簡単な経歴を説明することで、能力的信頼も同時に伝えることができます。
オンライン面談だからこそ、自己紹介は重要になると思います。
ありがとうございます。バンドの写真やばいです(笑)最後にオンライン面談に期待することを聞いても良いでしょうか?
対面とオンライン面談を比較すると、対面でできることの方が多いと思います。
しかし、オンラインの良さを活かせば、今よりも会社全体の成約率を向上させることができると期待しています。
オンライン面談資格制度に取り組むことで、今まで見ることができなかった営業の現場感を理解することができるようになりました。
客観的に自分の営業を見ることがオンラインによって増えるので、自分の癖や無意識で行ってきたことに気づきます。
また、先ほど言ったようなノウハウも、オンラインだからこそ社内に浸透しやすいです。
リアルで会ってもらえるお客様とは、今後も対面で営業を行います。
その時にも、オンライン面談で培ったノウハウが活きるのではと考えています。
オンライン資格制度に取り組んだ結果、案件数は増えて、成約率も上がることは実現できると思います!
オンライン面談を前向きに捉えることで、新たなビジネスチャンスに繋げてらっしゃること理解できました。成約率の改善の話は、色んな業界の方に共通する興味深い話ですね!林さんから何か皆さまに対してできることがあれば教えて下さい!
弊社は、色々な企業の方とアライアンスを組んでいます。
例えば不動産の販売会社であれば、お互いに既存のお客様を紹介しあって、お客様にワンストップで課題解決ができる体制を構築しています。
今でも、一緒にセミナーを企画したり、営業ノウハウを共有することを行っております。
今回のオンライン面談資格のノウハウも、その様な企業の方とシェアをしていければと思っております。
オンライン面談のスキルが向上することで、お客様が喜んで頂くのが1番良いことだと考えております。
弊社のビジョンは「百年コンシュルジュ」です。
お客様に百年寄り添っていける、新しい形の営業を一緒に作っていければ嬉しいです!
たくさんの現場感のあるノウハウを教えて頂きありがとうございます!インタビューありがとうございました!
株式会社カスタマーリンクス
お問い合わせはこちら(展示会の学校で見たとお伝えください)
https://customerlinks.jp/contact.html
インタビューのまとめ
- 資格制度を構築することで能動的な参加を促す→本気で学ぶから本気で取り組む
- 資格制度のメリットを設計し伝えることが大事
- 役員面談のハードルを下げるためにはとにかく褒める
- オンライン面談に取り組むことで成約率が向上する
- 自己紹介で人間的信頼と能力的信頼を獲得しよう